C2つまり、浅いむし歯つまり、エナメル質直下のむし歯から、歯の神経に近いむし歯までと、その範囲があいまいです。
そのため、当院では、象牙質に達している状態の場合、レントゲンでまずはチェックした上で、CT撮影を行い、歯髄にまで残り『1.1~1.5mm』となっている症例では、必ずラバーダムとマイクロスコープで治療に臨みます。
これは、むし歯が歯を溶かし感染、2層目の象牙質があと1.1~1.5mmとなった時には、神経に炎症の兆しが認められる(=歯髄炎)という、Ricucci先生の文献を根拠としています。
つまり、露髄していなくても、神経はすでに炎症を起こしている、もう歯髄炎になっているということを表しています。
歯髄炎になった状況で、ラバーダムもなく削ることで、感染・炎症を惹起することがあります。これでは治療の意味がありません。 このことについては以下のリンクをご参照ください。
『歯の神経の炎症(=歯髄炎)は、いつ始まるのか?』について https://www.youtube.com/watch?v=Ukmi7sQBdUc&t=335s
『歯髄が生きている?死んでいる?どうやって見極めるの?診断基準とは!』 https://miyazaki-dentalclinic.com/27821
神経に近いむし歯治療後にズキズキと痛くなり、抜髄に至る。
こんなお話しをよく耳にするでしょう。 これには以下の理由が考えられるのです。
①治療中に感染させている
②むし歯を取り残している
③露髄はしていなかったけれど、そもそも歯髄は炎症状態にあった。
ただ、免疫と平衡がとれていたけれど、治療をきっかけに痛みが発現した これです。
こういったことが無きように、術前の診査がとても大切になるのと考えています。
これを踏まえて言うならば、この条件より軽症の場合であれば、ラバーダムは要らないのではないか?と考えています。
事実として、すべての症例でラバーダムを使用しているわけではありません。