日別アーカイブ: 2021年1月11日

インプラント 金属アレルギー

インプラントの埋入する材質について質問です。酸化チタンとジルコニアの違いについて。どうお考えでしょうか?この場で質問するのは不適切かもしれませんが、金属とセラミックの違いとも言えるかと。特に、ノンメタルを標榜する歯科医院ですら、何故かインプラントはチタンを使うことに平然としている(当然でしょ感)。でも、下記のサイトを見る限りそうとも言えないかもしれない。日本にも2〜3名臨床で実際に治療をしているようです。調べれば調べるほど賛否両論あり、困惑します。しかし、ノンメタルが自然であるという直感はどうしてもあり、なぜインプラントだけがメタルを使用するのか?不思議です。ご見識をシェアいただければ幸いです。

コメントありがとございます。

現在のインプラントシステムは1950年代から開発されたブローネマルクインプラントをもとに進化発展してきたシステムです。
その歴史、科学的根拠を示す論文も多く、優れたインプラントシステムであることは否めません。

しかし、おっしゃる通り、金属アレルギーを有する患者様へは不適応といえるでしょう。

日本口腔インプラント学会の治療指針でも、インプラント治療の際、金属アレルギーが疑われる場合には、事前にパッチテストをするべきであるとしています。
https://www.shika-implant.org/publication/dl/2016_guide.pdf

チタンはイオン化しにくく生体親和性の高い金属であるため,金属アレルギーを起こしにくい材料であるといわれてきましたが、整形外科領域では 1990 年代からチタンアレルギーが疑われる症例の報告もあり、近年、歯科チタンインプラントの症例でもチタンアレルギーと考えられる報告が認められているのも事実です。

金属アレルギーあるいはチタンアレルギーが疑われる場合は、インプラント体埋入手術前にパッチテストなどにより、チタンあるいはその他の金属に対するアレルギーの有無、原因金属の同定が必要であるとしています。

当院でも金属アレルギーをご心配される患者様へは術前のパッチテストや全身疾患に対する医科検査をお勧めしております。

インプラント治療は欠損補綴治療として大変優れた治療法ではありますが、歯科治療のうちの1法です。
金属アレルギーなどが懸念される患者様には、インプラント治療を第一選択とするのではなく、お話しのあったセラミックやジルコニアブリッジあるいはメタルフリーの義歯(入れ歯)や移植も治療法の選択肢です。
これらの方法から、患者様のご希望にあった最善の治療法を選択するように日々の臨床に取り組んでおります。