日別アーカイブ: 2021年4月22日

歯科医師として、働くモチベーション?

私は今年ようやく歯科医師になりました。 まだ仕事に慣れず、帰って疲れて勉強する気になかなかなれません。

もちろん勉強しない歯科医師は患者様を診る権利もないと思っていますし、自分の首をしめるだけなので勉強しなくてはと思っております。

しかし行動に移せない。 先生がまだ歯科医師になりたての頃はどのようにモチベーションを保っていましたでしょうか?

コメントありがとうございます!

私事で恐縮ですが、少しばかりお話させていただきます。
ご参考にならないかと思いますが(笑)

まずは、歯科医師国家試験合格、おめでとうございます!
大変だったことでしょう!狭き門、本当にお疲れ様でした。
おそらく、そのご苦労からか、今は放心状態(笑) さらなる困難なんて受け入れたくないですよね(笑)
そんな時は無理しないことです。
あたえられたことだけは着々とこなしましょう。それが臨床研修医の努めです。大丈夫、無理せず少しずつで十分です!

私なんて、そんなもんではありませんでした(笑)

卒業ととともに大学院へ入学。
その大学院は大学1厳しいとされた大学院。そもそもその厳しさから入学すらする人も少なく、入学しても3人のうち2人は卒業を待たずに辞めるという狭き門(笑)

ただ、その教授は、その当時、補綴学会会長・学術会議の要職につく、世界でも名高い有名な教授。
その先生のご指導を頂けるだけでも有難い!とは思っておりましたが、現実は厳しい(笑)

大学院の4年間、やってたことは計算機を叩くことと、お茶くみ(笑)
臨床はゼロ。ゼロです(笑)

同級生はドンドン臨床経験を豊かにし、高度な話をしているように聞こえてくる。
自分は何もしていない、、、日々統計処理、計算機とお茶くみとボケ~っと上司の動きを待つ日々。
そして休みはほぼゼロ。年末年始もない(笑)

でも絶対に卒業だけは!博士号だけは!取る!
これは、大学院に入れてくれた両親と恩人への想いだけでした。

でもこの大学院時代に、論文の読み方やかみ合わせとは何か?などの基本的な内容は知ることが出来ました。
「門前の小僧習わぬ経を読む」という具合です。

卒業と同時に、総合診療科にポーンと落とされました(笑) 何もできないのにです(笑)

総合診療科の顎関節症や総義歯・局部床義歯などの症例はすべて私のもとに(笑) 
その他、衛生士科の授業や、臨床研修医の指導も私のもとに(笑)

なにもできないのにです(笑)

なので、私にはモチベーションを高める時間はありませんでした。
いつも最大限努力しないと間に合わないので。

でも、今思えば、「全部、断れば良かっただけ」かもしれません。

そうすれば、自分のペースで仕事を覚えることが出来たでしょう。

でも、大学院を卒業した時、同じく卒業した同級生は、僕の4年先にいってました。

これは、辛かった。大学院で差をつけるはずが、4年も差を付けられた。ホントにつらく、悔し泣きすることもありました。
また、大学院で困ったとき、助けてくれる先輩がいませんでした。

私が生意気だったのもあるでしょう(笑)

でも、後輩を助けない歯科医師には成りたくないと、逃げる歯科医師には成りたくないという決意が固まりました。

そんな想いがあって、今があります。

やりたくない時は、やれない時は、甘んじてそれを受け入れればいいんです。
ただし、その決断は、必ず自分に返ってきます。

その時に、そこから逃げずに真正面にぶち当たり、乗り越えましょう!

研修医の先生、後進の歯科医師の先生などにお話する機会を多々頂きます。
その際に必ずお話する言葉あります。

歯科医師は、歯科医ではありません。
歯科医”師”です。

『師』とは人の上に立つものをいいます。

困難の中、希望という旗印を掲げ、強い心で先導する。
それが『師』たる立場の人間の心構えでしょう。

困った人に手を差し伸べて、その困難から救いあげるには『相当なる力』が必要です。
これには、歯科医学的知識・技術・経験だけでなく、人としても上に立つ気概が不可欠です。

歯科医師は、自分よりも人生経験豊富な年配の方にも「先生」と呼ばれます。
「先に生まれた」と書く「先生」つまりは尊敬の念を表してのお言葉です。

その先生という言葉に恥じない知識と技術と経験が必要ではありますが、歯科医師なり立てではそれは不可能です。

せめて、その気概を!その覚悟を!もって臨床に臨んでいただきたい!!

これは『誠意』と『努力』です。
これは、力なくても出来ること。

ぜひ、歯科医師国家試験の疲れが癒されたのちには、この『誠意』と『努力』を少しずつ積み重ねてみませんか?

患者さんが待ってますよ!  ぜひ!がんばって!

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル