かみあわせのブログ

補綴物は消耗品である

平成25年3月13日

『補綴物』とは、冠やつめもの、インプラントの上部構造といった、歯医者さんで装着する人工の歯のことです。

我々歯科医師は、治療したものが永く持つこと、これを大切に日々の臨床に取り組んでいます。

「装着したかぶせものは、変化してほしくない、壊れてほしくないもの」と考えがちです。
しかし、

歯は、日中の食事だけでなく、夜間の食いしばり(歯ぎしり=ブラキシズム)などにおいて、酷使されており、
経年的に変化し、摩耗するものです。

世の中で、変化しないものはなく、患者さまの口腔内も同様でしょう。

装着した補綴物も、いうなれば「消耗品」で、例外なく経年劣化し変化していくため、その変化を緩やかに、
また必要に応じて変化した部分を定期的に早期に調整、修理、交換、回復することが大切なことでしょう。

自動車も、安全に乗り続けるためには、定期点検に加え、劣化したタイヤやブレーキパッドを交換することが大切であり、
これを怠ると、突然の故障や事故につながる危険性が高まります。
人の命を守るために、車のボディーを壊れやすくし、衝突時の衝撃を和らげるという考え方が今日のスタンダードです。

経年劣化し、壊れるものを定期的に検査、調整、修理し、壊れていはいけないものを、大切なものをしっかりと守るという概念をもって、日々の臨床にあたる必要があります。

患者さまにおかれましても、このようなコンセプトを十分ご理解いただいた上で、定期メンテナンスに来院していただけることを願いつつ、永いおつきあいをお願い申し上げます。

歯ぎしりで歯が割れる

平成25年1月17日

右上最後方臼歯の歯冠破折。
つまり、 「歯が割れている」 症例です。

他院にて、写真中央のセラミック治療を行ったが、うまくいかず、
その後方の歯にも違和感が生じ、虎ノ門 宮崎歯科医院を受診されました。

天然歯でも割れてしまう、原因は ブラキシズム(歯ぎしり) 。

下アゴがしっかりしている方は、噛む力も相当です。 歯ぎしり の力は、ガムを噛む力の十数倍という研究論文もあります。

冠や詰め物、インプラント歯周病治療には、こういった「かみ合わせ」「歯ぎしり」に対する配慮が大切です。

この症例では、割れてしまった歯を抜歯し、インプラント。その手前のセラミックは根管治療からやり直し、最終的には「かみあわせ」に十分な配慮をしたうえで治す予定です。

かみあわせ(咬合)と顔貌との関係

顔面の成長パターンを典型的な2つのタイプ(フェイシャルパターン)にしたがって、咬合(かみあわせ)の問題について考えると理解しやすいようです。

長顔型は、顎関節の発育が不十分なことが多く、その結果、顎関節の動きにガタが大きくなり、
・ 片側でばかり噛む習慣がある。
・ 噛むと、どこかの歯だけが先にあたる、均等に接触していない。
・ 頬杖をつく、右下寝や左下寝、うつ伏せ寝などの態癖がある。
上記のような 顎を偏位させる因子が働くと、顎が偏位しやすく、咬合(かみあわせ)も不安定になりやすい傾向にあります。

これに対して、
短顔型は、
筋肉がしっかりしているので、長顔型のような悪い力が作用しても、顎関節やかみ合わせに問題が生じずらいようです。
しかし、強い咬合力(かむ力)によって、歯は咬耗(摩耗)しやすく、それにより顎関節に異常が発生することがあります。

このように、
いわゆる「かみあわせ(咬合)」に問題がある場合には、
上下顎の歯のかみ合わせのチェックだけでなく、
顔貌、骨格、歯列(歯並び)についても診査する必要があります。

もちろんではありますが、治療方法も、フェイシャルパターンによって異なります。

かみあわせ

平成24年12月27日

宮崎歯科医院では、患者さまとお話をする時間をできる限りもうけるようにしております。

お話を伺うと、
「かみあわせ」でお悩みになっている方がとても多いようです。

「かみあわせ」の悩みをわかってもらえない、、、

「顎関節症」と診断されたが治らない、、、

現代は、インターネットの時代。
「かみあわせ」や「顎関節症」についての知識を 手軽に簡単に知ることができる。

簡単知ることができるが故に、手に入れた沢山の情報を選別できず、悩み続ける患者さまがとても多い。

迷うことで、最初の一歩が踏み出せず、改善もない。

かくある私も顎関節症を患う患者のひとり。医者の不養生なのですが、
その分、 「かみあわせ」についての悩みはとてもよくわかります。

そんな患者さまの心中をお察しすると胸が痛くなるのですが、
あえてはっきりと言わせていただくならば、

「情報は沢山あればいいわけではないのです。正しい情報を手に入れていれば、今、治っているはずなのです。情報を正しく判断すること、これが大切なのです。」

患者さま自身には、医学の基礎と経験がありません。ゆえに、情報を判断することはできません。

また、「正しく判断する」、  正しい治療法は、患者さまの価値観、生活環境によってそれぞれ異なるのです。

私には、少しばかりではありますが、大学病院にて、大学院にて、 「かみあわせ」に関する臨床、教育、研究に携わらせて頂いた経緯があります。
現在でも、 「かみあわせ」について勉強させて頂き、師匠よりご教授いただいております。

ひとりでお悩みにならなくていいのです。

私の技量を超える場合は、私の師匠を紹介しましょう。

いつでもご相談ください、必ずお力になれるかと思いますよ(^.^)

かみあわせ治療の症例

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MFTについて

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喉がつまる

平成24年7月19日

喉がつまる、こんな症状ありませんか?

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30代 平均喪失歯数

平成24年7月11日

30代の平均喪失歯数、ごぞんじですか?
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軟食でいいのでしょうか?

平成23年2月9日

現代食は軟らかく、「歯がなくても食べれる!」というご意見をよくお聞きします。
あまりお悩みなる方も少ないようです。

本当にそれでいいのでしょうか???
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よく考えて頂きたい

平成23年1月25日

症例は、某インプラントセンターを掲げる医院でインプラント治療を行っている患者様のレントゲン写真。

先月にインプラント治療を行い、現在そのインプラントが揺れています。
すぐ横の歯の根の治療はなされておらず、その病巣内にインプラントフィクスチャーがサイズ不適当で埋入されている。

患者様の痛みはありませんが、同部位は腫れています。

まずは、担当の先生とよくご相談していただくよう お話させて頂きました。

よくよく「考えて」治療をうけていただきたい。
よくよく「考えて」治療をしていただきたい。

たとえCT機器などで撮影を行っていたとしても、
隣在歯の病巣部の治療も行わず、当該部位の診断もできていないのであれば、
それは治療とは言えないのではないでしょうか?

インプラント治療は歯科治療の一法です。
これがすべて、これが最善・最高の治療ではないのです。

そのほかにも治療方法はたくさんあるのです!

よくよく考え、相談した上で治療を受けて頂きたい、また施術して頂きたいと強く思う症例です。