日別アーカイブ: 2019年9月20日

根管治療 専門医の考える適切な治療とは?

根管治療(神経の治療、根っこの治療、神経を取る治療、歯内療法)に何度も何度も通院しても治らない。そんな経験ありませんか?

根管治療は、唾液中に存在する細菌が歯の内部に感染を取り除く治療です。
感染を取り除けば治ります。

それでは、適切な、そして良い根管治療とはどのようなものでしょうか?

Prof.Marwan Abou-Rassとは?根管治療

根管治療で世界的な権威であるMarwan Abou-Rass教授のファイナライゼーションコンセプト根管治療で世界的な権威であるMarwan Abou-Rass教授のファイナライゼーションコンセプトでは、このような記載になっています。

① 適切な機械的拡大・清掃が為されている。

② ガッタパーチャとシーラーで適切な長さまで根管充填されている。

③ 適切な歯冠修復が為されている。

④ 客観的・主観的症状がない、またあっても治癒傾向にある。

むし歯は口内に存在する細菌の感染症です。上記を簡単にいうならば、

 根管内の細菌感染を除去し
 再感染しないよう樹脂で緊密に封鎖し、
 上から精度の高い「かぶせもの」をかぶせ、
 歯科医師が見ても、患者さんの感覚でも問題が無く、治る過程にある。

これを満たす根管治療は「良い根管治療」といえるとDr.Abou-Rassは言っています。

同時に、「(上記のような)適切な根管治療が為されていないならば、経過観察など行わずに速やかに再根管治療あるいは外科治療(歯根端切除)に移行しなければならない」とも言っています。

むし歯は細菌(バクテリア)の感染症です。

口内から感染した細菌は、歯の内部へ浸食し、歯根の先へと及びます。

治療時期が遅れることで、歯根の先端より外部へと細菌感染は進行し、通常の根管治療では治癒できないこともしばしばです。

このような場合は、歯根周囲の骨ととも歯根尖を外科手術にて除去します。

歯根端切除術は、マイクロスコープの台頭により、その成功率が90%以上に上昇し、マイクロスコープを用いた外科治療の有効性が広く知られるようになりました。

これは、2000年初め、インプラント治療が安易に選択されるようになったことから、「まずは徹底して歯を残す、そのためには歯周病治療と根管治療を徹底しなければならない」という風潮がでてきたことによるものとも言えます。

現在日本では、「歯根端切除をすれば治る」と言われることも少なくないようですが、15年先をいくアメリカエンドでは、ちょっと違うようです。

アメリカにおいて、2000年代に早くも成熟したマイクロスコープによるエンド外科手術は、現在反省期に入っています。マイクロスコープ外科手術でも治すことのできない症例が多く出てきているのです。

では、根管治療先進国であるアメリカでは、どのようにしている対応しているのでしょうか?

答はDr.Abou-Rassが1999年に唱えていた「エンド・インプラントロジー」です

エンド・インプラントロジーとは、

「エンド」とは「エンドドンティクス(=根管治療)」のこと。
インプラントロジーとはインプラント学問です。

これまでは根管治療専門医は、根管治療だけでなく、インプラント治療も視野に治療に臨むということです。根管治療や再根管治療、また歯根端切除術など、必死で歯を残そうとしても、その治療に限界があることが分かってきました。ならば、その後の「インプラント治療」を見据えた上で、根管治療を行うこと。この重要性が問われてきています。そのためには、根管治療だけでなく、インプラント治療ができる「根管治療専門医」が必要となっており、アメリカの根管治療専門医の修得過程には、インプラント治療に関するカリキュラムが導入されるようになっています。

生涯の健康に寄与するために、咀嚼機能を維持すること。
一つ一つの歯を大事にすることは当然ですが、それ以上に、摂食できる・食事のとれる口内環境を維持することがもっともっと大切です。

根管治療根っこの治療 神経の治療 どんな治療?何をしているの?詳しく知りたい 動画で説明 歯を残せない場合は、従来のブリッジや入れ歯治療などの「残っている歯に負担をかける治療」ではなく、「残っている歯を助けるインプラント治療」をできる環境を整えることの重要性が最新の根管治療分野で問われています。

当院ではこのコンセプトに基づき、適切な根管治療コンセプトに基づき、インプラント治療ができるよう、治療環境を整えて日々の臨床に臨んでいます。

マイクロスコープ&ラバーダム
宮﨑歯科医院 インプラント用手術室 特別診療室

 

 

 

歯の神経が死んでいる場合も麻酔しますか?

「歯の神経が死んでいる場合も麻酔しますか?」

以前、当院のYoutubeチャンネルに投稿した下の動画に頂いたご質問です。

また、当院に来院される患者様から頂くご希望でもあります。

「根管治療の際には、麻酔してもらえますか?」

「いままで通っていた歯科医院では、麻酔してもらえなかったので・・・」

宮崎歯科医院 youtubeチャンネル以下に回答させて頂いております。

ぜひご参照ください。

また、当院のYoutubeチャンネルもご参照くださると大変うれしいです。

ぜひご参照頂き、ご登録ください1

《以下回答文となります》

コメントをありがとうございます。

まずは回答から!「はい!必ず麻酔をします」
歯の神経(歯髄)を残す・取らない・根管治療しない 東京都内内幸町西新橋虎ノ門霞ヶ関神谷町日比谷有楽町の歯科歯医者 マイクロスコープが必要歯の神経が死んでしまう理由は、むし歯菌(=細菌)が感染するからです。
むし歯は唾液中に存在する細菌が、歯を溶かしながら内部へと感染する病気です。
その感染の過程で、冷たいものがしみたり、ズキズキしたり、温かいものがしみたり、歯ぐきが腫れるといった症状が発現します。

むし歯に対する考え方 神経(歯髄)を残す、神経を取らない治療 基準 東京都内内幸町新橋虎ノ門霞ヶ関神谷町日比谷有楽町銀座歯科歯医者さん

細菌の感染が歯の内部にある「神経組織(=歯髄)」に達すると、歯の神経が徐々に炎症を起こします。

根管治療 動画で説明放置することで、感染はさらに深部へと拡がり、徐々に歯の神経が「壊死(死んでしまうこと)」しまうのです。

そのため、「細菌感染を取り除く」ために、“感染した”歯の神経を取り除くのです。
これを「根管治療」といいます。
これは、皮膚に細菌が感染した“トゲ”が刺さるようなものです。
トゲが刺されば、皮膚は腫れ、その感染は拡大します。放置すれば皮膚は赤く腫れあがり、対処しなけば、膿(ウミ)がでて、皮膚は壊死してしまうでしょう。
そうならないようにするには、早期に感染しているトゲを取り除くことが大切です。
壊死してしまったのであれば、その部分の皮膚も含めて取り除く必要があるでしょう。
では、その壊死組織を取り除くとき、麻酔は要らないでしょうか?
どこからどこまでが壊死しているのか、目で見て分かるでしょうか?
壊死組織を取るためには、健全な部分から壊死組織を除去しなければなりません。
健全な部分には「知覚」があります。
“麻酔、しますよね”
麻酔をして健全な部分から壊死組織を取り除くはずです。
歯も同様です。
また、歯の神経が死んでしまい、知覚が無かったとしても、周囲を支える歯槽骨や歯根膜といった組織には「知覚」があります。麻酔無では激痛です。拷問と変わりありません。
・むし歯が神経に達している
・歯の根っこの先にレントゲンでみて病変(病巣)が認められる
・電気的刺激に反応しないので、神経は死んでいる
などを根拠とした神経が死んでいるとする診断は、片手落ちの診断です。
たとえその診断が正解であったとしても、健全部分が周囲に存在するため、麻酔は必要となります。
神経が死んでいる=麻酔が必要ない」
とする考えが歯科医師に未だに拡がっている理由には以下の状況があるでしょう。

・戦後より続く日本の保険医療制度に基づく治療
・昔ながらの歯科大学の教育
・肉眼に頼った従来の歯科治療

むし歯に対する考え方 神経(歯髄)を残す、神経を取らない治療 基準 東京都内内幸町新橋虎ノ門霞ヶ関神谷町日比谷有楽町銀座歯科歯医者さん

マイクロスコープ 新橋 内幸町 汐留 虎ノ門 霞ヶ関 大手町 日比谷 銀座 神谷町現在では、マイクロスコープがあります。
(未だ数パーセントの普及率ではありますが)
細菌が神経に感染したとしても、すぐに全部が壊死するわけではなく、徐々に炎症を起こし、徐々に壊死することが分かっています。 神経が死んでいるように見えても、実は生きているといったことは多いのです。
こういったことから、根管治療の際には、必ず麻酔が必要となるのです
ちなみに、私は25年ほどの歯科医師人生において、麻酔をせずに根管治療をしたことは一度もありません。
宮崎歯科医院 youtubeチャンネル