日別アーカイブ: 2019年4月18日

MB2 イスムス 根管治療 上顎第2大臼歯 (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者)

他院の深いむし歯治療後、歯髄壊死となり、さらに他院で根管治療するが、痛みが治まらず、当院にて根管治療を行った1症例です。治療部位は上顎第2大臼歯。本ブログと上動画は、根管治療2回目の治療の様子です。

本症例の根管治療1回目の様子は右画像をクリックご参考ください。

本症例の治療部位は、上顎第2大臼歯です。その根管は「肉眼では」通常3つ認められます。しかし、約60%の確率で、4つ目が認められる場合があります。それをMB2と呼びますが、肉眼ではみつけることができず、未治療のまま根管治療が終了していることがしばしばであり、当院ではその再治療をすることが多々あります。

このような症例ではマイクロスコープやCTを用いて適切に根管治療を行うことが必要となります。

本症例2回目の根管治療を始める前の根管内のマイクロスコープ画像です。
①の青点線で囲った部分の根管を右からMB1、MB2と呼びます。

このMB2は在ったりなかったりします。
その発現率は後述の通りです。

MB2の発現率について

上顎第一大臼歯で約80%、第二大臼歯で約60%の確率で、上顎大臼歯近心根に認めらえるMB1とMB2。根尖から3.6mmまではイスムスのない根管が存在し、歯冠側に行くに従いイスムスの形態が観察される。

本症例ではこのMB2が存在し、2つの根管が途中で結合する(上図の緑の矢印部)「イスムス」が認められ、そこに細菌感染が疑われました。

イスムスとは?

イスムスとは、根管と根管をつないでいる狭小部のことであり、上下顎大臼歯の近心根など、扁平な歯根に多くみられる。その形態から、機械的清掃が困難で、細菌や壊死歯髄などが残存しやすいため、化学的清掃が重要となる。なお、イスムス部は超音波チップなどの細い器具で追求していくと新たな根管を発見することもある


根管の形態は非常に複雑です。その形態をパターンを知り、適切な治療環境(ラバーダムやCT、マイクロスコープなど)を整え、適切な治療コンセプトに基づき治療に臨めば、歯は永く使用できます。失敗はありません。根管治療恐れるに足らずです。

当院ではマイクロスコープを2機設置、CTを常設した上ですべての治療を拡大視野下で行います。

一生に一度の歯科治療、やり直しのない歯科治療を目指し日々精進です。