日別アーカイブ: 2020年2月25日

歯頚部断髄法 マイクロスコープのポジショニング 《前編》

上動画(前編)では、歯の神経を残す治療の1つ、「歯頚部断髄法」について分かり易く解説致します。

同時に、マイクロスコープを使用する際のポジショニングにつきましても解説致します。

マイクロスコープの取扱い 使い方 ポジショニング 術者の位置

これからマイクロスコープを導入する先生方は、ぜひ、ご参考頂ければ幸いです。本動画(前編)のタイムスケジュールです。コメント欄に添付致します。ぜひご参考下さい。

歯頚部断髄法 動画 解説 マイクロスコープ タイムスケジュール

従来の神経を残す治療「覆髄法」でも痛みが治まらず神経をとる根管治療を説明されることがあるでしょう

そんな時、歯の神経を取るのではなく、再度、神経を残すべく行う治療。それが歯頚部断髄法です。

歯の神経を残す治療 直接覆髄法 部分断髄法 歯頚部断髄法 間接覆髄法

本症例の患者様は、当院で行った神経を残す治療3カ月後に、痛み・違和感を感じ、再治療となりました。

3カ月前に行いました当院での歯の神経を残す治療の様子につきましてはリンクを添付致します。7分間の短くまとまった動画となっております。

「歯の神経を残す直接覆髄法」について分かり易く解説しております、ぜひご参考下さい。

しかし、本症例では再度神経に炎症が生ずることとなりました。
それでは歯頚部断髄法、動画をぜひご覧ください。

むし歯の進行について

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症ですむし歯の進行を分かり易く解説致します。1番左、①が健康な歯です。

歯は3層構造です。表層からエナメル質、象牙質、神経となっています。

図は、右にいくに従い、むし歯が歯の内部深くに侵攻していく様子を示しています。

むし歯、つまり細菌の感染が歯の内部に侵攻すると、歯の内部にある『神経』に炎症が生じます。

むし歯はなぜズキズキと痛むのか その原因は?

これは、蚊に刺された時、皮膚が赤く腫れることと同様のことといえるでしょう。

刺された皮膚に血液が集まり『腫れる』ように、細菌が感染した歯の内部に血液が集まります。この血流により細菌を除菌しようとするのが「免疫」ですが、この反応が度を過ぎると、血液の流れつまり心臓の鼓動に一致するような「ズキズキ」とした痛みが歯に生じてくるのです。これを歯髄炎といいます

歯髄炎、歯髄壊死、歯の神経が死ぬ原因とは何か?

炎症は、「細菌感染」に限らず、「叩かれる」「寒過ぎる」「やけど」などの外的刺激でも起こりえます。歯の神経の炎症、歯髄炎も同じでしょう。叩かれるは、歯ぎしりや食いしばり。寒すぎるのは、冷たいものがいつもいつもしみる。やけどは、熱いものがしみる、などかもしれません。このように、むし歯のような細菌感染、くいしばりや外的温度刺激などにより、歯の神経は炎症を起こし、慢性化することで、神経が死んでしまうこともあるのです。

歯の神経を残す治療 直接覆髄法 部分断髄法 歯頚部断髄法 間接覆髄法

むし歯が深く進行する程、歯の神経が炎症を起こし、根管治療が必要となる可能性が高まります。むし歯が深く進行し、2層目の健康な象牙質が残り1.1ミリ~1.5ミリになると、歯の神経に炎症の兆しが見え始めます。

上右の図の③までむし歯が進行している場合は、上左の図、「直接覆髄法」で神経を残します。上右図の④までむし歯が進行している場合は、上左の図、「部分断髄法」「歯頚部断髄法」で神経を残します。感染した部分を取り除くことで、炎症を治めることが可能です。本症例は、上左の図、歯頚部断髄法について解説致します。

神経を残せるか否か?根管治療は必要か?を症状よりチェックできる表です。以下に添付します。ご参考下さい。

神経を残せるか否か 根管治療は必要か その症状から診断名と治療法をチェック

神経を残せるか否か?その症状不可逆性歯髄炎の症状

これらの症状から、細菌の感染はあるものの、それによる炎症は軽度であり、限局したものであることが推察されます。もし、神経がすべて死んでしまっている場合、つまり根管治療が必要となる場合は、外部刺激に関わらず常時痛みがあるものです。

歯の神経を残したい、根管治療を説明された方は、ぜひ上動画をご覧ください。
こちらは前編となります。後日、後編も供覧させて頂きます。ご自身の治療を考える際の一助となれば幸いです。よろしくお願い致します!

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