歯を抜いた後の治療

歯は抜いてはいけません、簡単に抜いてはいけません!
治療後に多少違和感が残ったとしても、やはり抜かない方がいい。
当院ではできる限り歯を抜かない治療を行います。

しかし、むし歯・歯周病は「唾液中に存在する細菌バクテリアの感染症」です。
無理して歯を抜かずに残すことで、感染が拡がり、悪い歯だけでなく、その周りの歯を支える骨(歯槽骨)を溶かし、となりの歯にまで感染が拡大してしまうことがある、、、。こんなときは、無理して残してはいけないのです。

私も奥歯をひとつ失った経緯があります。
30年以上も前に根管治療を施した奥歯。腫れを繰り返していたので信頼できる歯医者さんに診てもらいました。結果は「歯根破折」。右上の写真のように、歯根が折れてしまい、周囲の歯槽骨を無くしていました。あまり痛みはなかったのですが、さすがに周囲の歯槽骨をこれ以上失ってはいけない!早々に抜歯してもらいました。

このような症例では「抜歯」が最適な治療法となるのです。

抜歯後の治療法には、ブリッジ、入れ歯、移植、インプラントの治療法があります。

治療法選択でとても大切なことは、「残っている歯にこれ以上負担をかけない治療法を選択すること!」です。

そもそも抜歯に至った歯は、「これまで一生懸命頑張って働いてくれていた歯」つまり「負担がかかっていた歯」です。その歯がなくなってしまったのだから、抜歯後は、残っている歯に負担がかかることになります。

負担がかかっているのに、更に歯を削ってつなげてかぶせる「ブリッジ」。残っている歯に引っ掛ける「入れ歯」。治療法としていいわけがありません。治療しているはずが、残っている健康な歯に負担を強いているのです。

失ったのならば、もう1度、歯を補ってあげる。「削ったり、つなげたり、ひっかけて」残っている歯に頼るのではなく、「足してあげる」。この考え方にはインプラント治療が最適です。世界ではスタンダードな考え方、日本でも当院でも当たり前の考え方になってきました。

当院では徹底した歯周病治療と根管治療で歯を残しますが、それも叶わない時もあります。本日だけでもインプラント4症例。

そのうちの1症例、本日はインプラント上部構造の装着、治療の終了日でした。右写真は2本奥歯を抜歯した症例です。

本症例では、親知らずが残っていたので「長いブリッジ」を装着することはできましたが、それでは「長く持ちません」。負担がかかってダメになって抜歯したのだから、4本分を2本で支えるブリッジが持つわけがありません。また、1度治したら、何度も再治療したくないですよね?私は絶対にしたくない。ならばインプラントです。

上CT画像の患者さまは「根管治療」で当院を受診されました。ややチャレンジングな患歯ではありましたが、何とか残すべく全力で根管治療を行い、症状は緩解しました。その後、歯に負担の少ないファイバーコアを装着し仮歯を装着、しばらく経過を観察し、本当に咀嚼や嚥下などの機能に耐えうるか?を診ました。しかししばらくすると歯ぐきが腫れてきました。残っている歯の厚みも非常に薄かったことから「歯根が破折」したのでしょう。患者さまに説明させて頂き、抜歯即時インプラント手術となりました。

やるべきことをしてダメならば、適切な事後処置を施すことが、問題の更なる拡大を防止します。いま、徹底した治療を施すことが、次へとつながります。

いま米国の根管治療専門医機関では、「インプラント」をその教育に取り入れるようになりました。インプラントと根管治療は対峙する治療法。インプラントは歯を抜歯した後の治療法、根管治療は歯を抜かないように残す治療法です。その抜かないようにする治療法である根管治療の専門医が「インプラント」を学びはじめています。それは、徹底した根管治療を行い、徹底した歯根端切除術を行っても「残せない、抜歯せざる得ない歯」があることを意味しており、そのような症例では、さらなる炎症拡大による「歯槽骨の喪失(とけてなくなる」を予防し、早々に機能回復をするために、インプラントが必要であることを意味しています。

当院ではこの考え方、つまり「エンドインプラントロジー」の考え方を基軸に日々の臨床に取り組んでいます。

抜歯はしたくない。私もしたくない。
だから徹底した根管治療を行う、そのためには適切なコンセプトと道具立てが不可欠。マイクロスコープやラバーダム、CTなどがそれでしょう!
それでもだめならば、早々にインプラント治療を!
この判断を早期に適切に行えるよう日々精進しております。

―宮崎歯科医院について― 舩井(船井)幸雄先生の著書「退散せよ似非コンサルタント」(52頁の超プロの5条件で紹介される)や 私の知った良い歯科医師(歯医者)、信頼できる歯医者・名医として紹介され、インプラントかみあわせ(顎関節症)治療で多くの患者さまを拝見する歯科医院です。関東 東京都内、内幸町、虎ノ門、新橋、霞ヶ関、神谷町、港区、千代田区だけでなく関東近県、全国から患者さまが来院されるため、ご来院の際はお電話・メールにてご予約いただけますようお願い致します。インプラントかみあわせだけでなく、マイクロスコープCT撮影ラバーダム防湿を駆使した最先端根管治療ホワイトニング審美歯科メタルフリー予防歯科・親知らずの抜歯・歯周病治療・一般むし歯治療など、痛くない麻酔、痛くない治療で行っております、安心してご通院頂けます。セカンドオピニオンやご相談、メール相談も多数頂いておりますのでお気軽にご相談ください。