日別アーカイブ: 2020年7月16日

湾曲根管 根尖でのファイル(器具)が折れることについて

患者様のために一生懸命に根管治療に臨む歯科医師であればあるほど、ファイル(器具)の破折は起こってしまうものでしょう。

ファイルの破折は好ましい状況、喜ばれる状況ではありません。

当院では、これは、決して失敗ではなく、適切に対処すべき「治療経過」と考えています。

問題は「ファイル(器具)の破折」ではありません。

問題は「細菌感染が取り除けていないこと」です。

そのため、ファイル(器具)破折を認めた場合、まずは「除去すべきか?しなくても良いか?」を考えます。

根管治療は「歯の内部に感染した細菌を駆除する治療」です。

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です ラバーダムが必要です

・根管内の細菌が除去されている

・根管内に細菌が残っていたとしても、その感染が外部にでないように根管充填されている(根管内に細菌が埋葬されている)

・ファイルが感染していない

この3点に該当していれば、たとえファイル(器具)が根管内で折れたとしても、取り除く必要はありません。

ファイルも適切に滅菌されたものや、新品を使用していれば、「根管充填材」として機能することもあるのです。

 

湾曲根管でファイルが破折するシチュエーションは次の通りかと思います。

1.自分が器具を折ってしまった場合

①根管治療中、感染を取り除く前に折ってしまう

1)術前に根尖病変があり、その根管治療中に湾曲根管の根尖で折れた場合はファイルを取り除く必要性が生じます。

そのため、そのような危険性のある症例では、術前にCTを撮影し、十分な準備とご説明のもとに治療に臨む必要があるでしょう。

このような症例で折れてしまった場合、折れているファイルが見えるようであれば取り除くことは可能です。

しかし、湾曲した先で折れており、マイクロスコープでも見えない場合は取り除くことは私には困難です。歯根端切除術の適応症となります。

歯根端切除術はなぜ必要か?

https://miyazaki-dentalclinic.com/20052

2)術前に根尖病変がなく、たとえば形成時の露髄からの根管治療の際にファイルが破折した場合。

→このような症例では根尖まで感染が拡がっていることは考え難いものです。

ファイル破折した部位より手前までを十分に拡大洗浄し経過を観察します。

大概が問題なく治癒するものです。

ただしマイクロスコープで見えるならば、歯根を壊さない前提で取り除いた方がいいでしょう。

上記2)には前提条件があります。以下の2点が必要不可欠です。

・ラバーダムをしていること

・折れたファイルは新品であること

 

②根管治療後、根管内がキレイになってから根管充填前に折ってしまった場合。

→これはファイル自体が感染源ではなければ取り除く必要はないでしょう

取り除こうとすることで歯根を壊しては意味がありません。

2.他院で器具を折ってしまった症例を診る場合

①症状も徴候もなく(痛みがなく、根尖病変も認められない)、他院にて適切な根管治療後に根管充填前に折れているのであれば、(つまり上記1.の②)取り除く必要はないでしょう。

②症状・徴候がある場合(痛みがあったり、根尖病変がある場合)

1)ファイルが原因の場合
2)ファイルが折れた先が根管治療不十分で原因の場合

3)ファイルの破折が原因ではなく、他に原因がある場合

これらを適切に見極めて根管治療に臨む必要があるでしょう。

1)2)共にファイルを取り除く必要があるでしょう。

3)は不適切部分を適切に根管治療すれば良いでしょう。

適切な根管治療とは?

ファイル破折の残存は、治療の過程であり、原因ではありません。

原因は「細菌の感染が残存していること」「それを取らないこと」です。

 

 

 

 

根管治療後クラウン、フロスで歯が欠けた?

当院のyoutubeチャンネルに頂いたご質問に回答させて頂きました。

ご活用下さい!

いつも動画拝見させていただいております。

1つお聞きしたいことがあるので、もしよろしければお答え頂けたらと思います。

3ヶ月ほど前に左上の奥から2番目を根幹治療していただき、銀歯のクラウンを被せました。

治療直後から、1番奥との間にフロスが入らなかったので、ずっとしていなかったのですが、今日間違えてそこに糸が引っかかってしまい、無理して通そうと歯茎近くまでやったところ、歯の直径くらいある薄いものが落ちました。

これは、1番奥の歯の側面が欠けたと考えればいいのでしょうか。

それとも、クラウン設置の際に1番奥との間に接着剤なんかを塗っており、それが取れたのでしょうか。

これが歯の欠けだった場合、どのような処置になるのかも併せて教えていただけると幸いです。

いつもご視聴頂きまして誠にありがとうございます。

回答させて頂きます。

実際に拝見していないため、適切な回答とならない場合もございます。

予めご了承くださいね!

結論からまいります。

ご推察の通り、接着剤の可能性がとても高いでしょう!

クラウンを装着されているのであれば、歯が欠けることは少ないかと思います。

フロスで薄いものがとれた、、、接着剤が一番可能性として高いかと思います。

もし、クラウンではなく、アンレーなどの一部歯を残して被せている処置だったとして、歯が欠けたのであれば、舌で触ると段差を感じます。その際は、再治療をした方がよいでしょう。

回答は以上となります。

ぜひご担当頂いた先生にご相談してみて下さい!問題ないかと思います!

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル

 

 

ウォーキングブリーチ法(費用)について《根管治療後、歯を白くする方法》

ご相談内容

神経のない前歯2本が変色しており、ウォーキングブリーチができないかと考えております。

費用の目安をご教示いただくことは可能でしょうか。

よろしくお願いいたします。

返信が遅くなってしまって申し訳ございません。

はじめまして。宮崎歯科医院 宮崎と申します。

どうぞよろしくお願い致します。

メールを頂きまして誠にありがとうございます。

回答させて頂きます。よろしくお願い致します。

実際に拝見させて頂いていないため、適切な回答とならない場合もございます。

あらかじめご理解頂いた上でお読みくださいます様お願い致します。

まずは結論から申し上げます。

症例にもよりますが、当院ではウォーキングブリーチ法を施術しないようにしております。

根拠は以下のリンクに添付させて頂いております、ぜひご参照下さい。

https://miyazaki-dentalclinic.com/19505

根拠は、上記リンクの下段「失活歯(歯の神経を取った後の歯)は150日後、歯の内部深くへ感染することが明らかとなりました。」の部分です。

当院では適切な根管治療を目指し日々精進させて頂いております。

具体的にはラバーダムとマイクロスコープを使用した根管治療です。詳細につきましては以下のリンクをご参照下さい。

https://miyazaki-dentalclinic.com/14599

その治療が上手くいく、永く問題なく使用できるポイントとして3つあります。

①むし歯を徹底的に取り除くこと(ラバーダムとマイクロスコープの使用)

②治療後感染させないようにピッタリとした人工歯をかぶせること

③かみあわせに留意すること

ウォーキングブリーチ法は簡便に歯を白くする可能性を秘めた治療法ではございますが、以下の2点において難点があるように感じております。

1)根管治療後の穴の封鎖が十分ではないこと

2)度重なるブリーチにより、歯が脆くなる可能性が高いこと

1)が上記リンクを疑う理由です。

せっかくお問い合わせをいただいたのにご期待に沿える回答が出来ず大変申し訳ございません。

根管治療後の具合はいかがでしょうか?

何かございます時はいつでもご相談ください。

この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。

よろしくお願い致します。宮崎

※初診の患者様へ(当院の初診の流れについて)

必ずご一読ください。

https://miyazaki-dentalclinic.com/22254

 

《当院からのお願い》

多くの患者様より切なるご相談を頂いております。

できる限り多くの患者様にお応えできます様、お1人様につき1通のメール回答とさせて頂いております。さらなるご質問メールに関しましては、拝見していない立場で無責任な回答となりかねないため、当院として遠慮させて頂いております。(ご返信いただいた際も更なる当院からの返信は遠慮させて頂いております。あらかじめご理解いただけますようお願致します。お礼のメールを拝受させて頂くことも大変多くございます。こちらにつきましてもご返信は致しませんが、ありがたく拝受・拝読しております。)もし、当院がお近くの患者様であれば、さらなるご質問につきましては当院までお越し頂き、拝見させて頂いた上でお答えさせて頂きたいと思っております。ご理解ご協力頂けますようお願い申し上げます。

宮﨑歯科医院 Youtubeチャンネル