日別アーカイブ: 2019年8月8日

神経を残せるか?根管治療か?その診断基準の1症例

本症例の患者様は、他院で銀歯装着後より「しみる」⇒「違和感」⇒「強い痛み」⇒「ジーンとした痛み」⇒「痛みなし」の症状を経験して当院を受診されました。

その希望は、「できれば神経を残したい」とのこと。

神経を残せるか否か?根管治療が必要か?の当院の神殿基準をご説明させて頂いた上で、治療に臨みました。

本動画はその様子です。

神経を残せるか否か 根管治療は必要か その症状から診断名と治療法をチェック

表は、縦軸が上から下に行くに従い、むし歯が深く広く進行していることを示します。
その時、患者様が感じる「症状」、その時の「歯の神経の病状」、それに対する適切な治療法を横軸に記載しています。

以下に表中の専門用語について解説いたします。ご参考ください。

歯は3層構造露髄(ろずい)
⇒むし歯が歯の神経に達している様子。またはむし歯を取り去ることで歯の神経が露出した様子です。深いむし歯であり、歯の神経にまで細菌の感染が及んでいる可能性のある状態です。

可逆性の歯髄炎
⇒むし歯は唾液中に存在する細菌が歯に感染し、歯を溶かしながら内部へと進行する病気です。

感染が深くまで進行すると、歯の神経は炎症を起こします。初期であれば感染を取り去れば、その炎症は治まります。そのような炎症を「可逆性の歯髄炎(かぎゃくせいのしずいえん)」といいます。根管治療せず、神経を残せる状態です。

不可逆性の歯髄炎
⇒炎症が広く波及すると、その炎症は治まることなく、少しずつ神経を殺していきます。
このような炎症の治まらない状態を「不可逆性の歯髄炎(ふかぎゃくせいのしずいえん)」といいます。根管治療が必要となる状態です。

歯髄壊死
⇒炎症が治まらず、細菌の感染により神経が死んでしまうことを「歯髄壊死(しずいえし)」といいます。さらなる感染拡大を予防するためにも根管治療が必要となる状態です。

間接覆髄法 直接覆髄法 部分断髄法 根管治療 のむし歯の進行度合いを図で説明
神経を残す取らない抜かない治療法 都内港区内幸町新橋虎ノ門霞ヶ関日比谷千代田区歯科歯医者 マイクロスコープラバーダムMTA図は、左から右にいくに従い、むし歯が進行した状態とその治療法をしめします。

灰色のむし歯が、ピンク色の歯の神経に近く深く進行している様子が分かります。
上の表・図中の治療法に詳細について以下に解説いたします。ご参考ください。

詰める治療とは、インレーやコンポジットレジン樹脂で削った部分を補う治療法です。

間接覆髄法とは、神経に近いところまで削った後に、神経を保護する「覆髄材」を貼薬し、歯の神経を残す・温存する治療法です。

直接覆髄法は、むし歯を削り、露出した神経(露髄といいます)に直接、覆髄材を貼薬し、歯の神経を残す・温存する治療法です。

部分断髄法は、感染した神経(=歯髄)を一部取り去り、そこに覆髄材を貼薬し、歯の神経を残す・温存する治療法です。

根管治療は、感染した神経をすべて取り去り、歯を保存する治療法です。

各治療法を具体的に症例を交え、以下のリンクで説明しています。ご参考ください。
https://miyazaki-dentalclinic.com/22909

当院では深いむし歯治療の際、まずは「できるだけ神経を残すこと」に集中し治療に臨みます。しかし上表のように、神経を残せない症例があることも非常に多くあります。その際は、適切に根管治療を行うことで、歯を永く使用できるようにします。

これには「マイクロスコープとラバーダム」が必要です。

マイクロスコープを活用して、一生に一度の歯科治療・やり直しのない歯科治療を目指す! 当院の目標です。

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