日別アーカイブ: 2020年7月4日

歯医者さんで削られないために大切なこと!

しみるからむし歯、削れば治る。
しみているのに、なんで削ってくれないの?削れば治るでしょ?

こんな風にお考えの患者様が大変多くいらっしゃいます。

しみるのは「問題!」であり、それは「むし歯」があるから!
この論理のようです。

健康な方でも歯はしみます。
しみるのは悪いことではないこともあります!

それはなぜか?

上の動画で分かり易く解説しております。
ぜひご覧ください。

同様の内容を下記に供覧させて頂きます。

動画をご覧になれない方は、以下の文章をご一読、ご活用下さい!

いつもチャンネル登録して見て下さっている皆さん、高評価・コメントを頂ける皆さん、本当にありがとうございます!

このチャンネルでは、マイクロスコープを活用して、歯科治療を短い時間で分かり易く解説しています。ぜひご活用下さい!

今回は、みなさんが一度は感じたことのある「しみる」という症状についてお話しさせて頂きます。

この「しみる」というお話をするには理由があります。

歯がしみて痛むから、むし歯ではないか? 削ってかぶせれば治るのでは?

こんな勘違いをされて、当院へご相談頂く患者様が大変多くいらっしゃるからです。

皆さん、「しみる」=むし歯だと思っていませんか?

まずは、今回の動画、結論からいきます!

しみるからといって、むし歯とは限りません!

しみるからといって削ってはいけないのです!

しみる=むし歯=治療すれば治ると思っている方!要注意です。
削っても治りません!

この動画をご覧頂くことで、“しみる”とはどんな病状なのか?

またそれだけはなく、この“しみる”という症状を、ご担当頂く歯科医師に、どのように伝えれば良いのか?

現在の症状から、原因は何か?適切な治療法は何か?そのチェック法についてまでわかり易く解説していきます。

ぜひ、最後まで御覧下さい。

それでは早速いきましょう!

歯が「しみる」という状況は次の5つのシチュエーションではないでしょうか。

「甘いものを食べた時に“しみる”」
「冷たいものを飲んだ時、“しみる”」    
「歯ごたえのあるもの、硬いものを噛むと“しみる”」
「神経抜いた歯が、温かいもので“しみる”」  
「神経のある歯が温かいもので“しみて”、ズキズキ、ジーンと痛みが続く」     

実はこの5つ、すべて原因が異なります。

つまり、それに対する適切な治療法も異なるということです!

まずはしみるという言葉について考えてみましょう。

その言葉の意味合いには2種類あります。

ひとつは、「染みる、あるいは染み入る」痛みでしょう。

じわーっとした、ジーンとした痛みの表現として使われます。

もうひとつは、「凍みる」痛みでしょう。

漢字の通り、冷たいものがキーンと響くように痛むことです。

では、患者様この2つの言葉をどのようにして使いわけて、ご自身の症状を表現されているのでしょうか?

冒頭でお話しした“しみる”5つのシチュエーションをひとつひとつ解説していきましょう!

「甘いものを食べた時に“しみる”」 

これは、表面のエナメル質が溶けてなくなり、「甘いものが象牙質に染みる痛み」です。

原因は“初期のむし歯”です。むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。

細菌が歯に感染し、歯を溶かしながら、歯の内部へと進行するのがむし歯です。

その細菌が溶かした部分を削り取り、細菌感染を取り除くのがむし歯治療です。

歯は3層構造で、外側からエナメル質、象牙質、神経となっています。

エナメル質に限局したむし歯であれば痛みはありませんが、象牙質にまで進行すると、冷たいものや甘いものなどの「刺激物」に痛みを感じるようになります。

このような、初期のむし歯には緊急性はありませんが、放置してはいけません。

早々に治療した方が、削り取る量が少なくて済みます。

近隣の歯科医院で調べてもらいましょう。

歯の神経まであと1.5mmほどにまでむし歯が進行している場合、当院では歯の神経を残す治療を行っています。

具体的には、ラバーダムを装着してマイクロスコープでむし歯を徹底的に取り除きます。

このチャンネルの再生リスト「歯の神経を残す治療」で多くの症例を供覧させて頂いております。
ぜひ動画をご覧下さい!

「冷たいものを飲んだ時、“しみる”」

これも「甘いものを食べた時に“しみる”」 と同様に、“初期むし歯”が疑われますが、むし歯ではないこともあるので要注意です!

では原因はなんでしょうか?

原因は“かみしめ”です。

「よく噛んで、かみしめて食べなさい!」
「くいしばって頑張りましょう!」
「硬いものを噛むと歯並びが良くなります!」

以前にはこんな迷信もありましたが、現在ではおススメできません。

「よく噛んで、かみしめて食べなさい」というよりは、

「骨盤の立った状態で椅子に座り、しっかりと足を付け、肩の力を抜いて前を向き、美味しく楽しく食事をする」これが大切です、歯並びが良くなります。

この座り方を学べるイスがあります。これから歯並びを育成するお子さんにはおススメです。

当院では診療に、スタッフが皆使用しています。

骨盤を立てて座り、足を地にしっかりつけて座ることで、上半身の力が抜けて呼吸が整う素晴らしい椅子です。

ご興味のある方は、概要欄に添付いたしますのでご活用下さい。

「くいしばってガンバレ!」もおススメできません。

「くいしばらなくてはならいような状況は避けましょう!」

ストレスからは逃げましょう。

ストレスの代償に歯を壊してはいけません。

硬いものを噛んでも歯並びは良くなりません。

歯並びは、呼吸と姿勢です。

立姿勢・坐り姿勢・睡眠姿勢。これで決まります。

いずれにしてもかみしめは悪です!

噛み合わせについてはリンクを添付します。ご興味のある方は概要欄をご参照下さい。

このかみしめで、歯の表面のエナメル質、とくに歯と歯茎の境目のエナメル質が知らぬ間に欠けてしまい、しみるようになります。これが冷たいものがしみる原因です!

歯がしみる時、むし歯も疑われますが、歯を削ってしまう前に、このような、かみしめが癖になっていないか?このような症例では削っても治りません、いま一度ご確認下さい!

「歯ごたえのあるもの、硬いものを噛むと“しみる”」

これは、噛んだ時に染み入るようにジーンと痛むことを意味しています。

この原因は“歯ぎしりやかみしめ”です。

歯が打撲し炎症を起こしている状態です。

こういった症例は、実直に真摯に物事に取り組まれる精神性をお持ちの方が多いようです。

真面目な方、要注意です。

どんな困難でも逃げることなく“かみしめて”物事に取り組まれることから、いつも緊張状態であり、お口を大きく開けづらいのが特徴です。

皆さんはお口、開けられますか?

正常であれば開口量は3.5cm~4cm程でしょう。

3横指から4横指入ります、やってみましょう!

また、通常であれば、ヒトは、「嚥下と咀嚼」の時にしか、上下の歯は接触しません。

24時間中、7分から15分といわれています。

これ以上の時間の上下の歯の接触は異常なんです。

四六時中、上下の歯が接触していると、歯は悲鳴をあげます。

歯の打撲状態といえるでしょう。

かみしめの原因は、そのほとんどが、ストレスであるといわれています。

ストレスは精神的ストレスはじまり、肉体的ストレス、つまり疲労です。

気温の変化、気圧の変化でもヒトはストレスを感じます。

具体的には、季節の変わり目、5度以上一気に変わった時は要注意です。

台風、雨では気圧が大きく変わります。

こんな時は、グッと噛みしめて、その外的環境ストレスを乗り越えようとするのがヒトという動物です。

皆さんいかがでしょうか?

打撲した状態で硬いものを食べれば、歯はさすがに痛みます。

痛みを感じたきっかけは硬いものですが、それ以前にかみしめをしていることで歯が打撲状態になっているのです。原因は硬いものではなく、かみしめです。

「歯ごたえのあるもの、硬いものを噛むと“しみる”」と感じる方は、むし歯ではないかもしれません。

ご担当頂く歯科医師の先生に、この状況をよくご説明してください!我々歯科医師も、勘違いしてしまうこともあります。歯を削る前に、今一度ご確認下さい!  

「神経抜いた歯が、温かいもので“しみる”」

こんな訴えを歯医者さんにしたにも関わらず、

「歯の神経を取ったので、歯は染みません」
「神経はもうないので、しみるわけがありません」

こんな風に言われたことありませんか?

確かに、根管治療した後の歯には知覚がありません。

しかし、その根管治療が不十分だと、歯の内部に細菌感染が残っているため、疼くことがよくあります。 

とくに身体が温まると疼くのです。

温かいものが染み入るように疼く、痛いと感じている、皆さん!

皆さんの症状は正しいんです!

身体が疲れ、免疫が下がった時に特に疼きます。

その症状は、「染み入るようなジーンとした痛み、違和感、鈍痛」です。

この状況を患者様は「温かいものがしみる」と表現されるのです。

温かいもの食することで、体温が高まり、血流が増す。

それをきっかけに“染み入るようにジーンと痛む”のです。

こういった症状は、夜寝る前、静かな状況で、副交感神経が高まった時に感じます。

原因は根管治療の不十分の可能性があります。再根管治療が必要となるでしょう!

「神経のある歯が、温かいもので“しみて”、ズキズキ、ジーンと痛みが続く」

これは神経に近い深いむし歯で見られる典型的な症状です。

歯の神経に至る深いむし歯で、歯の神経が強く炎症を起こしている状態です。

我々歯科医師は、これを「不可逆性歯髄炎」と呼んでいます。

この炎症は、むし歯を徹底的に取り除くと共に、炎症・壊死した神経組織を取り除く「根管治療」が必要です。

根管治療は徹底的に行うべきでしょう。この「徹底的とは何か?」

これには2つのポイントがあります。

マイクロスコープとラバーダムです。

この大切さにつきましては、このチャンネルで重ね重ね、念仏のように唱えております。

もし、まだご覧になっていない方は、ぜひ動画をすべてご覧下さい!

「しみる」という症状には2種類があり、そのシチュエーションによって、原因が異なることまで分かりました。

では「しみる」時、どうすればいいのでしょうか?

「しみる」時、具体的にはどのように歯医者さんに伝えればいいのでしょうか?

適切な治療法は何でしょうか?

これについて解説していきます!

皆さんは、しみたとき、ご担当頂く歯科医師の先生に、「しみる」という症状を時系列に、その頻度と強度、どんな時に?どのようにしみるのか?を具体的に伝えて下さい。

まずは、いつしみるのか?

かんだ時、食事をした時、食事の後に、水を飲んだ時、お湯を飲んだ時、朝、昼、晩などです。

そして、いつからしみるのか?

1カ月前から、もっと前から、昨日からなのか?

どのくらいしみるのか?

一瞬、その時だけなのか?しみてからジーンと痛むのか?5分以上しばらく痛むのか?

その痛みは増しているのか?変わらないのか?良くなってきているのか?

こんな状況を詳しく伝えて頂けると、診査診断する歯科医師としてはとても助かるものです。

この「しみる」などの症状から、現在の病状、それに必要な適切な治療法をチェックする表があります。
概要欄、コメント欄に添付します。ぜひご活用下さい。

同じしみるという病状でも、感じている痛みは人それぞれです。

その病状をどう感じるか?は全く違うようです。

歯科医院にご相談頂いた際は、遠慮することなくしっかりとその病状を伝えましょう!

伝えて頂けると、我々歯科医師は大変助かります!

最後にまとめます。

「しみる」という症状は、冷たいものなどの刺激物が凍みる痛みと、炎症による染み入る痛みがある。

同じ「しみる」という痛みでも、その原因は様々でした。つまり治療法も異なります。

その判別には、しみる痛みを感じたときのシチュエーションを詳しく歯科医師に伝える必要があることを知って頂けました。

しみるからといって削れば治るは間違いであることが分かって頂けたでしょうか!

歯は削ってはいけません。

当院ではお話を伺うだけで治ることもよくあります。

歯医者さんに来ない方がいいんです(笑)

来るなら予防でいきましょう。

でもむし歯が出来たら徹底的に削りましょう。

その時は、ラバーダムとマイクロスコープ!おすすめです!

いかがだったでしょうか。

この動画が少しでも皆さんのお役に立てていれば嬉しいです。

ご質問などございます時は、コメント欄にぜひコメント下さい!

このチャンネルでは、患者様には分かりづらい歯科治療について、マイクロスコープを活用して、できるだけ分かり易くして配信しております。

もしまだチャンネル登録していない方がいらっしゃれば、ぜひチャンネル登録よろしくお願いします。

今回も最後までご覧頂きましてありがとうございました!

いつも見て下っている皆さん、チャンネル登録して下さっている皆さん、本当にありがとうございます!

それではまた次回の動画でお逢いしましょう!

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