「金属(インレーやクラウン)の下がむし歯かどうか?」を診査・診断する際、金属をつけたまま歯科用CTで撮影しても診断できるかどうか?について、当院のYoutubeチャンネルにご質問を頂きました。
その回答について転載、供覧させて頂きます。ご活用いただければ幸いです。
ご質問頂きました動画は以下の動画となります。こちらもご活用いただければ幸いです。
根管治療。
・何度通っても治らない
・いつ終わるのかわからない
こんな思いをしたことはありませんか?
本動画では、上顎小臼歯の根管治療をマイクロスコープで撮影し、その様子を
分かりやすく解説しております。
治療回数は1~3回、治療期間は1週間に一度のご通院ならば、1カ月弱。治療時間は1回当たり30分~1時間です。
お口を開いている時間は長くて大変ですが、治るならば皆さん頑張れるようです。
当院の治療内容を知っていただくことで、そんなご不安も和らぐことでしょう。
ぜひご活用ください。
他院で根管治療後、痛みが治まらず、詳しい歯科医院で診てもらいたいとのご希望を胸に当院を受診された患者様。
まずはかみわあせを診査します。
当院では、その後、クラウンを被せる治療となる症例では、上下かみあわないように調整します。本症例では、カチカチでもギリギリでも治療中の歯は接触していました。治療途中で痛みのある歯が接触すると、治癒を阻害します。
また治療中の仮封(仮ふた)も不十分です。根管治療は、歯の内部の感染を取り除く治療です治療期間中は感染しないようにしっかりと仮封する必要があります。
まずはかみあわせを調整しつつ、周囲のむし歯を取り去り、根管治療しやすい環境をつくります。
治療中の唾液感染を予防する「ラバーダム」を装着します。
治療中に治療している歯に唾液が接触することは治癒を阻害するばかりでなく、再感染の機会を与えかねません。
徹底した根管治療にはラバーダムと、術前の消毒が必要不可欠といえるでしょう。
前医の詰めた仮封材(仮ふた)を削り取ります。
むし歯は歯の上部から下部へと感染を拡げていきます。
根管治療も上部から下部へ進めていきます。まずは①部分の感染を取り除きます。
2つの根管が認められます。根管治療はこの根管内の感染を取り除く治療です。
根管治療はえんとつの掃除に似ています。
根管は「えんとつ」のような構造です。
えんとつの内壁にこびりついた「スス」を掃除するように、根管内壁に感染した「細菌」を削りとり、洗浄・消毒します。
根管の数、形態は非常に複雑です。術前にCTを撮影することでその数・形態を明確に把握することが可能です。
レントゲンでは重なって見づらい部分もCTでは明確に診査することができます。このCT立体画像で概略を確認し、黄色の平面で切った断層画像で更に精査します。
本症例は2つの根管が認められますが、実際は2つが1つにまとまる複雑な根管形態をしています。
根管治療にCTを活用することで、あらかじめ複雑な根管形態であることを知り、治療に臨むことが可能となります。
本症例、小臼歯を横から見た図です。マイクロスコープの画像は、図中の水色矢印方向
から見た画像です。
根管の入り口は2つの赤矢印になりますが、先端はつながっています。このような症例の根管治療では緑矢印部の感染も疑われます。
ニッケルチタン製の器具(ファイル)を使用して2つの根管の入り口から、それぞれの根管内壁の感染を清掃消毒します。
2つの根管が癒合している部分に感染が残っている可能性を疑い、癒合部分を清掃、消毒します。根管内に薬液を十分満たし、繰り返し繰り返し音波洗浄・消毒します。
2つの根管の癒合部を取り除き、2つの根管を1つにします。根管内の清掃・消毒が終了した状態です。
最後は水酸カルシウムを貼薬し1回目の根管治療は終了です。次回は根管充填の予定です。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。
● 不十分な仮封材、長期間
● 複数回にわたる根管治療
● とくにラバーダムを装着しない奥歯の根管治療
これらは、治療中に患歯に唾液が接触し、細菌感染の機会を与えるばかりでなく治癒を阻害しかねません。
感染を取りきれば、感染させないように治療すれば、少ない回数、短い期間でも根管治療は終了可能です。
当院のyoutubeチャンネル、「ジルコニアインレー装着後よりズキズキ痛む 原因とは?」の動画に、ご質問を頂きました。
ご質問とその回答を供覧させていただきます。
ご参考頂ければ幸いです。
《ご質問》
ジルコニア(人工ダイヤモンド?)は丈夫だけれど、硬いので、噛み合う歯を磨り減らす場合があるときいた事があります。
セラミックは、歯軋り、食いしばり等で割れる場合があると歯科医院で説明を受けた事があります。
最近は割れにくい、粘りのある材質が開発されているという話も。
見た目を気にしないなら、ゴールドが最も優れているという意見も。
削った歯を修復する材料としては、何が最も優れているのでしょうか?治療した部位や症例によって異なるのでしょうか?
他院で上の奥歯にジルコニア製のインレーを装着された患者様。装着後より痛みが続くため当院にご相談で来院されました。担当医からは、「くいしばりが原因でしょう。徐々に慣れてきますよ」と説明されたそうです。しかし、痛みは増すばかりです。
本動画は、そんな患者様の急患対応時の治療の様子についてです。原因は何でしょうか?
一度拝見し、様子をみることになりましたが、その後、痛みが治まらず、何もせずともズキズキと痛むため、急患でご来院されました。
深いむし歯治療後の「鎮痛剤の服用を必要とする程のズキズキ、ジーンとするような痛み」には2つ病態が推察されます。(詳細は右表をクリック、ご参照ください)
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。その進行の深さによって、治療法が異なります。
歯は3層構造です。外側からエナメル質、象牙質神経となっています。
上の図は、左から右に行くに従って、むし歯が深く進行していることを表しています。
左から、浅いむし歯、深いむし歯、更に深く、神経に達しているむし歯、細菌の感染により神経が強く炎症を起こしているむし歯(=不可逆性歯髄炎)、感染の拡大により、神経が死んでしまっているむし歯(=歯髄壊死)です。
図の下の表は、むし歯の進行度合いに対応した治療法。神経を残せるか否か?についてです。そして、赤矢印の先、「従来の診査」とは、「歯科医師が肉眼で治療している場合」です。
根管治療とは、細菌感染を取り除くため、歯の神経を取る治療を云います。
左の「浅いむし歯」は従来の診査とマイクロスコープによる診査の違いなく、神経を残すことが可能です。
同様に、表の右側の「強く炎症を起こしているむし歯」「神経が死んでしまっているむし歯」は、両診査の違いなく、根管治療がその治療法となります。
しかし、黄色枠の「深いむし歯」、「神経に達しているむし歯」の状態であれば、以前の肉眼による治療(=従来の診査)なら、神経をとる根管治療をしなければなりませんでしたが、マイクロスコープ活用することで、神経を取らずに残せるようになっています。
本症例は、前医の治療において、この黄色枠に分類されていましたが、残念ながら、前医はラバーダムやマイクロスコープを使用していなかったそうです。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。
治療中に唾液が歯に接触することは、治癒を阻害ばかりでなく、再感染の機会を与えかねません。感染と取り除く”むし歯治療”にとって、唾液の侵入を予防するラバーダムは、深いむし歯治療や根管治療では必要不可欠な治療環境と云えるでしょう。
ジルコニアインレーは、セラミックの10倍の硬さを誇ります。かみあわせを維持するには最高の材質ですが、再治療となると外しづらいため一苦労です。ジルコニアインレーを外し、齲蝕検知液でむし歯を診査します。ピンク色に染色された部分、茶褐色に変色した部分はむし歯です。
マイクロスコープの拡大率を8倍から20倍に上げ、さらに精査すると、赤矢印の先に”露髄”が認められました。”露髄”とはむし歯が神経に達し、神経が露出することを云います。
神経が生きていれば、血流があるため、この時点で出血が認められるはずですが、本症例ではそれがありません。歯の神経はピンク色の水風船のような形態ですが、本症例ではそれが認められず、空洞となっています。
これを細菌感染による「歯髄壊死」といいます。神経が感染により死んでしまい、空洞化している状態です。このマイクロスコープの画像所見により、ジルコニアインレーを装着する時点で、露髄していたことが推察されます。
前医は、ラバーダムをせず、肉眼で治療されていたそうです。肉眼ではこの「わずかな露髄」に気づけなかったのでしょう。残念でなりません。
歯の内部には「根管」というスペース(空洞)があります。そこに神経があります。この内部の感染を取り除くのが根管治療です。
むし歯は上部から下部へと侵攻します。根管治療はその感染を辿るように、上部から下部
へ、①、②、③の順で根管内を清掃します。
根管治療はえんとつ掃除です。えんとつ内のススを掃除するように、根管内壁に感染した
細菌を削り、磨き、消毒します。えんとつを壊さないように、適切な知識と器具を使用して掃除に臨むように、根管治療を行います。
以前は歯科医の「経験と勘、患者様の治癒能力」に頼らざる得なかった根管治療は、マイクロスコープを活用することで確実性の高い治療となっています。
①~②の部分の感染を取り除いたら、③の先端の清掃をします。この際に使用する器具をファイルといいます。極細のステンレススチール製の針のような器具です
このファイルで根管内壁の感染を削り取りますが、当院では60~100ミクロンのファイルは使い捨て、150ミクロン以上は使用しません。
滅菌し繰り返し使用すると金属疲労を起こし、根管内で破折しやすいこと、太いステンレススチール製ファイルは根管形態を壊すことが理由です。
③の根の先端3分の1の根管形態は非常に複雑で湾曲しています。そのため、当院では、柔軟性の高いニッケルチタン製のファイルを使用して根管治療に臨んでいます。3種類、計6種類のニッケルチタン製ファイルを使い分け、根尖3分の1の繊細な根管治療に臨みます。
根管内の感染を削り取り、各根管の直径を350~400ミクロンにまで拡げます。その上で、次亜塩素酸を使用して根管内洗浄・消毒します。次亜塩素酸(薬液)に、音波振動を加え、その洗浄効果を高めます。次亜塩素酸は洗浄により水に分解されるため、繰り返し繰り返し洗浄・消毒を行います。
根管内の泡立ち(発泡)は、根管内の汚染を意味しています。この泡立ちがなくなるまで、繰り返し繰り返し洗浄消毒を行います。次亜塩素酸の作用時間と根管内の無菌化には
比例関係があるといっても過言ではありません。徹底した薬液洗浄が必要です。
根管内の洗浄後は、洗浄液を吸い取り、根管内を乾燥させます。その後は、水酸化カルシウムを貼薬します。次回根管充填で終了です。
本症例では、ジルコニアインレーを装着する前に、すでに神経が壊死していたか?治療後の露髄により壊死したか?定かではありません。その時点でラバーダムとマイクロスコープを活用していれば結果は変わっていたかもしれません。
適切な診査診断のもと、マイクロスコープを活用することで、安全、確実なる歯科治療が現在では可能となっています。
ぜひ皆さまに知っていただきたい、利用して頂きたい機器といえるでしょう!
他院にてセラミックインレー装着後より痛みが続いている患者さま。当院にメールにてご相談をいただきました。
同様の症状でお困りになっていらっしゃる患者様が多数来院されます。
当院での回答文も添えて供覧させて頂きます。
ご参考になれば幸いです。
ご相談内容
根管治療について調べているうちにこちらのHP(ホームページ)にたどり着きました。2ヶ月程前に、①神経近くまで達している深い虫歯を治療し、神経を残してセラミックのインレーを入れてもらったのですが、治療後も痛みがひきません。当初は冷たいものや熱いものを飲食した後のみ痛かったのですが、②最近は疲れた時などにズキズキと疼くように痛むようになりました。担当してもらった歯科医に伝えると、食いしばりが強く、知覚過敏の症状が強く出ているとのことでした。区の健診のタイミングで他の歯科医院で診てもらったところ、レントゲンで黒くなっているから神経をとる治療が必要だと言われました。それを治療してくれた医師に伝えると、再度レントゲンを撮ってくれ、黒くなっているのは、食いしばりで神経が少しダメージをうけているからで、虫歯は神経には到達していなから大丈夫とのことでした。食いしばりも知覚過敏も自覚しているので、医師の説明は分かるのですが、③ズキズキと痛むようになったので辛く、また心配です。④食いしばりとそれによる知覚過敏で、通常時にズキズキと痛むことはあるのでしょうか。また、⑤このような状況で診ていただくことは可能でしょうか。その場合は⑥セカンドオピニオンは自費診療になるのでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
はじめまして。宮崎歯科医院 宮崎と申します。どうぞよろしくお願い致します。
詳細なるメールを頂きまして誠にありがとうございます。回答させて頂きます。
よろしくお願い致します。
実際に拝見させて頂いていないため、適切な回答とならない場合もございます。
あらかじめご理解頂いた上でお読みくださいます様お願い致します。
いくつかご質問もさせて頂きたいと思います。文中に番号を付けさせて頂いております。ご参照ください。重ねてよろしくお願い致します。
① 神経近くまで達している深い虫歯を治療
この治療の際、マイクロスコープやラバーダムといった治療機器、装備はしていらしゃいますか?
・マイクロスコープについてはこちらをご参照ください
https://miyazaki-dentalclinic.com/13490
・ラバーダムについてはこちらをご参照ください
https://miyazaki-dentalclinic.com/17703
② 最近は疲れた時などにズキズキと疼くように痛む
かみしめやくいしばりの強い患者様の場合
・精神的ストレス、疲労
・肉体的ストレス、疲労
・気温の急激な変化(季節の変わり目)
・気圧の急激な変化(雨、台風、山登り、飛行機、スキューバダイビングなど)
このような時、いつも以上に歯を強く「くいしばり」、歯に打撲のような痛みが生じます。
その際の、痛みの特徴は、以下の通りです。
・噛むと痛い(噛めないことはないほどの痛みです)
・軽く噛むには問題ない、やわらかいものは食べることができる
・ジーンとした鈍い痛み
③ ズキズキと痛むようになったので辛く、また心配
“なにもせずとも(=歯を接触させない、噛まない状態)”ズキズキとした痛みがある場合は、むし歯が強く疑われます。
原因としては2つです。
1)インレーの下にむし歯が残っている可能性
2)”かみしめ”により歯にヒビが入り、そこからの2次感染
1)について
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。浅いむし歯であれば良いのですが、深いむし歯の際は、「ラバーダム」を装着し、治療中の唾液感染を予防した上で治療に臨むことが大切です。また、肉眼ではむし歯の判別も困難であるため、当院では、拡大鏡やマイクロスコープで治療に臨んでいます。そのため、前述の「マイクロスコープ」「ラバーダム」の使用が為されていたかがポイントとなってくるのです。
2)について
かみしめにより、歯にヒビ(マイクロクラック)が入り、むし歯となってしまう患者様も多数拝見しております。
以下に2症例、「ヒビによりむし歯となった症例」と、「ヒビにより根管治療となった症例」を動画で供覧させていただきます。ご参考ください。
・ヒビによりむし歯となった症例
https://miyazaki-dentalclinic.com/25280
・ヒビにより根管治療となった症例
https://miyazaki-dentalclinic.com/25136
④ 食いしばりとそれによる知覚過敏で、通常時にズキズキと痛むことはあるのでしょうか?
上記の「歯の打撲」程度であれば、ズキズキとした痛みには至りません。
しかし、歯にヒビが入り、そこから感染して歯の内部で炎症が起こっている際は、なにもせずとも「ズキズキ」とした痛みとなる可能性があります。インレーの下にむし歯が残っている場合も同様です。
現在の症状から、現状と治療法をチェックする方法を以下のリンクで説明させて頂いております。その表をご参照いただければ、現状が見えてくるかもしれません。
ぜひご参考ください。
https://miyazaki-dentalclinic.com/24628
⑤ このような状況で診ていただくことは可能でしょうか。
→可能です。
⑥ セカンドオピニオンは自費診療になるのでしょうか。
口内での痛みの原因は、むし歯、歯周病、かみあわせの3種類です。
ご来院頂いた際は、その他に問題はないか?を調べるため、基本的なレントゲン検査、歯周病の検査、むし歯の有無、かみあわせを歯科衛生士が診査します。
保険証をお持ちであれば、セカンドオピニオンの自費治療は必要ございません。保険で基本的な検査を行います。ご安心下さい。その他に、30分以上のご相談をご希望される患者様もいらっしゃいます。その際は自費治療として承っております。
回答は以上となります。多くの患者様より切なるご相談を頂いております。
できる限り多くの患者様にお応えできます様、お1人様につき1通のメール回答とさせて頂いております。さらなるご質問につきましては当院までお越しくださいます様お願い致します。
当院の受付スタッフに申し伝えておきます。
ご希望の際は、当院までご連絡ください。
03-3580-8110
この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。
よろしくお願い致します。宮崎
※初診の患者様へ(当院の初診の流れについて)
必ずご一読ください。
https://miyazaki-dentalclinic.com/22254
かかりつけの歯科医院で、ハイブリッドセラミックスインレーを製作・装着しては外れ、装着しては外れを3回位繰り返し当院を来院された患者様。
かかりつけの歯科医には、「むし歯が神経に近いから、次やるときは神経とるかも」と言われ、ちゃんと治療できるところを探して当院を受診されました。3回外れて、最後には神経を取るほどのむし歯?と診断したかかりつけ歯科医。3回外れている間に何か対処できなかったのでしょうか?
その間の患者様のご心労と忍耐に、頭の下がる想いです。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。治療前には歯面を洗浄・消毒した上で治療に臨みます。
詰め物(インレー)、かぶせもの(クラウン)が外れるには”理由”が必ずあります。
それを診断するのが歯科医師の責務です。
むし歯を削って歯をかぶせるのが歯科医師の仕事ではありません。歯科医師の仕事は、「咀嚼機能の回復で」です。
美味しく食事ができるようにすることで、全身の健康に寄与することが歯科医師の責務といえるでしょう。
詰め物が外れたのは、詰め物のせいではなく、他に原因があることを知り、それを突き止める必要が歯科医師にはあるでしょう。
理由は2つです。「むし歯が残っている」「かみあわせの問題」、原因はこれのみです。
本症例では、目に見えるむし歯が認められます。また、インレーはギリギリした時にも接触しています。かみあわせに問題ありです。
齲蝕検知液を使用してむし歯を診査します。マイクロブラシを使用して染色し、水で洗い流します。微かにでもピンク色に染色された部分はむし歯です。
1cmにも満たない歯の内部のむしばを取り除くには”肉眼での治療”は困難を極めます。
治療内容を見ることのできない歯科治療。ご不安に感ずることも多いでしょう。
当院ではそんなご不安を解消できるよう、治療の前後だけでなく、治療中の様子をマイクロスコープで動画で記録し、患者様へのご説明に役立てています。
動画は肉眼の8倍拡大率でむし歯を削り取っている様子です。むし歯は感染症であり、すべて削り取れば必ず治ります。
むし歯のみを削り取り、健全な部分は削らないように配慮しつつ慎重に治療を進めます。
ラバーダムを装着しているため、喉へ水が流れることはありません。長時間の治療ではありますが患者様はその点、辛さは少ないようです。
肉眼の12.5倍に拡大率を上げ、むし歯の取り残しがないか、繰り返し精査します。
むし歯は2箇所で歯の神経に達していました。スポットライトで照らした部位がその箇所です。
むし歯を取りきり、精査します。
スポットライトを当てている部分に「亀裂(ヒビ)」が認められます。
本症例のむし歯の原因は、磨き残しではなく、かみしめにより歯にヒビが入り、そこから細菌が感染したことです。
このような症例は珍しいことではありません。
かみしめ、歯ぎしり、くいしばりには注意が必必要です。神経の露出した部分を薬液で十分に洗浄・消毒します。
露髄部以外をコンポジットレジン樹脂で覆います。
神経を保護する薬(覆髄材)、MTAを貼薬します。
MTAは高アルカリ性で抗菌作用を有する優れた覆髄材です。その優れた効能を科学的に証明する論文も多く、信頼できる薬剤といえるでしょう。
当院では多くの症例で応用し、良好な結果が得られています。むし歯が深くても、神経に達していたとしても、歯の神経は残せます。安易に神経をとってはいけません。
適切な診断基準に基づき、ラバーダム、マイクロスコープそしてMTAを活用して、歯の神経を残しましょう!
インプラントする前に、歯を抜かないように!
歯を抜かないようにするために、徹底的な根管治療を!
歯の神経を抜かないようにするために、徹底的な歯の神経を残す治療を!
ここに注力している歯科医院、
ラバーダム、マイクロスコープ、MTA。この3つを活用している歯科医院は、
歯医者の選び方、歯科医院の選び方の1つの基準といえるでしょう!!
本動画は、銀歯(メタルインレー)が外れて来院された患者様の症例に対して、ラバーダムを装着し、MTAとマイクロスコープを活用して神経を残す治療を行い、その後、セラミックインレーを製作、装着する様子です。
MTAによる神経を残す治療につきましては、以前詳細に解説させていただいております。以下のリンクをぜひご参照ください!
・ガムではずれてしまった
・食事ではずれてしまった
・痛みはなし、冷たいものも温かいものもしみない
こんな状態でも、しっかりとした治療が、”実は必要”ということがよく分かる内容となっています!歯でお困りの方は必読です!
やり直しのない、一生に一度となるようなむし歯治療には、”2つのポイント”があります!
① むし歯と取り残すことなく、削り取ること
② 削り取ったところを精密にかぶせ、再感染させないこと
この2つがポイントです。
むし歯の原因となる細菌を取り去り、再感染させないように隙間のないインレーやクラウンを装着することが非常に大切です。
これにはマイクロスコープが有効な治療機器といえるでしょう!
精密な型どりで精密な模型を製作し、その模型上で、顕微鏡で見ながら歯科技工士がセラミックインレーを製作します。
唾液中に存在する目に見えない細菌の感染症、むし歯治療には、「精度」が求められます。
セラミックインレー装着前です。
セラミックインレー装着後です。
どこを治したか分からないほどの仕上がりです。
精密に適合した究極の贋物が当院の目標です。
当院での治療の様子は、下記のYoutubeチャンネルで投稿させていただいております。
ぜひご参考いただければ幸いです。よろしくお願い致します!
日本の歯科治療の80%がやり直し治療と云われています。
たしかに、当院でも多くの患者さまがやり直しの治療かもしれません。
・銀歯が外れてやり直し
・治療した歯に違和感、痛み
・深いむし歯治療後の痛み、神経を出来るだけ残したい
・根管治療のやり直し
・根管治療した歯が折れてインプラント治療、ブリッジ、入れ歯治療
歯科治療は辛いものです、時間も費用も痛みも伴います。
できることならば、治療は1回で終わらせたいものです。
そんな歯科医院を、そんな歯医者さんを選べれば幸せですよね。
当院では、一生に一度の歯科治療、やり直しのない歯科治療を目指し日々の臨床に取り組んでいます。
どんな治療をすればやり直しがないのか?少なくて済むのか?
どんな歯科医院、どんな歯医者さんを選べばいいのか?
これを考えるには、歯科治療とはどんな治療なのか?を知っておく必要があるでしょう!
ここで、歯科治療を「家」に例えさせて頂きますと、歯科治療はどんな治療なのか?何をすればいいのかが分かります。
上の図をご参照ください。
「家」が「歯」で、その「家」を支える「地盤」が歯を支える「骨」です。
むし歯は、唾液中に存在する細菌が歯に感染し溶かす病気です。
つまり、「家」に「シロアリ」といが柱に住み着き、柱を弱らせるように、「歯」に「細菌」が感染し、歯を溶かすのがむし歯です。
歯周病は、同じく唾液中に存在する細菌が、歯を支える歯槽骨を溶かす病気です。家を支える地盤を弱らせるようなものでしょう。
そして、かみあわせです。かみあわせで問題となるのは、「かみしめ、くしばり、歯ぎしり」です。「かみしめ」や「歯ぎしりが強い」人の歯を治療するということは、地震の多い土地、つまり日本のような土地に家を建てるようなものです。
『シロアリを駆除し、地盤を固め、地震に耐えうる家を建築する』のがこれが歯科治療の目標といえるでしょう。
ではそのためにはどうすればいいでしょうか?
・シロアリを徹底的に駆除するように、むし歯を取り残さずに削り取り、
・地盤を固めるように、歯周病を完治させ、
・地震に耐えうる家を造るように、かみあわせに配慮した精密に適合する人工歯を製作し装着する
これらのことが必要条件となります。これが歯科治療のゴールです。
このためには、従来の「肉眼や経験」に頼った治療法では、このゴールに達するのは非常にあいまいです。感染症であるむし歯・歯周病では特に不安が残ります。
このような「目に見えない感染症」を治療するためには、適切な診診断と最新機器であるマイクロスコープ、CT、ラバーダムが非常に有効です。
「マイクロスコープやCT、ラバーダムなどを導入しているか?」歯医者さん選びの1つの基準となるかもしれません。ホームページなどで調べてみるのもいいかもしれませんね!
また、かみあわせ治療については専門性が非常に高い分野といえるでしょう。
その医院の考え方、院長先生の略歴などからかみあわせ(=咬合(こうごう)、補綴(ほてつ)などがキーワード)に精通しているのかを調べるのもいいかもしれません。
歯科治療はシンプルです。
むし歯、歯周病、かみあわせ。この3つを適切に治せば大きな問題となりません。
歯科医院選びの1つの基準としてご参考いただければ幸いです。
このマイクロスコープを活用することで歯科治療が大きく変わりました。
そのひとつに、歯の神経を取らずに残せる症例が多くなりました。
これまでは、1cmにも満たない歯の内部を”肉眼”でみて治療をしていました。
目で見て明らかに分かる”むし歯”は取り去ることができました。
しかし、肉眼では限界があるため、厳密には、むし歯を取り残している場合もあり、完治させることが非常に難しいこともありました。
「ラバーダムを装着しないで」治療に臨むと、治療中に歯に唾液が接触してしまいます。
むし歯を取り去るのがむし歯治療です。
その最中に唾液が治療している歯に接触することは、治癒を阻害するばかりでなく、再感染の機会を与えかねません。
「肉眼に頼った」神経に近い・深いむし歯治療では、以下の点で「細菌感染を取り除けているか?」の疑問を払しょくできません。
・むし歯の有無を”厳密に”精査、判別し難い
・治療中に感染させかねない
・神経の病状を診査できない(マイクロスコープによる神経の診査方法とは?)
そのため、確実に感染を取り去る可能性の高い「根管治療」が選択されてきました。
これが、「従来の治療(肉眼による治療)」です。
決して間違いではなく、更なる感染拡大を予防する治療法として確実性の高い治療法でした。
・肉眼で治療している歯科医師
・拡大鏡ルーペ(10倍以下の拡大率)使用の歯科医師
・マイクロスコープを使用していたとしても、神経を残す「治療コンセプト」「診査診断基準」「症例数」を持たない歯科医師
これらの治療環境にある歯科医師は、深いむし歯治療の際、従来の方法である根管治療が第一選択の治療法となります。
・マイクロスコープを使用していない医院
・ラバーダムを装着しない医院
・神経を残す治療の適切な治療コンセプトがない医院
では、現在でもこの考え方に基づき、治療しているのが現状といえるでしょう。
マイクロスコープを活用することで、どこまで感染しているのか?を”従来よりも”明確に診査し、治療することができるようになりました。
深いむし歯治療でも、歯の神経を取らずに残せるようになっています。
※ 深いむし歯の時、神経を残せるか否か?その症状からチェックする方法はこちらをご参照ください。
従来の治療法とマイクロスコープを活用した治療の違いは、黄色の点線の症例で顕著です。
上表は、左から右へ行くに従いむし歯が深く進行している図となっています。
左から、健康な歯、浅いむし歯、深いむし歯、神経に達しているむし歯、神経が炎症を起こし治まらない状態、感染により神経が死んでしまっている状態(=歯髄壊死)です。
左側の浅いむし歯の治療では、”従来”と”マイクロ”に違いはありません。
両者ともにむし歯を削り、神経を残し、インレーなどの詰め物をかぶせれば治るでしょう。
同様に、右側2つは神経を残せる状況になく、根管治療が必要な歯となります。適切な根管治療が望まれる症例です。
”従来”と”マイクロ”の違いがあるのは、「深いむし歯」「神経に達している」むし歯の症例です。
これらの症例の場合(黄色の点線の症例)、マイクロスコープとラバーダム、MTA。この3つのポイントを押さえるだけで、神経を取らずに残せるようになっています。
マイクロスコープがあれば良い、と言う訳ではありません。
素晴らしい調理器具があるからといって、一流シェフがつくるような美味しいご馳走ができるとは限りません。
最新機器を生かすも殺すも使う者の知識と技術によるでしょう。
マイクロスコープを活用することで、いままでできなかったことが出来るようになってきた歯科治療。
マイクロスコープの普及率は、未だ4%ほどとのこと。更なる普及が望まれています。
マイクロスコープ精密歯科治療は、歯科医院選びの1つの基準となってきているようです。
はじめての歯科医院は緊張するものです。
インプラント治療、歯の神経を残す治療、マイクロスコープ根管治療、歯周病治療、噛み合わせ治療など、当院には多くの患者様が遠方よりご来院いただきます。
ご来院頂く前に、当院はどのような医院なのか、院内紹介動画を製作いたしました。
少しでも緊張が安らいでいただければ幸いです。
当院の治療の様子、詳細などにつきましては、当医院youtubeチャンネルや「仁先生、日々の臨床報告」をご参考ください。
ご不明な点は、メールでご相談いただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
《ご質問》
CTを撮影すると歯の中の状態が詳しく判るようですが、メタルインレーの下に虫歯ができている場合もハッキリ判るのでしょうか?
レントゲンだと金属にブロックされてしまうというか、見づらいようですので。