さて、以前、宮崎先生のクリニックに通っていた際に、噛み締めの強さを指摘され、注意するように指導されておりましが、不注意で噛み締めを強くしてしまい右上5番を歯根破折させてしまい、抜歯になりました。
ご相談させていただきたいことは、抜歯後の治療について2つあります。
1.噛み締めが強い場合はインプラントは避けるべきなのか
個人的には可能であればインプラントを選択したいのですが、現在通っている歯科医院の説明では、「噛み締めが強いので、上あごの骨を痛める可能性があり、インプラントは勧めない。義歯を勧める」とのことでした。
- インプラント埋入は抜歯後なるべく早い方が良いのではないのか
現在通っている歯科医院からは、「インプラントを選択するにせよ、義歯を選択するにせよ、抜歯跡が塞がる1か月後まで次の治療は待つ」といわれました。しかしながら、宮崎先生の公開されている動画では抜歯と同時にインプラント埋入手術をしている動画があります。これはインプラントで治療をするのであれば、抜歯後できるだけ早くインプラント埋入をした方が良いということを意味しているのではかと思っています。
以上2点になりますが、宮崎先生ならどのように考えられるでしょうか。
本来なら、宮崎先生のところに伺い、口腔の状態を見てもらったうえでご教示いただくべきなのですが、現在、私は遠方に在住のためなかなか伺えない次第です。
このようなメールでのご相談大変失礼なのですが、これまで私が出会えた歯科医師の中でも、最も信頼できる宮崎先生のご意見が伺えたらと存じます。
宮崎歯科医院 宮崎です!お久しぶりです!
詳細なるメールを頂きまして誠にありがとうございます。
実際に拝見できていないため、また、ご担当されている先生との術式・知識の違いにより、現在受診されている歯科医院での歯科治療を受ける際の「適切なアドバイス」とはならない場合もございます。あらかじめご理解下さい。
またこのアドバイスは、現在の歯科治療を否定するものでもありません。病状は一刻一刻変化しています。適宜、対応することこそが、「最善の治療」であると感じております。よろしくお願い致します。
1.噛み締めが強い場合はインプラントは避けるべきなのか
→私の臨床実感としては、そんなイメージはありません。
しかし、確かに、噛む力が強い患者様では当院の症例で数例、インプラント治療でのやり直しや修理などもございます。
①患者様の噛む力が強く、埋め込んだインプラントが揺れてしまった症例
→この症例は上顎左側大臼歯部(奥2本欠損症例)でした。患者様には術前にあらかじめ、「噛む力が強いので、2本インプラントを入れる必要があります、またナイトガードは必須です」と伝えた上で、患者様は1本でお願いしますとのご希望をいただき、1本で治療に臨みました。
ナイトガードを使用しなかったこと、定期検診にご来院頂けなかったことにより、数年後だったかと思います。
埋入設置したインプラントは揺れ、摘出となりました。
患者様にはご了解いただいていたため、再度2本のインプラント埋入し、現在は良好です。
②入れ歯を使用されている患者様で、ご来院が途絶えて、インプラントが揺れて摘出となった症例。
→この症例では、定期検診の必要性をあらかじめご理解頂き、またそのインプラントでしか上下の歯が接触しない状況であることから、その限界をご説明させていただき、定期検診の必要性を重々ご理解頂いた上で臨みました。
これも数年後、インプラントは破折。摘出となり、現在は入れ歯を製作、ご使用いただいております。
③左下に2本のインプラント、一つが折れた症例。
→この症例は、同じく噛む力が強く、インプラントに差し込む上部構造が折れてしまった症例です。
やり直しをすることで問題はありませんでしたが、私が噛み合わせを天然歯と同様に与えたことが、折れてしまった原因かもしれません。
インプラント治療での問題はこの3例位かと思います。
いずれも「噛む力」によるものです。
もしインプラント治療をするならば、やや余裕のある調整がよろしいかと思います。
カチッと軽くかんだ時はあたらず、グッと強くかむと接触する位がちょうど良いかと。
ナイトガードは必須でしょう。
2.インプラント埋入は抜歯後なるべく早い方が良いのではないのか
→これは、その先生その先生によって持つ術式の違いがあります。
私の行っている術式は、抜歯と同時に、即日、その場でインプラントを埋入する術式です。
適応症があります。
即日にしない場合は、粘膜の創傷治癒を万全にしてから臨んで頂くことをおすすめします。
1~2か月かと。
但し、私は、あくまでも私は、上顎の症例であれば、数か月(4~6ヵ月)はそのまま様子をみて、その後にCTで骨がある事を確認した上で、インプランと治療に臨みます。できればご自身の骨に埋入設置したほうが予後が良いのです。
実際に拝見していません。そのため全く誤ったアドバイスかもしれません。
ただし、上記書かせていただいた文章の内容には間違いはありません。そのためやや抽象的な漠然とした回答となっているかもしれませんが、その点ご理解ください。
この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。
ぜひご担当の先生と、密なるコミュニケーションのもと治療にお臨み下さい!