日別アーカイブ: 2021年4月15日

治療が原因で神経が壊死してしまう事はあり得る

初めまして、コメント失礼致します。 夜分遅くに申し訳ございません。

主人の前歯の虫歯治療後の痛みについてのご相談です。

5年程前に机にぶつけたか何かで上の右側の側切歯の下半分の一部が欠けてしまい、欠けた部分をカバーする治療を受けていました。おそらく人工的な物をはめる様な。。

その繋ぎ目の部分がいつの間にか黒っぽく変色していましたが、痛みも無く何年も放置しておりました。

20年以上ぶりに歯科検診で受診すると、上記部分の虫歯を指摘され一ヶ月程前に治療しました。

虫歯が深く神経近くまでいっていたとは説明を受けたのですがそれ以外は特に何も無かった様です。

その後、一週目は違和感と冷たい物が多少しみていましたが様子を見ており、二週目はしみる度合いが増した様なのですが様子を見ていました

三週目辺りから温かい物がしみる様になりかなり不快感が増して来ましたが仕事が忙しく受診出来ず、四週目からいよいよ温かい物や硬い物を噛んだりすると勝手に涙が出る程痛がり、痛み止めを飲まないと仕事にも支障を来たす程になりましたが、中々予約が取れずキャンセル待ちをして今週土曜日に受診出来る事になりました。

もっと早く受診を勧めていたらと悔やまれます。

先生の治療法の表を拝見すると不可逆性歯髄炎、歯髄壊死に当たるのかなと、、そうなると根幹治療が必要になるのかなと、、、 治療前は痛みは全く無く知覚過敏でも無かったのに、治療した事でこの様な状況になってしまった事や治療後の経過や受診の目安などに説明が為されなかった事に残念極まりなく思っています。

治療法に問題があった可能性があるのでは無いかとさえ考えてしまいます。

拡大鏡は使用している様ですが、マイクロスコープ、ラバーダムまでは不使用だと思います。

神経を抜く事は避けたいのですがやはり避けられない状況の可能性が高いのでしょうか?

治療が原因で神経が壊死してしまう事はあり得るのでしょうか? また、治療した歯の真下の何の問題の無い歯まで連動するかの様に痛む事があるのですがその様な状況はよくある事なのでしょうか?

長文になってしまい申し訳ございません。 大変お忙しい中申し訳ありませんがご意見を聞かせて頂けると幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

コメントありがとうございます!

詳細なご説明、重ねてありがとうございます!

回答させて頂きます。

ただし、実際に拝見していないため、適切な回答ではありません。

上記に頂いた文章からの『引用センテンスのみ』に対する回答であることをご理解下さい、実際の状況は診ておりませんので、その点重々ご理解下さい。

『神経を抜く事は避けたいのですがやはり避けられない状況の可能性が高いのでしょうか?』

→大前提として、むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。

その細菌が、歯に感染。歯を溶かしながら、その感染を内部に広げていく病気がむし歯という病気です。

〇【前編】歯の神経『半分でも』残せる!? 根管治療せずに、歯の神経を残す「歯頚部断髄法」とは何か?

この動画を必ずご覧下さい。

むし歯という病気についての理解が深まるとともに、これから回答する内容の理解がさらに深まります。

この細菌感染を徹底的に取り除くのですが、細菌は0.5~1ミクロン。

我々人類の肉眼による識別限界は100~200ミクロンです。到底みることはできません。

そのため、ルーペやマイクロスコープといった器具を使用して、むし歯を可能な限り取り除いているのが現状の歯科医療です。

目には見えない細菌が残っていたとしても、人間には「免疫力」というものがあります。

ご自身の免疫力で最近を抑え込むことが可能です。

話を戻しますね。

上記の通り、むし歯治療は、「細菌感染を取り除く治療」です。浅ければ削って詰めれば治りますが、神経にまで感染している場合は、その感染を取り除くために、神経を「結果として」取り除くことになります。

症状をお伺いすると、歯の神経はかなり強い炎症を呈しているように推察されます。

この原因は、感染です。

その感染を取り除くためには、結果として神経を抜く必要もあるように感じています。

『治療が原因で神経が壊死してしまう事はあり得るのでしょうか?』

→これは、正直分かりません。

当院の場合ではありますが、「治療」は必要であるからするものです。

しなければ、さらなる悪化が推測されるため、治療に臨みます。

治療は必然であり、患者様同意の上で決定されるべきでしょう。

当院では、歯の神経を残す治療を行っても、約3割がのちに根管治療に至ります。

つまりは「治療をきっかけとして根管治療になる、神経が壊死する症例がある」ということになるでしょう。

そのような症例に共通する点がいくつかあります。

・神経に至るむし歯があり、歯の神経の生死判断が非常に難しい症例

・かみしめのある症例

・血液循環の良くない症例(タバコ、口呼吸、猫背など)

こういった、全身的にも免疫機能の衰弱しがちな症例では、のちに根管治療となる可能性を高く感じています。

『治療した歯の真下の何の問題の無い歯まで連動するかの様に痛む事があるのですがその様な状況はよくある事なのでしょうか?』

→これについては、様々な条件が考慮されるため、この文章からだけでは「わからない」というのが正直なところです。

伺った限りでは、確かに、治療の時期と発祥の時期が近似していますが、25年前に半分欠けていることを考慮すると、今回の病状の原因には、その時の外傷が大きく関与しているようにかんじています。

痛みが無かったにもかかわらず、今回痛みが発症したことは大変残念にかんじますが、もしかすると、そもそも発症する時期であったのかもしれません。

可能であれば、今回の治療を前向きにとらえて頂き、適切な治療を受けて頂ければと感じております。この回答が少しでもお力になれていれば幸いです!