日別アーカイブ: 2021年4月27日

【歯医者】麻酔が効かない・効きづらい理由

いつも歯医者で麻酔が効きません。

麻酔が効かないまま根幹治療をしたときは死ぬかと思いました。

先生に何度相談しても、痛かったら麻酔足すからねーって言われておしまいです。

唇は痺れるのに、歯の痛みは取れません。仕方ないものなんでしょうか。

コメントありがとうございます!

麻酔の深度が浅いように感じます。

他に麻酔が効かないには理由があります。

以下にその理由をお話します、長文ですが、ご活用いただければ幸いです!

私は患者様には「少しでも痛いと感じたら」「我慢なんて一切しなくていいですよ」と伝えています。

一切我慢はいらないんです。一切、要らないんです。

これには理由があります。

痛みを我慢すると、麻酔が効きづらくなり、それ以上の侵襲度の高い治療ができなくなるからです。

人は痛みを『理性的に』我慢することが可能です。
多少の痛み、相当なる痛みでも我慢できます。

確かに我慢してもらえば治療はできるかもしれませんが、「正確な治療」ができなくなるんです。

ヒトは理性では我慢しても、「本能」では我慢していません。

つまり、「痛い」と感じていると、唾液の流出量が多くなり、患部からの出血も多くなります。
我々歯科医師が見たい、「手術部位、治療部位」が血液や体液、唾液などで見えなくなるんです。

これが「痛かったら我慢しないで言ってください」という最大の理由です。

我慢されてしまうと、「見えないんです」。これは再治療につながります。

逆をいえば、我慢させて治療する歯科医師は、「見えていない」。これは問題です。

また、麻酔を我慢することの一番の問題点が以下のこと。

ヒトは痛みを我慢すればするほど、さらなる痛みを「早期に発見しよう!」と本能は働きます。

つまりさらに麻酔が効かなくなる!ということなんです。

痛みを感じる閾値(いきち)という警報レベルを、我慢すればするほど下げていきます。

下がり切ってしまっては、どんな刺激をも「痛い」と感じてしまうんです。

実際には、ただ触れているだけ、押しているだけなのにも関わらず、患者様の頭では、「痛い」と感じてしまうんです。

これが常態化している方もいらっしゃる、これは大変です。

痛みは我慢してはいけないんです。

でも麻酔、効きづらいことがあります。
それは以下の理由です。

麻酔が効きづらい方には共通するポイントがあります!

① 治療する部位の炎症が強い(ズキズキとした急性炎症)
② 心配性、極度に緊張している
③ 生活習慣に問題あり

【麻酔でなぜ痛みがなくなるのか?】

それは麻酔薬が、痛みの感覚を脳へと伝えるチャンネルをブロックするからです。
チョット、難しいですね(笑) 私もよく分かっていませんが、phをご存知ですね。

pH値(ペーハー)とは、酸性、中性、アルカリ性の度合い表す単位です。 数値の幅はpH0~14まで。pH値の中性は7.0になり、これを基準として高い数値はアルカリ性、低い数値は酸性と言われています。

歯科治療で使用する局所麻酔薬はアルカリ性。
アルカリ性の環境下で効果を発揮します。

健康状態のヒトの血液のpH値は、7.3~7.4と弱アルカリ性です。

しかし、上記のような
・炎症
・ストレス
・食生活の問題

これらにより、体内の体液バランスが崩れると、血液は弱アルカリ性から『酸性』の方向に向かいます。

つまり
・呼吸が乱れるほどの緊張状態→身体が酸性化
・加工食品などの日常的な過剰摂取による体内環境が酸性に傾いた状態→身体が酸性化
・ストレスにより体内環境の変化→身体が酸性化

これらにより、体内環境はアルカリ性から酸性に傾き、局所麻酔が効きづらくなるのです。

一生懸命に物事に取り組まれる真面目な精神性をお持ちの方がは、首が前に傾き前のめり。やや猫背の姿勢になりがちです。
これにより、呼吸は浅く、胸呼吸となるがゆえに、交感神経優位に常時傾き、酸素摂取量が不足。身体の酸性化を招きます。

こんな全身姿勢が麻酔へ影響することもあるでしょう。

少し長くなりましたが、お分かり頂けましたでしょうか?

痛いのを我慢してはいけませんが、麻酔が効かない理由もある。
これを踏まえて、歯科医師ー患者ともに共通のゴールである治癒へ向かって共に努力を重ねたいです。

この回答が少しでもお力になれていれば幸いです!

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル