日別アーカイブ: 2020年7月6日

根幹治療 半年 違和感 被せもの

当院のYoutubeチャンネルに頂いたご質問を供覧させて頂きます。

根管治療後の治療方法についてです。かみあわせについても解説しております。ぜひご参考下さい!

先生、動画とは異なる内容ですが質問させてください。

現在、別の歯科医で虫歯で根幹治療を半年くらいしております。

先日、被せ物をして慣らす段階になりましたが、違和感がストレスになり、自分で取ってしまいました。

通っているお医者さんに、根幹治療中みたいに最低限の詰め物なら違和感を感じないため、被せ物はない方向で最終的な形にできないでしょうか?と相談したら、かなりきつい感じで怒られました。

本来あるべき姿に近い方が、隣接する他の歯も虫歯になりにくいと説明され一定の理解はしたものの、違和感が耐えられません。

ある程度小さめに2回目の被せ物にしてもらいましたが、やっぱり違和感でストレスがすごいです。

歯医者さん的には、被せ物をせずに、最低限の詰め物だけで済ませることはNGなんでしょうか。何卒アドバイスいただけませんでしょうか。

コメントありがとうございます!

回答させて頂きます。

実際に拝見していないため、適切な回答とならない場合もございます。

あらかじめご理解頂いた上でご参考程度にお読み頂ければ幸いです。

上下左右などの治療部位、また「どのような違和感」なのか?

たとえば、しゃべると舌が当たる、噛むと違和感、食事がしづらいなどなどなど、どんな時にどのような違和感があるのかが分からないため、上記文章より推測し、回答させて頂きます。

おそらくではありますが、「被せ物をせずに、最低限の詰め物だけで済ませる」ことが問題ないことから、下の左右どちらかの一番奥の歯ではないか?と推察致します。

「見た目に影響を与える前歯」ではないことを前提にお話しを進めてまいります。

まずは結論からまいりましょう。

根管治療が適切に為された後、その後に“大きな”問題が生じないのであれば、

「被せ物をせずに、最低限の詰め物だけで済ませる」という治療内容でも良いのではないか?と”私“は考えております。

ここで読むのをやめずに、必ず以下の文章をお読みください。

読んで頂いた上で、「被せものをせずに済ませるか否か?」のご決断をご自身でして頂く必要があります。必ず最後までお読みください。とても大切なことをこれから解説していきます。

 

①根管治療後は、その治療部位をしっかりと密閉する。

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。

歯の内部に感染した細菌を取り除くのがむし歯治療です。

根管治療後は、再度感染させないように、ピッタリと合った土台を差し込み、ピッタリと合った人工歯をかぶせることが必要です。これは「再感染させいないための必要な処置」です。

これにつきましては以下のリンクをご参照下さい。ご理解が深まるかと思います。

根管治療後どうやって治す どうかぶせる 

https://miyazaki-dentalclinic.com/26130

感染させないためには、「最低限の詰め物」では問題が生じます。

・土台まで差し込んで置くのか?
・土台を差し込まずに蓋だけしておくのか?

違和感によって、上記2つのどれにするのか?を決めましょう。

「土台を差し込まない」ならば、「蓋」はコンポジットレジンなどの材質を使用して、出来る限り感染させないようにする材質、強度のある材質で蓋をして下さい。とても大切です。

このポイントを押さえておけば、被せものをせずに済ませても、治療した歯に再治療の問題が生じることはないでしょう。

 

②そもそも違和感の原因はなにか?

これについて考えずに「被せものをせずに済ませる」ことは、問題あり!と推察致します。

違和感の原因としては以下の2つでしょう。

1)根管治療が不十分

2)歯の大きさ、形の問題

1)は歯の内部に感染が残っていると、歯は疼きます。なにもせずとも違和感を感じることもあるでしょう。これには再根管治療が必要となります。

2)上記の1)ではない場合、2)を考える必要があります。

歯並びが混んでいる(歯並びが悪い)方、かみしめや食いしばりがある方は、奥歯が横方向・前方向に倒れているため、根管治療後に歯をかぶせようとすると、人工歯(被せもの)のスペースが不足しがちです。

そのため、被せものを装着すると、その歯ばかりが当たってしまったり、その大きさが気になり(舌や頬があたる)、邪魔に感じてしまうようです。

このような噛み合わせの方は、仮歯を装着して一度経過を見て頂きます。

しかし、そもそもかみしめが強すぎて、歯がすり減ったり、歯が本来生える所まで生えていないため、歯が短くなってしまっている方もいらっしゃいます。

そのような患者様の場合は、①のような対応を余儀なくされることもあります。

当院でもそのような症例、ございます。

かみしめについては以下のリンクをご参照下さい。

https://miyazaki-dentalclinic.com/10143

噛み合わせをぜひチェックしてみて下さい!

https://miyazaki-dentalclinic.com/11517

 

③「大きな問題がなければ~?」

「本来あるべき姿に近い方が、隣接する他の歯も虫歯になりにくいと説明」

確かにその通りでしょう。

但し、前提条件として、その患者様の噛み合わせにそもそも問題があれば、いわゆる正常な噛み合わせではない?のであれば、それに対応した治療法が必要です。

「正論は、時には相手を傷つけます」

今回はそのような状況なのかもしれません。

上記に書いた「大きな問題」とは以下のことが推察されます。

・(前歯の場合)見た目の問題、それにより生ずる人間関係への悪影響

・歯をかぶせないことにより生ずる、残っている歯への負担

・歯並びへの影響

まずは、そもそも、なぜ違和感があるのか?その点について、十分な理解があってから、「そのままにするのか否か?」「適切な処置は何か?」をご担当頂いている先生とご相談頂ければ幸いです。

回答は以上となります。

この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。

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