ご相談内容
始めて連絡申し上げます。
私は○○在住のものです。
親の件について相談したいことがありましたので連絡させていただきました。
カルテに沿った内容で書きたい思います。ご了承ください。
【主訴】疼痛除去
【現病歴】
○○年8月頃からオートミールを左上6番で噛むと①頭全体に響くような激痛を感じ主治医(大学病院)に伝えるも経過観察となっていました。
〇〇年12?から痛みがさらに強くなり、②抜?を主治医に希望するも、?が割れている可能性があり、インレーを外すと?の状態がさらにひどくなるので様?をみるとのことでした。
〇〇年1月に左上6番に小さな齲歯があることが分かり、③治療し4日後には痛みはなくなりました。
④〇〇年2月の初め頃からぬるいコーヒーや食事で左上6番に響くような痛みを感じ主治医に相談し銀歯を外したところ齲歯があり、ひびはありませんでした。主治医はレジンを詰めると言っていたのですが、セメントを詰めました。
ただ、セメントを詰めてすぐにライトを当てたのではなく10~15分経過した後にライトを当てております。
⑤セメント詰めた後も食事中痛みを感じ、歯に風を当てると痛くなっております。
〇〇年5月に主治医に相談した結果半年間経過観察するとのことで、セカンドオピニオンとして近医の歯科へ行きマイクロスコープでクラックと齲歯を発見し、そこの歯科にて治療を行い一度は改善を認めたのですが、また疼痛が生じ根管治療となりました。
〇〇年6月に根管治療は終了したのですが、痛みはとれず、疲れたり、ご飯をたべたときに痛みが生じ、根管治療を行った歯科にてCT検査を行ったところ、歯性上顎洞炎との診断となり、そこの歯科医から根管治療を行ったので痛みは治まってくると言われ、経過観察となっていたのですが、痛みは治まることく食事も上手くできない状況です。
耳鼻科にて上顎洞炎の治療(クラリスロマイシンの内服)を行いましたが改善を認めません。
本人としましてはずっと抜歯希望があるのですが、どこの歯科も抜歯治療を行ってもらえず、咬合痛といろいろな歯科で言われ、2年以上痛みに我慢をしており、歯科に不信感を抱いております。とにかく痛みを除去したいと思っております。
【既往歴、アレルギー歴】特になし
【生活歴】喫煙;20年までは吸っていましたが今は禁煙。飲酒:なし
親は先生のYOU TUBEの動画を拝見しており、是非先生の意見を聞きたいと思っております。
コロナ禍の状況ですが、もし可能であれば先生の歯科医院で精査加療を行いたいと思います。
是非先生のご教授をお願いいたします。
長文で失礼致しますが何卒よろしくお願い申しあげます。
はじめまして。宮崎歯科医院 宮崎と申します。
どうぞよろしくお願い致します。
詳細なるメールを頂きまして誠にありがとうございます。
回答させて頂きます。よろしくお願い致します。
実際に拝見させて頂いていないため、適切な回答とならない場合もございます。
あらかじめご理解頂いた上でお読みくださいます様お願い致します。
〇〇年8月の痛みから現在に至るまで。痛みの変遷を頂きました文章より推察させて頂きました。
最初の痛みの原因は、歯ぎしりやくいしばりといった「歯の打撲」が原因のように感じております。夜間睡眠中を問わず常日頃より、歯ぎしりや食いしばりといった「歯の接触癖」をお持ちではないかと推察致します。
以下にリンクを添付します、お心当たりがあるか、一度チェックして見て頂けますでしょうか?
「かみしめ」について
https://miyazaki-dentalclinic.com/10143
「くいしばり」の弊害について
https://miyazaki-dentalclinic.com/10801
「歯ぎしり」について
https://miyazaki-dentalclinic.com/1621
正常な「かみあわせ」チェックの仕方
https://miyazaki-dentalclinic.com/11517
このような習癖をお持ちの患者様は、歯にむし歯がなくても、「しみる」「痛い」「違和感」といった症状を、歯に感じてしまいます。
慢性的な歯の接触癖により、歯が打撲をおこしており、何もせずとも違和感があり、食事で痛みや違和感を感じます。
例えるならば、四六時中、二の腕を手で軽くたたき続けたとしましょう。
「雨だれ石を穿つ」かのように、二の腕は軽く腫れ、炎症を起こします。
その状態で、腕に力を入れたり、触ったりすれば、二の腕は痛みます。
夜間睡眠中に強い歯ぎしりをしている方は、その意識がありません。
また覚醒時、無意識にかみしめている方も、自覚はありません。
食事の時に、それを感じます。原因は食事ではなく、むし歯でもなく、「かみしめ」なのです。
当院には大変多くの患者様が、「歯が痛い、しみる、違和感」と訴えご来院頂きます。
すべてではありませんが、原因はむし歯ではなく、「かみしめ」であることがしばしばです。
安易に歯を削らないようにという思いを込めて、当院のYoutubeチャンネルでは、一番見やすいところに、それに警鐘を鳴らす意味を込め、以下の動画を配信しております。ぜひ一度ご覧下さい。
そのかみしめによる力の一番集中するのが、6番目の歯となります。
ここで頂いた病歴から文章を抜粋、その考察を致します。
①頭全体に響くような激痛を感じ主治医(大学病院)に伝えるも経過観察
→歯の痛みや違和感ももちろんですが、「頭全体に響く」という表現より、下顎骨を動かす主動筋のひとつ、側頭筋の筋痛が疑われます。歯ぎしりなどが強く疑われる所見です。
このため、主治医は経過観察とお話しされたように思います。
②抜?を主治医に希望するも、?が割れている可能性があり、インレーを外すと?の状態がさらにひどくなるので様?をみる
→これも同様に、一時的なかみしめが原因であり、むし歯が認められなかったことから経過観察となったのではないかと思います。
③治療し4日後には痛みはなくなりました。
→このようなような症例では、治療により「上下の噛み合わせが変化すること」「仮歯となることで、治療した歯を一時的にでも使用しづらくなること」で、痛みが一時的に緩解することがしばしばです。
④〇〇年2月の初め頃からぬるいコーヒーや食事で左上6番に響くような痛みを感じ主治医に相談し銀歯を外したところ齲歯があり、ひびはありませんでした。主治医はレジンを詰めると言っていたのですが、セメントを詰めました。
→かみしめや食いしばりなどが原因の場合、レジンやセメントなどを使用して、その力を逃がすことがあるようです。メタルは非常に硬く、その状態でかみしめると、しみる・痛むといった症状を繰り返す患者様もいらっしゃいます。そういった病状に対する配慮ではないか?と感じております。
⑤セメント詰めた後も食事中痛みを感じ、歯に風を当てると痛くなっております。
→むし歯であれば、しみません。しかし、くいしばることで、歯と歯茎の境目のエナメル質を失っている症例では、むし歯治療をしたとしても、しみる症状は続きます。
そもそもの原因がむし歯などではなく、かみしめであることが強く疑われる所見ではないかと感じております。
この時期以降の痛みは、根管治療後の痛みや、根管治療が十分ではない可能性が疑われる痛み、そして「かみしめ」による痛みが混在しているように感じております。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。
細菌が残っていると、痛みや違和感が残ります。
今感じていらっしゃる痛みの原因が、「細菌感染が残っていること」ならば、適切な根管治療を行えば、痛みはなくなるでしょう。
また、根管治療せずとも、抜歯すれば、「原因自体を取り除く」ので、この方法でも痛みはなくなるでしょう。
しかし、これまで掛かられた歯科医師の先生方が「抜歯をしないご決断」をされていることを鑑みると、抜歯が適当か否かについては推測の域を出ることはありません。患者様ご自身の強いご決断が必要となるかと感じております。
クラリスロマイシンのご服用により、症状の改善を全く認めていないことから、
・感染症が原因ではない可能性が低いこと
・歯性上顎洞炎の可能性も低いこと
が強く疑われます。
上記すべてにおいて、頂きました文章からの推察です。
推測の域を出ないこと、心苦しい想いではございますが、ご参考の一助として頂ければと感じております。
当院には全国より、海外からもご来院頂き、治療に臨ませて頂いております。
しかし、その時間的、距離的なご負担は患者様にとっては多大なるものでしょう。
ご来院・ご通院頂いている患者様にはその点ご理解ご了承ご協力いただいた上で治療に臨ませて頂いております。
ご来院頂く際は、当院受付までご一報ください。
分かるように申し伝えておきます。
また、当院では初回より治療に臨むことは「まず」ございません。
初回は診査と仮診断、それに必要となる治療法についてのご説明となります。
私もお顔合わせさせて頂きますが、基本検査などにつきましては、歯科医師・歯科衛生士に一任しております。
ぜひ初診時には私も拝見させて頂きたいと感じております。
ご予約の際は一声おかけ下さい。
コロナウィルスに対する皆様の捉え方、それに対するご心情は様々のようです。
歯科治療は「感染症治療」です。常日頃より感染対策には万全を期して治療に臨んでおりますが、ご来院ご通院のご決断につきましては、皆様のご心情・状況に配慮しつつ、その判断は患者様に一任させて頂いております。切にお願い申し上げます。
回答は以上となります。
当院の受付スタッフに申し伝えておきます。
ご希望の際は、当院までご連絡ください。
03-3580-8110
この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。
よろしくお願い致します。宮崎
※初診の患者様へ(当院の初診の流れについて)
必ずご一読ください。
※ 初診の流れ (必ずご一読下さい)
《当院からのお願い》
多くの患者様より切なるご相談を頂いております。
できる限り多くの患者様にお応えできます様、お1人様につき1通のメール回答とさせて頂いております。さらなるご質問メールに関しましては、拝見していない立場で無責任な回答となりかねないため、当院として遠慮させて頂いております。(ご返信いただいた際も更なる当院からの返信は遠慮させて頂いております。あらかじめご理解いただけますようお願致します。お礼のメールを拝受させて頂くことも大変多くございます。こちらにつきましてもご返信は致しませんが、ありがたく拝受・拝読しております。)もし、当院がお近くの患者様であれば、さらなるご質問につきましては当院までお越し頂き、拝見させて頂いた上でお答えさせて頂きたいと思っております。ご理解ご協力頂けますようお願い申し上げます。