日別アーカイブ: 2021年10月25日

ソニッケアとオーラルBの比較

前にもコメントさせていただきました、岡山の津高歯科の前田です。質問はソニーケアとブラウンオーラルBの件です。内ではブラウンをお勧めしてますし、僕も使用してます。その点についてコメントいただければ、よろしくお願いいたします。

先生はご存知のことが多いかもしれませんが、多くの方がご覧になっていらっしゃるので、釈迦に説法ではございますが、基本的な内容も述べさせて頂きつつ、そんな皆さまにお役立ていただけるように分かり易く書かせて頂きます。その点ご理解頂ければ幸いです。

オーラルBとソニッケアーは、ブラシの動き方に大きな違いがあります。オーラルBは、 “いわゆる”手磨き用の歯ブラシの形状とは異なり、『丸型の歯ブラシ』が高速で回転するのに対し、ソニッケアーは『従来の手磨き用歯ブラシと同じ形のブラシ』が、音波振動することで、歯を洗浄します(=キャビテーション効果)。どちらも、手磨きと比較して汚れつまり「プラーク」の除去力は、手磨きの倍以上であるとのことです。

この時点で、どちらを使用しても価値があるということであり、手磨きは時代遅れ、絶対に使うべきアイテムが電動歯ブラシといえるでしょう。

オーラルBのiO9は使用したことがありませんでした。最初はソニッケアを使用していました。オーラルB製品を初めて使用した『私の感想、主観』としては、ブラッシングの振動がソニッケアーに比べて強力という印象です。これはおそらく、リニアモーターカーと同じ磁気駆動システムによるものではないかと感じています。

我々のような専門知識を持つ歯科医師や、歯でご苦労を重ねた患者様であり、歯のメンテナンスやブラッシングに長けた方たちであれば、この強いブラッシング力というのは「最強の武器」となりえるでしょう。

しかし、そんな知識と技術と経験を持ち合わせない「手磨きは歯ブラシ経験者」つまり「電動ブラシ初心者」には、諸刃の剣のなりかねません。

少し心配になるのは歯ぐきや歯への影響です。

歯周病でお困りの患者様は、おそらく電動歯ブラシなどにご興味があるでしょう。

皆さん、歯茎の病状は様々ですが、お1人お1人、その方の歯茎の厚みも様々です。

歯科医師が熟知するMaynardの分類です

Maynardの分類は、患者さまのもつ歯茎(付着歯肉)の幅・厚み、歯槽骨の厚みを考慮し、歯肉の退縮が起こりやすいか、起こりにくいかを分類したものである。この分類は絶対的な数値の比較ではありませんが、ひとつの基準として簡単に分かり易く分類できるものでしょう。

各Typeで歯肉退縮の起こりやすい/起こりにくいが分かりやすく分類されています。

Type1:歯槽骨が厚く、付着歯肉も十分ある→歯肉退縮は起こらない

Type2:歯槽骨は厚いが、付着歯肉は少ない→歯肉退縮は起こりにくい

Type3:歯槽骨は薄いが、付着歯肉は十分ある→歯肉退縮は起こりにくい

Type4:歯槽骨が薄く、付着歯肉も少ない→歯肉退縮は起こりやすい

日本人は、欧米の方と比較して、Type4の方が多いように感じます。

そんな方々へは、ブラッシング圧のマイルドなものがおススメでしょう。

その点では、ソニッケアーに魅力を感じますが、だからといって、オーラルBが悪いという訳ではありません。オーラルB本体には、LEDでその圧の調整は知ることが可能です。その点に配慮された製品となっているように感じています。

両者ともに、スマホとの同期機能は両者ともに持っていますが、ブラッシングのたびにスマホを持っていくのは私としては億劫ではないかと感じているので(笑)、その点の優劣は評価していません。

一番大切に感じていること、それは、「はじめて使用する際の障壁、ハードルを小さくすること」です。

それでなくても、高価な買い物となる電動歯ブラシ。

買って損したとなっては辛いでしょう。

正直、両者に優劣は全くありませんが、電動歯ブラシを「初めて」使うならば、手磨きと同様の扱いが嬉しいでしょう。であれば、回転系のオーラルBの高いプラーク除去能力には魅力があるものの、ヘッドが「手磨き用の歯ブラシと同じ形」のソニッケアーの方が「使いやすい」のではないか?と感じています。

また、歯ブラシのヘッドが適切に当たっていなかったとしても、ソニッケアーのもつ「キャビテーション効果」つまり「歯ブラシの毛先があたっていなくても、毛先の先3~4mm先のプラークを除去する効果」には大きな魅力を感じています。

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