他院にて根管治療が必要と診断された患者様のむし歯治療。患歯にラバーダムを装着し、マイクロスコープでむし歯を取り去り、露髄しました。
露髄とは、「むし歯が神経(=歯髄)に達し、神経が露出すること」をいいます。
露髄=根管治療と診断する歯科医師も多いでしょう。当院では、神経が生きていて、感染が取りきれれば、神経を残すようにしています。
本動画は、マイクロスコープを活用したMTA部分断髄法」の治療の様子です。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症であるため、治療中に唾液が患歯に接触・混入するのは、治癒を阻害するばかりでなく、再感染の機会を与えかねません。
そのため、当院では深いむし歯治療や根管治療では、必ずラバーダムを装着して治療に臨んでいます。言うならば、口内に「無菌的な手術室」を作り上げることといっても過言ではないでしょう。神経を残す治療で、一番大切なことだと思っております。
むし歯を取りきった後は、露髄部を薬液で洗浄消毒し、エンドセムMTAを貼薬します。生体親和性の高いMTAには抗菌作用が期待できるため、もし、目の見えない細菌感染が残っていたとしても、それを除菌・抗菌してくれる効果が期待できます。当院では多数症例にこのMTAを貼薬し、多くの良好な結果が得られています。
私は、15年以上「肉眼」での治療はしたことがありません。
またこの5年は、最低でも肉眼の5倍拡大率のルーペを使用し、神経を残す治療や根管治療では、必ずマイクロスコープを使用して治療に臨みます。
当院では、一生に一度の歯科治療・やり直しのない歯科治療を目標に日々の臨床に取り組んでいます。