日別アーカイブ: 2021年9月12日

『かみしめ 歯ぎしり 食いしばり』には矯正?マウスピース?

宮崎先生初めまして。

矯正かマウスピースか?のご相談をさせてください。。

歯の食いしばりの相談に行った際に、あごの骨が小さいため舌を格納するスペースが少なくなっている。

その為、舌がおち、気道が狭くなり食いしばりが起きているので歯の矯正を勧められました。

ちなみに矯正は、あごのスペースを広げる拡大床をまず使ってから、矯正という計画でした。

抜歯は親知らずだけを抜くという提案で、歯の矯正をしたからと言って、肩こりや疲れなどの全身症状が改善する可能性は70%くらい、とのことでした。

こういった場合でも、マウスピースの適用はなく矯正一択になるのでしょうか?

個人的にはマウスピースを考えていたので、矯正になるとは思っておらずびっくりして、いったん見積をいただいて帰宅しました。

こういった場合まずマウスピースを試すのではなく、矯正であごを大きくして、歯並びをととのえてからの治療に踏み切った方がいいと思われますか?

はじめまして。宮崎歯科医院です。

どうぞよろしくお願い致します。

詳細なるメールを頂きまして誠にありがとうございます。

回答させて頂きます。

但し、実際に拝見していないため、適切な回答とはなら習い場合もございます。

あらかじめご理解下さい。

『こういった場合でも、マウスピースの適用はなく矯正一択になるのでしょうか?』

ご担当の先生とどのようなコミュニケーションが為されていたのか?が分かりませんが、『歯ぎしりをどうしたいのか?』によって、それに適した対策は、一択なのか?他の選択肢もあるのか?が変わるように感じています。

しかし、大前提として、現在ご担当頂いている先生の診断と治療法は、適切な対処法であり、それに対する、成功率への御推測に対しても、私は同感いたします。

『歯ぎしりを無くしたい』

このように感じる、考えていらっしゃる患者様、大変多くいらっしゃいます。

歯ぎしりを悪と考え、それを無くしたいとお考えのようです。

但し、歯ぎしりというものは、その頻度と強度の問題であり、それ自体は生理的な現象であり、不可避なものであると私は考えています。

また、患者様自体も、歯ぎしりを無くしたいとお考えですが、それ自体が実際の目的はなく、歯ぎしりをすることで、歯が壊れる、折れる、首が痛いなどの「不快症状への不安の改善策」として、「歯ぎしりを無くしたい」と感じていらっしゃいます。

まずは、ご自身が、何のために「歯ぎしりに不安を家事ているのか?」を明確にすることが、適切な対処法となるのではないかと感じています。

歯ぎしり自体は生理現象でしょう。

ただ、その頻度と強度が問題です。

歯は、24時間中、通常7分から15分の接触時間しかありません。これは咀嚼と嚥下時のみの数百グラムの力といわれています。

つまりはそれ以外の上下の歯の接触は、異常。つまり、それが歯ぎしり、かみしめ、食いしばりです。

その頻度と強度を圧下させる因子として、一番関連しているといわれるのが、ストレスです。

これは肉体的ストレスや精神的ストレスといわれています。

具体的には、以下のようなものでしょう。

① 人間関係

② 環境の変化

③ 全身の姿勢

④ 生活習慣

 

① 人のストレスのほとんどが、人間関係といわれています。

その難関を乗り越えるべく、噛みしめることで、必死に我慢、耐えているようです。

つまりは、ストレスの犠牲としてかみしめが起きているということ。

これに対してい、マウスピースを入れたり、矯正をしたりしても、意味はありません。

その問題となる、原因となっている人間関係にどう対処するのか?これが最善の治療法といれるでしょう。

ただし、そう簡単にできるのなら、こんなご相談も頂いていないでしょう。

そんな時は、緩和策として、各種マウスピースが有効といえるでしょう。

ぜひこちらの動画をご覧下さい。

 

②生活環境の変化、つまりは

・職場が変わった

・引っ越した

・結婚して同居するようになった

・山、飛行機、スキューバダイビング(急激な気圧の変化)

・低気圧(雨、台風)

・気温の急激な変化

・暑い中、寒い中、我慢をしての睡眠

こんな何気ない環境変化にも、身体は敏感に察知反応し、疲れを感じると共に「かみしめ」を誘発します。

ぜひ、適切な対処法をお探しください!

 

③気遣いの細やかな、真面目で実直、完璧主義な方ほど、身体は前のめりとなり、猫背になりがりです。

いつも緊張状態であることから、交感神経優位な状態となり、いつもいつも身体は疲労しがちです。

呼吸は浅く、安定した鼻呼吸・腹式呼吸がしづらく、胸呼吸・口呼吸に頼りガチになり、その結果、万年リップクリームが欠かせないようです。

お心当たりがある場合、これがかみしめの原因となっていることがあるようですので、改善策を!

 

④横を向いて寝る、うつ伏せを向いて寝る。これは下あごに大きな負担が掛かり、噛みしめを誘発します。ぜひ改善していただきたいところです。

また、坐り過ぎのお仕事やノートパソコンの使用により、首が前にいきがちとなり、姿勢を狂わせる一因となっているようです。

①~③になってしまうような「生活習慣」には、改善の余地があるようです。

 

その上で、「歯並び」です。

正常な歯並びの方でも、上記に当てはまる方は、噛みしめ・歯ぎしり・食いしばりでお悩みです。

つまりは、歯並びや噛み合わせは、「主たる原因」ではなく、「かみしめや歯ぎしり」をした時の「増悪因子、増長因子」として働きます。

つまりは、歯並びが悪くとも、噛みしめや歯ぎしりで困っていない方は「いる!」ということです。

これらの点を踏まえて、ご自身にあった適切な対処法を、ご担当の先生とご相談頂ければ幸いです。

この回答が少しでもお力になれていれば嬉しい限りです!