上下全体にわたるインプラント治療が必要となる患者様の症例。
本ブログは、その治療計画についてと抜歯即時インプラント手術についてです。
上写真のように、下顎が9本連結のブリッジとなっている患者様。
①の歯が噛むと痛みがあり、歯ぐきが腫れるため治療をすることとなりました。
当医院では、無痛麻酔・無痛治療。また歯がない状態でお帰り頂くことは致しません。
9本連結のブリッジを外し、①を抜歯しつつ、即時に仮歯を製作します。2時間ほどお時間を頂きました。
同時にCTを撮影し、残っている歯の状態を精査します。
そこで立てた治療計画が次の通りです。
上①が初診時で、③がゴールです。
ゴールは3本のインプラント(赤①)と5本のブリッジ(赤②)です
。
①から③へは、③と④と⑤をすべて抜歯してインプラントにしなくてはなりません。
抜歯して治癒を待ち、その後インプラント手術では、仮歯が製作できず、生活に支障を来します。
そのため、まず⑤を根管治療し、⑤´(半分)を抜歯・③を抜歯すると同時にインプラント埋入しました。
下CT画像所見が、抜歯即時インプラント手術後のCT確認画像です。
このインプラントフィクスチャーが骨に定着する(2カ月ほど)間は、⑤と④で仮歯を支えてもらいます。
2カ月後、⑤´と③のインプラントが骨に定着したら、それを支えに新しく仮歯を製作しつつ、④⑤を抜歯と同時にインプラントを埋入設置します。
そのインプラントが骨に定着したら、最終的な赤①のインプラントブリッジと赤②の天然歯ブリッジを製作し治療は終了です。
インプラント治療期間中、仮歯を必ず装着できるようにするために、2度に分けて居プラントを埋入設置します。
抜歯即時インプラント手術は、通常のインプラント手術と比較して、「治療期間と手術回数の大幅な短縮」が大きなメリットですが、2度に分けることで、全治療期間多少長くなります。
・ ③と⑤への抜歯即時インプラント手術。
・その2か月後に③と⑤にインプラント仮歯の製作のため2回目の手術と同時に型どり。
・その2週間後、新しい仮歯を装着しつつ、④の抜歯即時インプラント手術
(④は1回法)
・ その2カ月後に型どり。
・ その約1カ月後に治療終了
計5~6カ月で治療終了予定です。本年中に治療が終われれば最高ですが、他の部位にも治療が必要です。その旨患者様には永いお付き合いをお願いしております。
すべての問題解決は、その準備で決まります。歯科治療も同様です。
治療する前に、勝負は決まります。
つまり治療計画、これが非常に大切です。