院長ブログ

ホルムクレゾール・ペリオドン・FC 根管治療 東京都内内幸町虎ノ門新橋霞ヶ関の歯医者歯科

当院では根管貼薬剤として水酸化カルシウムを使用します。

むし歯は唾液中に存在する細菌(バクテリア)の感染症です。神経(歯髄)近くまで進行した場合、バクテリアに感染した神経を除去することで、更なる感染拡大を予防します。これを根管治療といいます。

その際、根管内のバクテリアを駆除するために、次亜塩素酸で洗浄し、水酸化カルシウムを貼薬します。この組み合わせがバクテリアを駆除するのに最適であることが過去の文献より証明されています。しかし、以前からの日本の歯科医療の慣習でしょうか。未だにFC(ホルムクレゾール)ペリオドンなどのホルムアルデヒド製剤を根管治療の薬剤として使用していることがあるようです。この薬剤を貼薬することで、神経を失活させることはできるのですが、同時に組織がホルマリン固定され、次亜塩素酸の効果を減弱させ、治癒を阻害するという文献があります。そのため、米国では、このような薬剤は使用せず、水酸化カルシウムを貼薬することが推奨されています。



 


根尖病変 自然に治るの?東京都内内幸町虎ノ門新橋霞ヶ関の歯医者歯科

レントゲン上に映し出される「根尖病変(根尖病巣)」。症状もなく経過することもしばしばですが、そのまま放置しておいてもいいのでしょうか?

実際はどんな状況にあるのでしょうか?

レントゲンとは硬いものが白く、やわらかいものが黒く写し出されます。3次元を2次元に落とし込んだ画像であることから、概略はわかりますが、やや不鮮明。
歯は歯槽骨という骨で覆われています。そのため、健康であれば歯の周りは薄く白く写りますが、むし歯が深く進行すると、歯根の先が黒く写し出されます。これを根尖病変といいます。

ここで1つ興味深い文献があります(Schwartz et al. Oral Surg.)。



歯を支える骨は、ヘチマのような構造。外側が硬く、中がぼそぼそ。外側を皮質骨、内側を海綿骨といいます。その歯槽骨に変化を加えたとき、レントゲンではどのように映るのか?ということを検証した論文です。

検体(医学発展のため提供して頂いた方のお身体)の正常な顎骨()をレントゲンで撮影します。その後、海綿骨のみ取り除き()、再度レントゲン撮影します。硬いものが白く写るのがレントゲンなので、の方が歯の周りが黒く写るのでは?と思うのが普通でしょう。しかし、結果は2つとも正常に映り、の歯の周りは黒く写らなかったのです。


上述の文献は、「海綿骨の有無は、レントゲンには反映されない」ということをあらわしています。

つまり(上図参照)、では歯髄(神経)は壊死し、病変が歯槽骨に及ぶものの、海綿骨に限局しています。このような症例では、レントゲンではの正常と変わりなく写ってしまうということになります。

しかし、皮質骨にまで及ぶ大きさ病変の症例は、レントゲンで黒く写ってくるということになります。

したがって、レントゲンで黒く病変が認められるということは、症状の有無(痛みの有無)に関わらず、相当に病状が進行した状態といえるでしょう

放置して治るのであれば、そもそも病変はできません。つまり可能な限り早期に治療が必要ということになります。

病変の大きさの正確な把握には、レントゲンよりCTが適しています

病変の正確な大きさを把握し根管治療や歯根端切除に臨むことが可能です。当院ではCTマイクロスコープなどの根管治療に必要な機器を揃えて治療に臨んでおります。

 


坐り姿勢 アーユルチェアー

一生懸命に物事に取り組めば取り組むほど、首は前へ、肩は内旋し、のぞきこむような姿勢となります。ノートパソコン仕事が多いサラリーマン、テレビゲームや携帯ゲームなどは、猫背の姿勢を助長します。

当院ではマイクロスコープ拡大鏡などを使用して日々の臨床に臨んでいることから、坐り姿勢への大切さを痛感するとともに、具体的に対策を講じています。

それがこの「アーユルチェア―」です。姿勢を矯正するだけでなく、負担を軽減してくれるこのチェアーをすべての診療台(ユニット)に設置し、日々の臨床に取り組んでいます。待合室にも同時に設置し、患者さまにもその素晴らしさを実感していただいております。

本日は当院のチェアーのメンテナンスでアーユルチェアーの方に来ていただきました。対応も素晴らしく早い!ありがとうございます。

当院では診療に生かすだけでなく、かみあわせの不具合を感ずる患者さまにもお勧めしております。詳しくは公式サイトをご参照ください。試してみたい方は当院の待合室に各種取り揃えております、ぜひお試しください(笑)(アーユルチェアさんの回し者ではございませんが、とても良い椅子ですよ)

 

 

当院の日々の根管治療 東京都内内幸町虎ノ門新橋霞ヶ関の歯医者歯科

当院ではほぼすべての症例でラバーダムを装着し、根管治療を行っています。我々歯科医師も、患者さまも、慣れればとても楽。治療の準備や器具の滅菌消毒などに手間はかかりますが、治療の予後はとても良好です。

問診にて症状をうかがいつつ、レントゲンで精査します。レントゲンは像が重なるため、CTが確実ですが、実際にマイクロスコープで治療するのが更に確実な診断といえます。
(当院の診断基準はこちらをご参照ください)

見えるむし歯をしっかり除去してからKファイルで根管先端まで穿通し、除去します。このファイルのサイズは80μm~150μm。それ以上は本来ある根管の形態を壊しかねません。極細のKファイルを使用することがとても大切です。

その後は、根管内を薬液で消毒しやすいように根管上部を拡大します。その後はニッケルチタンファイルで根管先端部を清掃。この間すべての過程で次亜塩素酸を根管内に満たしつつ行うことがとても大切です。根管内のバクテリア感染除去に効果的であるとする論文に従い、10分以上の次亜塩素酸貼薬を心掛けます。

根管内清掃後は、水酸化カルシウムを必ず貼薬します。貼薬するとしないでは全く予後が異なります。また、従来より使用されていたホルマリンクレゾールなどは、治療を阻害するとする論文もあることから、当院では使用しておりません。

いまだ勉強の身ではありますが、基本に忠実に日々の診療を心掛けております。

 


結合組織移植術 東京都内内幸町虎ノ門新橋霞ヶ関の歯医者歯科


歯を抜くことで、その周囲の歯ぐき(歯周組織)を一緒に失うことがあります。

その後にブリッジやインプラントを装着しようとすると、他と比べて「長い歯」になってしまったり、歯と歯ぐきの間に隙間ができてしまうことがあります。

このような時、当院では、上顎の口蓋より歯肉を移植する「結合組織移植術」を行い、失った歯ぐきのボリュームを回復させてから、ブリッジやインプラントを製作いたします。
お困りの際はご相談下さい。

―宮崎歯科医院について― 舩井(船井)幸雄先生の著書「退散せよ似非コンサルタント」(52頁の超プロの5条件で紹介される)や 私の知った良い歯科医師(歯医者)、信頼できる歯医者・名医として紹介され、インプラントかみあわせ(顎関節症)治療で多くの患者さまを拝見する歯科医院です。東京都内、虎ノ門、虎ノ門ヒルズ、神谷町、霞ヶ関、新橋、港区、千代田区だけでなく関東近県、全国から患者さまが来院されるため、ご来院の際はお電話・メールにてご予約いただけますようお願い致します。インプラントかみあわせだけでなく、マイクロスコープCT撮影ラバーダム防湿を駆使した最先端根管治療ホワイトニング審美歯科メタルフリー予防歯科・親知らずの抜歯・歯周病治療・一般むし歯治療など、痛くない麻酔、痛くない治療で行っております、安心してご通院頂けます。セカンドオピニオンやご相談、メール相談も多数頂いておりますのでお気軽にご相談ください。


神経を残す治療 根管治療 東京都内内幸町虎ノ門新橋霞ヶ関の歯医者歯科

他院にて根管治療をすすめられ、当院への受診された症例。

「むし歯が深ければ、根管治療をお願いします」との患者さまのご希望を踏まえ、ラバーダム装着の上、むし歯の進行を精査します。下顎第1大臼歯の根管治療では、右写真のように、ミラーに映った像を診ながらの治療となります。上下が逆に映るので、少々経験が必要ですね。

カリエスチェッカーにて細菌(バクテリア)に侵された部分を染め出し除去します。むし歯は唾液中に存在する(バクテリア)の感染症です。2層目の象牙質にまで進行すると、その感染を除去するのは困難を極めます。可能な限り早期の治療が、治癒に効果的です。

むし歯を除去した後は、象牙質壁を洗浄消毒します。この症例では、露髄(神経が露出すること)することはありませんでしたが、神経近くにまでむし歯は及んでいたため、その部位にMTAを貼薬し、コンポジットレジンにて封鎖しました。

しばらく経過を観察し、症状がなければ、精密な補綴(かぶせる、つめるなど、人工物で形態を回復すること)を行う予定です。

 


根管治療 痛い 上顎大臼歯 なぜ?東京都内内幸町虎ノ門新橋霞ヶ関の歯医者歯科

上顎第1大臼歯の根管治療。他院にて治療したのですが、違和感と歯ぐきの腫れが取れずに当院で治療することとなりました。上の写真は根管治療中のマイクロスコープ画像。当院では、記録を取りつつ治療をすすめます。歯医者さんって何されてるかわかりませんよね(笑)。その都度その都度ご説明しつつ治療を進めることで、ご自身の歯を大切に思っていただければと思っております。

上顎第1大臼歯の根管は通常3根管、つまり矢印が3つということ。
この症例では、4つめが存在(赤矢印)。これは肉眼では見えませんね

むし歯治療も歯周病治療も、根管治療も、唾液中に存在する細菌(バクテリア)を駆除することが治療の目的。根管治療では、ラバーダムというラバーを患歯に装着し、唾液の混入を防止します。上写真は、4根管をキレイにし、再度感染しないように樹脂を詰めた状態です。先ほど赤矢印の根管、これを俗にMB2といいますが、この根管治療が為されておらず、違和感や痛み、腫れの症状が残っている患者さまを多く拝見しております。

上顎大臼歯にこのような症状がある際は、疑ってみてはいかがでしょうか?

インプラントブリッジ 上顎臼歯 抜歯即時 東京虎ノ門ヒルズ霞ヶ関神谷町歯科歯医者

左上臼歯部(奥歯)のインプラント治療。
インプラントフィクスチャーを3本埋入してのインプラントブリッジ。

もともとは入れ歯をご使用されていらっしゃった患者さま。入れ歯を支えていた犬歯が折れてしまい、インプラント治療をご決断。

術前のCTシミュレーションの後、サージカルガイドに従って、抜歯即時埋入インプラント手術。手術当日にすぐ仮歯を装着し、見た目も食事も問題なし。4カ月ほどまってから最終セラミックスの上部構造をセットです。

本症例の実際の術式はこちらをご参照ください。

サージカルガイドについてはこちらをご参照ください。

これで食事も安心です!がんばりましたね!
これからはメンテナンスで永いお付き合いをよろしくお願い致します。

深いむし歯に根管治療が必要な理由 東京都内内幸町虎ノ門新橋霞ヶ関の歯医者歯科

神経の治療(神経ととる、根管治療)は誰しもやりたくないものです。ではどの程度むし歯が進行したら、根管治療をしなくてはいけないのでしょうか?

むし歯とは、唾液中に存在する「むし歯の細菌(バクテリア)」が、歯に感染し、歯を溶かしながら内部に感染を広げていく疾患です。つまり、「細菌(バクテリア)の感染症」です。

歯の神経の治療が必要になるのは、「感染が歯の内部深くに進行しているから」。細菌(バクテリア)の感染を除去しなくては、炎症は拡大します。そのため、感染した組織(歯やその神経)を切削除去することとなるのです。

上の図は、象牙質近くまでむし歯は進行するも、神経に穴は開いていない状態の場合です、果たして根管治療は必要でしょうか?

右の病理切片は、神経(歯髄)にまでむし歯の穴は開いていないものの、歯髄には細菌感染による炎症が認められる病理切片です。

病理切片をみると、象牙細管を伝わって細菌感染しているのが染色像よりわかります。この病理切片は、象牙質までむし歯が進行した際、見た目やレントゲン像で、むし歯が神経にまで到達していなくても、神経にまで細菌は感染している可能性があることを示しています。

歯の2層目、象牙質は上電子顕微鏡写真のように、細い管が無数に集まった、「細管構造の集合体」。その細管に入り口はエナメル質、ゴールに神経(歯髄)となっています。

この細管を「象牙細管」といいますが、バクテリアは、この細管の直径よりはるかに小さいことから、象牙質にまで至ったむし歯の場合、象牙細管内の感染を疑った上での治療が必要となるのです。

上右電子顕微鏡写真では、象牙細管よりはるかに小さいバクテリアが無数存在していることがわかります。当院ではマイクロスコープを使用して治療に臨んでいますが、流石にここまでは見えません。

レントゲンは硬いものはより白く、やわらかいものは黒く写し出されます。歯は硬いため、白く写ります。上のレントゲン像では神経(歯髄)にまでむし歯は到達していないように見えますが、上右の病理像では歯髄に感染による炎症が認められます。

神経(歯髄)に近い深いむし歯の症例では、象牙質内へ細菌が潜伏感染する可能性をこの病理切片は示唆しています。マイクロスコープで観察して、神経にまで穴が到達していなくとも、バクテリアが神経(歯髄)が感染している可能性があるといえるのです。

根管治療はできるだけ早い方がいい。感染が深く進行すると、難治性に移行してしまうのです。根管治療だけでなく、むし歯治療は早期治療のほうが予後は良好です。

予後の可能性を熟知した上で、神経を残すのか?根管治療を行うのか?を決断したいものです。

そのためには、正確な診断が重要なカギとなるでしょう。

 

 

 

根管治療は早いほうが良い 東京虎ノ門ヒルズ霞ヶ関神谷町歯科歯医者


むし歯は、唾液中に存在する細菌(バクテリア)の感染症です。

レントゲンでは、硬いものが白く、やわらかいものが黒く写し出されます。つまり、歯がむし歯になると、本来白く写し出されるところが、黒く写るということです。

上に示しますレントゲン写真をご覧ください。正常な歯は、レントゲン写真(正常)のような像となりますが、むし歯でエナメル質が溶かされ、象牙質にまで至ると、①のような状態となります。
は、神経のある歯がむし歯になり、神経(歯髄)近くまで及んでいる状態です。
は、神経を処置したのですが、かぶせものに隙間があり、その隙間から感染した状態です。
は、神経の処置をしたのですが、かぶせものが外れてしまい、そのまま放置、根尖にまで感染が及んでいる状態です。
は、神経を処置し、そのまま放置、歯が折れてしまった状態です。

同じむし歯ではありますが、状況が様々です。
まずは適切な診断が必要となります。
(当院の根管治療診断基準はこちらを参照下さい)
では、このようなむし歯が進行した状況では、なにが起こっているのでしょうか?

の症例では、まずバクテリアによる「1次感染」が起こっています。この時に感染するバクテリアを「グラム陰性嫌気性菌」といいます。具体的には、Bacteroiodes(Porphyromonas Gingivalis)、Fusobacteria、Prevotellaなどです。これらバクテリアは「エンドトキシン(内毒素)」をもち、そのLPS(リポサッカライド)の存在が、「身体には悪いことが起きている!」と身体に働きかけ、歯髄(神経)に炎症が引き起こされます。

我々の身体は、一度炎症を起こしても、大概が元に戻りますが、歯の内部にある「歯髄(神経)」は違います。

歯の神経(歯髄)は、バクテリアに感染すると炎症が起こり、元に戻らず「壊死(神経が死ぬこと)」してしまいます。これを放置すると、「2次感染」へつながります。その際に感染するバクテリアを「グラム陽性嫌気性菌」といいます(Enterococcus Faecalis、Peptostreptococcus)。グラム陰性菌とバクテロイデスも感染していますが、このグラム陽性嫌気性菌が感染を拡げると、歯槽骨を溶かし、「根尖病巣」を形成するのです。こうなると、この歯だけの問題ではなくなります。

上記レントゲンで示しました①~④では感染しているバクテリアが異なる可能性があります。治療法も当然変える必要があるでしょう。

根管治療は、このような感染拡大を予防すべく行います。これが根管治療の目的であり、理由です。

根管治療は、細菌(バクテリア)の駆除です。ラバーダム防湿は必須といえるでしょう。感染を拡大させないためにも、可能な限り早期に治療することが大切となります。

では、どのくらい早期に治療しなくてはいけないのでしょうか??

健常者の口内にも、感染根管にも認められるバクテリアであるStreptococcus sanguisを象牙質表面に感染させると、ずか10日で象牙細管内への感染することが照明されています。この文献は、象牙細管内の根管治療の困難性を示すとともに、可能な限り早々の治療が必要であることが明らかにしているでしょう。

また、ヒトの歯を用いた実験で、歯を2mm削り、2層目の象牙質を人為的に露出させ、口内に存在する細菌(バクテリア)がどの程度感染するかを調べた実験があります。この実験では、失活歯(神経を処置した歯)と生活歯で、バクテリアに対する感染耐性に違いはあるかも調べています。

結果は、生活歯はバクテリアに耐性を示したましたが感染し、失活歯は150日後、歯の内部深くへ感染することが明らかとなりました。この結果より、失活歯では特に早々の治療が必要であることが明らかでしょう。

象牙細管への感染についてはこちらをご参照ください。

このように、当院では科学的根拠に基づく根管治療を心掛けています。