日別アーカイブ: 2019年4月17日

インプラント 歯根破折 抜歯即時インプラント手術 (新橋虎ノ門内幸町霞ヶ関歯科)


下顎の第1大臼歯の歯根破折と髄床底穿孔による周囲歯槽骨の喪失によりインプラント治療を行った1症例です。

2つある歯根のうち前側(近心根)が破折し、その歯を支える周囲の歯槽骨が感染により失われ、歯ぐきが腫れていることを主訴に来院されました。

痛みはなく、強く噛むと違和感を感じ、ときどき歯ぐきが腫れて出血するとのこと。

当院で撮影したデジタルレントゲン写真からも、周囲歯槽骨の喪失の様子を推察することができます。

今後の治療を進める上で、この歯を抜歯するべきか否か?抜歯した後はどのような治療法を選択するのが最善であるか?を判定する材料として、CT診査が有効です。
患者様と相談の上、当院にてCTを撮影し、その後の治療法について患者様と相談しました。

歯が折れた場合の治療法についてはこちらをご参照ください。
https://miyazaki-dentalclinic.com/22276

当院で撮影したCT画像を以下に供覧します。

2歯根あるうちの1歯根は折れており、もうひとつもその疑いが強くありました。
抜歯を前提に、治療法を考えると、以下のようになります。

① ブリッジ
② 入れ歯
③ インプラント
④ 移植

インプラントorブリッジor入れ歯のご質問に回答しているブログはこちらをご参照ください。https://miyazaki-dentalclinic.com/23233

本症例では②は希望がなく、④は移植する適当な歯がありませんでした。
①と③の比較。どのように考えればいいでしょうか?

適切にブリッジを製作、装着すれば予後は良好ですが、本症例では、その支えとなるさらに奥の歯が失活歯でした。失活歯とは「神経を処置した歯」のことをいいます。失活歯は、10~15年経過すると、歯根破折の危険性が高まるため、ブリッジを支える歯としては不適当です。ブリッジを支える歯は失った歯の分も負担するため、1.5倍以上の負荷がかかります。

この点を患者様を相談し、残っている歯を助けてくれるインプラント治療を行うこととなりました。

症例の術式は抜歯と同時にインプラントを埋入設置する「抜歯即時インプラント手術」です。また同時に失った歯槽骨を再生するGBRも行いました。

可能な限り痛みを少なく、可能限り短い回数で短い期間で治療を考えると、この術式となります。

当院では多くの患者様のインプラント治療を施術しております。当院ではまず、CTを撮影し、シミュレーションした上で、手術室にてインプラント手術を行います。