下顎第2大臼歯の根管治療。この歯の根管の形態は樋状根という複雑な形態を示すことがしばしばあり、この形態が根管治療を難しくしています。本ブログではその樋状根の根管治療についてです。
樋状根の根管形態は複雑、その根管は強く湾曲しており、一般的に使用されるステンレススチール製の「Kファイル」では、その湾曲に追随できず、根管に傷をつけてしまい、それが原因で痛みが残ってしまう症例をよく見ます。
⇒根管に傷(穴)が空いてしまい、痛みのある歯を根管治療で改善したケース
上写真は、本症例の根管に通した80ミクロンのKファイルを回しながら連続撮影した写真です。湾曲した根管にKファイルを通すことで、その根管の形態をトレースすることができます。この形態を観察すると、根管は2次元的に曲がっているのではなく、3次元的に2度3度と屈曲湾曲した形態であることが分かります。
このような根管に、湾曲度の弱い(つまり硬い)ステンレススチール製ファイルを通そうとすると、本来の根管とは違う方向に穴が開き、それが痛みの原因となってしまうことがあります。従来より使用されている「Kファイル」だけで根管内をキレイにするには相当なる熟練が必要と思われます。当院ではこのような湾曲した根管を簡単に安全にキレイにするために、「ニッケルチタンファイル製のファイル」を使用しています。
また極細の80ミクロン、100ミクロンのKファイルは1度で使い捨てし、繰り返しの滅菌使用は致しません。Kファイルの繰り返しの使用は、根管内でのファイルの破折の可能性を高くするため、当院では使い捨てます。
根管内の破折ファイル除去症例はこちらを!
実際の治療手順です。
初診時には痛みがあり、来院されましたが、応急処置と投薬にて痛みは緩解します。あらためて来院頂き治療です。当院の治療は痛みはありません、無痛麻酔無痛治療です。
当院では「マイクロスコープ」で根管治療を行います。まずはラバーダムを装着、唾液の混入する状況で根管治療をしても治りません。むし歯は唾液中に存在するバクテリアの感染症です。ラバーダムを装着した後に、オキシドールとヨードにて歯を洗浄消毒し、被せものを除去します。除去すると、神経が露出した状態。
湾曲した根管にはニッケルチタンファイルです。根管内をしっかり清掃拡大し、消毒薬となる次亜塩素酸の効きやすい環境を作り出します。清掃拡大が十分に為された後は、CWCTにて根管充填し、治療は終了です。1回の来院で1時間で、根管治療は終了となります。
何度にも分けてラバーダムもせずに根管治療をすると、唾液感染の機会を与えるばかりで治るものも治らない、、、なんてこともあるのではないでしょうか。
当院では適切な道具立てと環境を整えて、UCLA根管治療専門医のコンセプトに基づき、少ない回数で根管治療を行います。
―宮崎歯科医院について― 舩井(船井)幸雄先生の著書「退散せよ似非コンサルタント」(52頁の超プロの5条件で紹介される)や 私の知った良い歯科医師(歯医者)、信頼できる歯医者・名医として紹介され、インプラント&かみあわせ(顎関節症)治療で多くの患者さまを拝見する歯科医院です。東京都内、虎ノ門、虎ノ門ヒルズ、神谷町、霞ヶ関、新橋、港区、千代田区だけでなく関東近県、全国から患者さまが来院されるため、ご来院の際はお電話・メールにてご予約いただけますようお願い致します。インプラント、かみあわせだけでなく、マイクロスコープ・CT撮影・ラバーダム防湿を駆使した最先端根管治療・ホワイトニング・審美歯科・メタルフリー・予防歯科・親知らずの抜歯・歯周病治療・一般むし歯治療など、痛くない麻酔、痛くない治療で行っております、安心してご通院頂けます。セカンドオピニオンやご相談、メール相談も多数頂いておりますのでお気軽にご相談ください。