今回は、皆さんが知らない、ついやりがちな歯科治療中の皆さんの行為についての話です。
皆さん、根管治療中に、お口、ゆすいでいませんか?
先生に、「ゆすいでくださーい!」って言われたら、それまでかもしれませんが(笑)
根管治療とは、歯の神経を取る・抜く治療といわれています。むし歯が歯の神経近くにまで進行した場合に必要となる治療です。このチャンネルをご覧頂いている「デンタルIQ」の高い皆さん、歯でお困りになった方ならご存じの治療ではないでしょうか!
当院にご来院いただく患者様に、「根管治療中に、お口をゆすいだことがある」いうお話を大変よく伺います。この動画を配信するきっかけとなる言葉です。
まずはこの動画の結論からいきましょう!
根管治療中に、歯をゆすいではいけません!
お口をゆすぐのは、かえって病状を悪くしかねません。
根管治療、してもしても治ならないのは、それが原因のひとつかもしれないからです!
それでは、なぜゆすいではいけないのでしょうか?
今回はこのことについて分かり易く解説いたします。動画の後半では、実際の治療の様子もご覧頂きます。ぜひ最後までご活用下さい!
皆さん、ラバーダムってご存じですか?
Youtubeで動画を配信するようになってから、毎日、大変多くのご相談を頂きます。
その中でも、根管治療、なかなか治らない患者様が大変多いようです。皆さんはいかがでしょうか?皆さんのご両親、ご兄弟、ご友人、ご苦労されている方、いらっしゃるのではないでしょうか?
なかなか治らない原因は様々ですが、その中でもトップクラスに多い共通する点の1つがこれです。
「根管治療でラバーダムをしていない・・・」っていうことです。
ラバーダムは、治療中に、治療している歯に、唾液が接触・混入しないようにする防御策です。
口の中に滅菌管理された手術室をつくるようなものでしょう
お口周りにラバーを装着して、治療する歯を一本だけ隔離します!
口の中にはむし歯の原因となる細菌が沢山います。
むし歯っていうのは、唾液の中に存在する細菌の感染症です。
細菌が歯の表面に感染し、歯を溶かしながら、歯の内部に感染・侵攻していくのがむし歯です。
その感染した細菌を取り除く・削り取るのがむし歯治療であり、根管治療です。
むし歯つまり感染が深く侵攻した場合、感染を取り除くために、結果的に、歯の神経を取ることになるんです。これを根管治療といいます。
神経を取るのが根管治療ではないんです、感染をとるのが根管治療なんです。
ややこしいですね(笑)
でも、その感染を取り除いている最中に、歯の中に、唾液が入り込んだらどうなると思いますか?
細菌の感染、取れますかね? シンプルに、また、感染しますよね?
『根管治療中に、口をゆすいでも大丈夫でしょうか?』
こんなご質問を頂くこともあります。答えは明白です!ダメです!(笑)
汚れた泥水が入り込む中で、必死に白いタオル洗っても、きれいになりませんよね。
白いタオルを泥水の中でキレイにするためには、強烈な薬剤と、繰り返し繰り返し長時間、長期間にわたってタオルをゴシゴシゴシゴシ洗わないといけません。大変です。タオル、破れますよ(笑)
たとえ、マイクロスコープを使ったとしても、ラバーダムをしていなければ、一生懸命に根管治療に臨んでも、治療中に唾液がガバガバガバガバ入り込んでしまいます。何やってんだかよく分からないですよね。絶望的です。
ラバーダムなしの根管治療は、野原で開腹手術するのと同じって言ってもいいのかもしれません。
治らないことはないかもしれませんが、治療中に感染するか否かは運次第、博打ってこと。
治った場合は、皆さんの免疫、身体の力で感染を抑え込んでいるだけなのかもしれません。
私なら、大切な歯のために博打は打ちません。皆さん、どうですか?
ここまでお話ししても、
「いやいや、いままではラバーダムしてないんだから、いらないでしょ?」
「いままで通りの方法でやってよ!」
っていう患者様が稀にいらっしゃいます。
いままで通りの根管治療で治るのであれば、再治療することはなかったでしょう。
それに関わらずラバーダムをせずに根管治療に臨むというイバラの道を歩みたいというのであれば、
残念です!己の道を貫き頑張って(笑)
いばらの道を舗装道路にしてくれるのがラバーダムです。
私は楽な道がいいです!
治療する側も、治療を受ける側にもメリットばかりです。
なので、私は根管治療では、安全確実な治療をすべく、ラバーダムを選びます。
皆さんはどちらを選びますか?
これは根管治療に対する私の一解釈、好みの問題に過ぎないかもしれません。
例えば、目玉焼きを食べる時は、「ソース」派?「しょうゆ」派と言っているのと同じレベルかもしれません。どちらも美味しいでしょう!
ラバーダムやマイクロスコープがなくても一定の治療結果を出している歯科医院は多数あります。患者様のご希望、それぞれの地域で求められる歯科医療も様々です。
この動画で、根管治療にはラバーダムが絶であるとする価値観を押し付けるつもりは全くありません。私個人の1解釈としてご参考頂ければ幸いです。
でも、根管治療の際、ラバーダムを装着しないで治療するということ、根管治療中に口をゆすぐということは、治療中に感染する可能性はない?とは否定できないと思います。
歯は一生涯の友であり、自分自身です。
いつまでも自分の歯で美味しく食事、したくありませんか?
もし治療をするならば、出来る限りリスクを避けた治療法の方がいいですよね!
この動画を近隣の歯科医院にご相談するきっかけにして頂ければホント嬉しいです。
私は動画を配信させて頂くことで、毎日、皆さんよりご質問・ご批判を頂き、独りよがりの自己満足な治療とならないよう日々反省しております。今後も皆さんのご期待に沿えるよう頑張ります!
さて、前置き長くなりました、では、早速参りましょう!