日別アーカイブ: 2020年7月9日

ラバーダム使っていない 大丈夫ですか?《根幹根管治療》

私が行ってる歯医者はラバーダム何一つ使ってないんですけど大丈夫なんですか??

コメントありがとうございます!

回答させて頂きます。よろしくお願いします!
頂きましたご質問『ラバーダム何一つ使ってないんですけど大丈夫?』について回答させて頂く前に、ご説明をさせて頂きたいと思っております。
結論は以下の通りです。 「大丈夫でしょう!」 ただし、以下の文章を必ずご一読下さい!よろしくお願い致します!
現在の日本の歯科医療では、大きく分けて2つの根管治療の方法があるかと思います。
①国が決めた保険医療制度に準じた根管治療
②日進月歩で進化する最新の歯科医療を取り入れた根管治療
この2分された歯科医療の現状で、患者様のために「自信のできうる限りの治療」で貢献しようと試行錯誤しているのが日本全国の歯科医院、歯科医師ではないかと思っております。
この結論をご理解頂くためには、以下の簡単な基礎知識を必要となります。
まずは歯科医師なら誰でもが知る、科学的根拠に基づく明白な事実からお話しさせて頂きます。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。
これは1965年、kakehashi先生の研究により明らかにされています。
以下のリンクに簡単にご説明しております、ぜひご参考下さい!
むし歯治療、根管治療は、その細菌を削り取る治療です。
取り残しては治りません、再発します。
そのため、深いむし歯治療や根管治療では、治療中に、治療している歯に唾液が接触することは、治癒を阻害するばかりでなく再感染の機会を与えかねません。
でも、ラバーダムをしなくても治る?患者様も多数いらっしゃるのも事実です。
それはなぜか?
それは、以下の2つが考えられるでしょう。
・ヒトの免疫機能により残った感染を抑え込んでいる
・症状はないが徐々に進行し、いずれは再発する
このような「ヒトの免疫に期待しない、徹底した根管治療法」として以下の②があります。
『①国が決めた保険医療制度に準じた根管治療と②日進月歩で進化する最新の歯科医療を取り入れた根管治療』について
ここでいう①と②を具体的にいうと以下のようになります。
①は、
・肉眼による治療、あるいは拡大鏡ルーペ5倍以下使用による治療
・マイクロスコープ、ラバーダムを使用しない
・保険で定められた術式、薬剤のみ使用
②は、
・マイクロスコープの使用
・ラバーダムの使用
・保険に限らず最新の機器、機材、薬剤を使用
①と②の違いにより、その治療術式は変わってきます。
 
①では、ラバーダムがないため、治療中に唾液感染しないように、可能な限り手際よく、治療時間を短くする必要があります。
そのため、根管治療に使用する薬剤にはたんぱく凝固作用のある「ホルムアルデヒド製剤」を使用し、その薬剤を一定期間入れることで、根管内の細菌感染を駆逐します。
短い診療時間で長期間、多数回にわたり薬剤を交換するのはこのためです。
根管内の感染が、免疫機能で押さえられる程度にまでになると、症状は改善します。
痛みや違和感などの症状をもって、治療の進行を決定します。
限られた治療機材、薬剤の中、なんとか患者様のために安価で確実性のある治療を提供しようというのが「保険治療における根管治療」です。
そこには類まれなる手際の良さと勘、経験が必要となります。
②については当院の動画をご参照下さい。詳しく解説しております。
治療中の感染をラバーダムで予防しつつ、歯の内部の感染をマイクロスコープで取り除きます。
1回あたりの治療時間は1時間程頂き、徹底的に取り除きます。
当院では1~3回で治療は終了します。
“適切な治療コンセプト”に基づき、ラバーダムとマイクロスコープを活用することで、上記のような手際の良さ、多くの症例の基づく勘などは必要なくなります。
ラバーダムで徹底した感染管理ができていること、マイクロスコープでむし歯の有無を判定することが簡単なことがその理由です。
ここで、頂きましたご質問『ラバーダム何一つ使ってないんですけど大丈夫?』について回答させて頂きます。
以下の点に留意した上で根管治療を行っていれば、おそらく大丈夫でしょう。
・治療中の唾液感染に留意していること
・多くの症例を手掛けた手際のより術式の豊富な経験
・受ける患者様の優れた免疫機能
この3点を満たすことで、症状は改善し、大きな問題は起こさないかと推察致します。
この回答が少しでもご期待にそれる回答となっていれば嬉しいです。
今後ともよろしくお願い致します!
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