日別アーカイブ: 2019年12月14日

樋状根 根管治療 CT マイクロスコープ

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル樋状根の根管治療の治療の様子を動画にまとめた上動画にご質問を頂きました。

根管治療時のCTの有用性についてのご質問です。
CTは必要か?マイクロスコープは必要か?CTはホントに見えるのか?
などについて回答させて頂いております。

詳しくは以下の文章あるいは当院のyoutubeチャンネルをご参照ください!


今まで治療を受けた歯科と比べて、ここまで素晴らしい治療を保険診療でも出来るのかと感服致しました。

スタッフの皆様の質もトップクラスだと思います。とても素晴らしいです。

CT今回樋状根ということでしたが、術前のCBCTで樋状根やMB2.MB3は確実に検知出来るものなのでしょうか?

CBCTでも見えないものが実際にマイクロスコープで診て、初めて見つかるということがあるのか気になりまして…。ご回答頂けますと幸いです。

コメントありがとうございます! 当院のスタッフへのお褒めのお言葉まで頂き恐縮しております。重ねてありがとうございます。

「術前のCBCTで樋状根やMB2、MB3が”確実に”検知できるものなのか」とのご質問に回答させて頂きます。よろしくお願い致します。

症例にもよりますが、”確実に”検知できるとは言い難いと感じております。

レントゲンやは3次元を2次元に落とし込み、「概略」を表示してくれる素晴らしい診査機器です。

しかし、像が重なることや引きのばして表示さているため、CTと比較すると精度に欠けるといえるでしょう。

言うならば、「世界地図」でしょう。端っこは引き伸ばされています、実寸ではありません。

それと比較してCTを云うならば、「Google map」でしょうか(笑)
実寸に近く、立体でもみることが可能になってきていますよね。

グーグルマップより精度が高いですね、CTは! CTはおそらくではありますが、最小で80ミクロン程のスライス幅で撮影可能です。

像が重ならず、実寸に近い表示が可能となります。 しかし、それ以下の大きさのものは写りません。 60ミクロン以下の根管を確実に検知するのは難しいでしょう。

我々歯科医師もそうですが、診査機器の捉え方をちょっと、間違って解釈している傾向があります。 CTなどの診査機器があれば大丈夫、全部分かる!と思いがちですが、その像を診て、どう判断するのか?は歯科医師の知識と技術と経験にかかってきます。

これはマイクロスコープにもいえることでしょう。 同じ景色が見えていても、その異常に気づける人と、気づけない人がいます。これは何事にもいえることです。

マイクロスコープとラバーダム

では、こういった診査機器をどのように活用するのが正しいのでしょうか?

診査機器とは、歯科医師が患者様の病状、視診、問診より得られた情報をもとに”仮説”を立て、 ”仮診断”を行い、その裏付けを見つけるためのもの、後押しをしてくれるものと私は捉えています。

「CTで樋状根を見つける」 「CTでMB2やMB3を見つけた」 ではなく、 「下顎第2大臼歯は樋状根の可能性がある、その根管形態と根管数はどのようになっているのだろうか?CTでそれを術前に見ておいた方が安心した治療ができるだろう、患者様も安心だろう」 「この大臼歯にはMB2やMB3が高い出現率で認められるはず、歯根の形態からも疑いがありそうだ。CTを撮影してみよう」

このような撮影の仕方でないと、見えるものも見えません。

知識のなきものに、その景色は見えないのです。

ct 根管治療 神経を残す治療「CBCTでも見えないものが実際にマイクロスコープで診て、初めて見つかるということがあるのか」 CBCT撮影前に、何を目的として撮影しているのか?何を探そうとしているのか?が必要でしょう。

MB2はCBCTでは写らないことがありますが、上顎第一大臼歯80%、上顎第二大臼歯で60%の高い確率で存在しています。残念ながら、肉眼で見つけることは非常に困難です。
https://miyazaki-dentalclinic.com/23615

そのため、「CBCTでは見つからないものが、マイクロスコープで”初めて”見つかる」ということは”無い”でしょう。

最初からその存在を疑わない歯科医師にはどんな診査治療機器を使用しようと見えません。

しかし、「MB2の存在を疑って、CBCTを撮影したけど写らなかった。でも歯根の形態をみると、その存在がCTより疑われる。実際にマイクロスコープで見ると、やはり在った!」ということはよくあることです。

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