月別アーカイブ: 2019年3月

神経ギリギリ残すが歯髄壊死となった症例 (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者日比谷千代田区)

まずは本症例の病歴をご説明させていただきます。

つめものしている歯(上顎小臼歯)がたまに染みていたため、他院にて診査したところ、「知覚過敏」との診断を受け様子をみることとなりました。しかし痛みが強くなってきたため、再度受診し、つめものを外して神経ギリギリまでむし歯を削ってもらったそうです。これが2~3カ月前の話。その時は一端症状は落ち着いたそうですが、(当院へ来院する)1か月前に激痛があったため、通院中の歯科医師に相談すると、「詰め物が割れているのでもう1回セメント詰め直しましょう。できる限り神経は残しましたが、目に見えない感染があると痛みがでるよ」と説明を受けたそうです。その後、痛みが強くなり、食事も痛かったため、当院を受診することとなったのですが、当院を受診する前日の夜までは痛みがあったのですが、来院日は痛くなくなってしまいました。

詳細に伺うと、前医での深いむし歯治療の際、ラバーダムやマイクロスコープは使用していなかったそうです。とても優しい良い先生だったそうですが、痛みが治まらなかったことから、患者様自身が勉強し、深いむし歯治療ができる環境のある当院受診を決断されたそうです。

治療しても痛みが残っていたのは、「細菌感染が残っていた」ことが推察されます。
痛みは「細菌感染と戦っている証拠です」。

血液が歯に流れ込むことで歯の内部の内圧が高まり、拍動性のズキズキとした痛みが生じます。これを過ぎると、神経は徐々に壊死するため、痛みは一端緩解しますが、周囲歯槽骨を溶かし、歯ぐきが腫れて、膿んでしますのです。これを根尖性歯周炎といいます。本症例では、深いむし歯から歯髄炎となり、徐々に進行し、歯髄壊死に至っていることが、問診より推断されます。

患者様は、「(前医)優しい先生だったから、できるだけ神経を取らないようにしてくれていたんでしょうね。私が無理言っちゃったのかしら」とおっしゃっていました。患者様も、前医の先生もとてもお優しい方です。


しかし、むし歯は細菌の感染症です。感染を取り除けば治癒しますが、歯髄が壊死した場合は、取り去らなくてはなりません。

早期発見、早期治療で神経を残すことが可能です。

マイクロスコープを用いた「神経を残せるか否か?」の診断の様子については上動画をご参照ください。

インプラント (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者日比谷千代田区)

上の口内写真は、抜歯と同時にインプラントを埋入した際の記録画像です。左から術前、中央が抜歯後、右が抜歯した部位にインプラントを埋入した様子です。

「インプラントとはどんな治療?」
こちらをご参照ください!

当院にはインプラント治療だけでなく各種外科手術に対応できる「手術室」を完備しているため、滅菌環境の整った部屋で手術が可能です。すべての治療は「無痛麻酔、無痛治療・手術」です。上のような写真をみると怖くなってしまうかもしれませんが、安心して治療や手術を受けて頂けますのでご安心下さい。


本症例は歯で大変ご苦労を重ねてきた患者様のインプラント手術症例です。黄色矢印の歯の歯根が折れていることで、周囲の歯肉は慢性的に腫れており、じわじわと周囲の歯槽骨が溶けて失われている状態でした。患者様と相談し、美味しく食事のできるようにするために、入れ歯ではなくインプラント治療をすることとなりました。

本症例の術式は、抜歯と同時にインプラントフィクスチャーを骨内に埋入する「抜歯即時インプラント手術」をすると同時に、失った歯槽骨を回復するための「GBR法」を行いました。

治療の難易度は上がりますが、手術回数を1回にできることや治療期間の大幅な短縮が可能となります。


術前・術後はCTでインプラント埋入位置を確認します。

黄色矢印は抜歯即時埋入したインプラント、青矢印がもとより埋入されていたインプラントです。失われていた周囲歯槽骨には自家骨(ご自身の骨を移植)を補填してあります(=GBR法)。手術時間は1時間ほどで終了です。

本症例の歯が折れてしまった原因は、むし歯や歯周病もその一因としてありますが、その要因の大半は「かみあわせ」にあります。過剰な力がその歯に加わったことで歯が折れてしまったのです。


歯を失ったとき、入れ歯は残っている歯に引っ掛けて負担を強いることがしばしばです。ブリッジ治療では、残っている歯を削り、残っている歯にかみあわせの力をかけることとなります。

本症例のように、過剰なかみわせの力により歯を失ったのであれば、残っている歯に負担をかける治療法を選択しても、さらなく歯の喪失につながることになるのです。

当院の日々のインプラント治療症例報告はこちらをご参照ください。

インプラント治療は高額な治療ではありますが、残っている歯を助ける治療として、また歯が再生すると考えると、決して高い治療ではないのかもしれません。

当院では多くのインプラント治療を施術させて頂いております。お困りの際は当院スタッフまでご相談ください。

 

 

 

神経残す治療後に根管治療 (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者日比谷千代田区)


痛みなどの症状はありませんでしたが、下レントゲン写真でも明らかな”むし歯”があり、治療をすることとなりました。
患者様には、「神経を残す治療を行いましょう。もし神経が死んでしまっているようであれば根管治療に移行します」とご説明させていただき治療に臨みました。

その治療の様子が上動画です。

神経を残すべく治療に臨み、MTAによる直接覆髄法を行いました。その際、神経(=歯髄)の状態をマイクロスコープで確認し、血流を確認しましたが、止血時間が長く、5分以上経過してもじわ~っと出血する状態でした。術前に痛みなどが全くなかったことから、希望的観測よりMTAを貼薬し、その日は治療を終了しました。

後日、来院された時に症状を伺うと、持続的に違和感とじわーっとした痛みが続いているとのことでした。自発痛と軽い咬合痛があったため、患者様にご説明させて頂き、根管治療を行いました。

「術前に症状がなかったが、止血時間は長く、完全なる止血はしていなかった」ことより、神経は歯髄炎の状態にあったことが疑われます。軽度であれば感染を取り除くことで消炎しますが、本症例ではそうなりませんでした。その一因として、患歯側(左側)は下顎頭が変形しており、かみしめの傾向があったものの、かみあわせはそのままとしていたことで、術後に過剰なる咬合力が加わり、歯髄炎を強くしてしまったのかもしれません。

成書には「止血が困難な症例では、根管治療とする」という記載もありますが、症状がないこと、患者様の神経を残せれば残したいとの「希望」が、このような結果になったのかもしれません。

当院では多くの患者様に「神経を残す治療」を行っておりますが、『むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症』であるため、免疫力の低下やかみわあせなど、他因子が加わることで、その治療の成否に影響を及ぼすことがあります。本症例のように全力を尽くしても、根管治療が必要となる症例もあります。術前に、根管治療が必要となる可能性を必ず説明させて頂き、患者様にご理解頂いておりますが、申し訳ない気持ちになってしまいます。

本症例では後日適切に根管治療を行い、1回で根管治療は終了しています。
痛みはすぐに改善します。

深いむし歯をすぐに根管治療するのではなく、できるかぎりその時期を遅らせるために「神経を残す治療」を行うことで、その歯の寿命は長くなり、自身が生きている間に健康な歯で食事ができる時間が長くなります。たとえ将来、根管治療になったとしても、「神経を残す治療」でその歯の寿命は長くなっているのです。

当院では少しでも歯の寿命を永く、できるかぎり自分の歯で食事が美味しくできるよう日々の臨床に取り組んでいます。

3月6日(水)は10時~の診療です

3/6(水)は10時からの診療となります。
よろしくお願い致します。

神経を残す 抜かない MTA直接覆髄法 (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者日比谷千代田区)



根管治療後にファイバーコアを装着した黄色矢印の歯に引き続き、赤矢印の歯のむし歯治療です。

赤矢印の歯は、むし歯が神経に近接していましたが、根管治療をせずに、神経を残すべく治療に臨みました。

上動画はその治療の様子です。
本症例は、MTAによる直接覆髄法により神経を抜かずに残す治療を行いました。神経を残す治療は、徹底的にむし歯を取り除くと翌日には全く痛みが無くなります。

細菌が感染すると、そこに血液を集めて細菌を駆逐しようとします。過剰に血液が流れ込むことで、痛みを感ずるのです。細菌を除去してしまえば、血液の流れもなくなり、痛みや違和感は嘘のようになくなります。

そのため、むし歯治療では、「無菌的配慮」が非常に大切です。
そのためには、「マイクロスコープ」と「ラバーダム」は最低限必要と言えるでしょう。

かみあわせ ご相談に回答

かみあわせに関わるご相談を多数いただいております。
そのうちの1つを供覧させていただきます。お困りの患者様に参考になれば幸いです。

(ご相談内容)

1 寝ている時、舌を噛む(同じ場所)ことがあり、血豆が出来るくらいの力です。噛むのはマウスピース無しで寝た場合です。

2  食いしばりによる肩・首の痛みがありますこ最近は手足に痺れがあります。手足の痺れなので整形外科に通いましたが問題なしとのこと、恐らく就寝中の強い食いしばりが原因ではないかとの事でした。食いしばりは以前よりあり、左下7番は歯根破折で抜歯になりました…以降は歯を守るために就寝中マウスピースをする様になりました。ハードタイプです。これらの症状はかみあわせを治せば治まるものでしょうか。大変お手数お掛け致しますがよろしくお願い致します。

 

ご相談に対する当院の返信メールは以下の通りです。

はじめまして、宮崎歯科医院 宮崎と申します。よろしくお願い致します。ご相談頂きました内容に回答させていただきます。実際に拝見をさせていただいておりません。そのため、上文章より推察ての回答となるため、適切な回答とならない場合もございます。あらかじめご理解頂けますようお願い申し上げます。

1の症状について
1の症状を感ずる患者様にはいくつかの共通点があるように感じております。

① 奥歯を失っている、もしくはクラウンなどを被せている
② 下あごが後方へ偏位している、もしくはそのような骨格をされている
③ 緊張しやすいお心持ちされている、もしくはその状下にある
④ 姿勢がやや猫背傾向にある

低い高さのクラウンや奥歯を失うことで、かみあわせが低くなると、②~④の姿勢をお持ちのかたは、下あごが後方にやや変位し、舌のスペースが狭くなることから、舌を噛みやすくなる傾向にあるようです。

緊張と姿勢と噛み合わせについてはこちらをご参考ください
https://miyazaki-dentalclinic.com/16265

 

2の症状について
日中にくいしばってしまっていることがあれば、ぜひご自覚いただき、しないようにしていただきければ症状緩解の一助となるかもしれません。それが困難な場合、日中に使用する小さなマウスピースもあります。そのようなマウスピースをご利用頂くのもひとつの方法かもしれません。

小さなマウスピースはこちらをご参照ください
https://miyazaki-dentalclinic.com/17681

手のしびれなどは、筋の緊張による血流障害が原因の場合もございます。
整形外科はもちろんですが、カイロプラクティック(適切な資格をお持ちのカイロプラクター)にご相談いただければ、
症状緩和の何か糸口が見つかるかもしれません。

就寝中のマウスピースで少しでも緩和が認められるのであれば、
かみあわせが感じていらっしゃる症状の「原因のひとつ」として考えられるでしょう。

回答になれば幸いです。
よろしくお願い致します。

当院初診の流れ(来院される患者様は必ずお読みください)
https://miyazaki-dentalclinic.com/22254

お困りの患者様に参考になれば幸いです。

インプラント (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者)


歯を失った場合、残っている歯を削り負担をかけるブリッジ、残っている歯に引っ掛ける入れ歯治療は、さらなる抜歯を引き起こすため、当院では推奨しておりません。
本症例は、長年使用していたブリッジを支える歯が限界を来し、根管治療や歯周外科治療を行っても治癒が認められなかったため、やむ得ず抜歯を計画した症例です。

抜歯予定は赤矢印。現在は赤矢印2歯と青矢印1歯で支えるブリッジ形態の仮歯を装着しています。抜歯が必要となる部位の歯槽骨の喪失量は大きく、インプラントを埋入設置するには骨量が足りません。そのため、黄色矢印部にインプラントを設置し、インプラントが骨に結合する2~3カ月間、抜歯予定の歯で支え、食事ができるようにする治療計画を立てました。本日右CT画像のように、黄色矢印部にインプラント手術を行いました。

時間に30分の手術時間。インプラント治療は術前の診査・治療計画が為されていれば、非常に負担の少ない治療法です。


手術日より2カ月、インプラントが歯槽骨に結合する待期期間が必要です。

インプラントは「第2の永久歯」。残っている歯を削ることなく、残っている歯にひっかけるでもなく、残っている歯を助けてくれるインプラント治療は、残っている歯に優しい治療法であり、美味しい食事を可能とする素晴らしい治療法といえるでしょう。

神経残す オールセラミックスインレー (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者)

他院にて神経の治療が必要と説明され当院を受診された患者様。
当院にて「MTAを用いた直接覆髄法」で神経を残しました。治療後の痛みはなく、経過は良好のため、削った部分を補い戻すため、オールセラミックスインレーを製作し装着しました。

根管治療や神経を残す治療に限らず、「むし歯治療」は細菌感染との戦いです。
むし歯の原因は、唾液中に存在する細菌が歯に感染し、溶かし内部に感染を拡げることです。そのため、むし歯治療では2つのことが非常に大切となります。

① むし歯を(=細菌感染部位を)徹底的に除去すること。
② 削った部分は、精度高く補綴すること。

はマイクロスコープやラバーダムなどの無菌的配慮のもと治療を行います。
の「補綴」とはインレーやクラウンのことです。細菌は目に見えないほど小さなものです。その細菌の入るスキがないように、ピッタリとした適合の良いクラウンやインレーを装着することが大切です。そのため、物理的にも丈夫で化学的にも変質のない材質が求められます。

本症例の直接覆髄法の詳細につきましては、右画像をクリックしていただきご参考ください。

当院の「神経を残す治療」の実際をみて頂くことが出来るでしょう。


上写真は、術前、術後のマイクロスコープ拡大画像です。

右上のオールセラミックスインレー装着写真をみていただくと分かるように、オールセラミックスインレ-装着と天然歯との境目が分かりらないかと思います。当院ではこのような補綴を目指し、日々臨床に取り組んでおります。

マイクロスコープを用いてむし歯は徹底排除し、その後は究極の偽物を創り、患者様の口内に装着する。あとは永いお付き合いてその状態を維持。当院の目標です。