日別アーカイブ: 2019年5月1日

樋状根 MTA 根管充填 歯を抜かない (都内港区内幸町新橋虎ノ門日比谷霞ヶ関歯科歯医者)


上動画は、下顎第2大臼歯の変形根管「樋状根」のMTAによる根管充填とファイバーコアの型どりについてです。

本症例の1回目 再根管治療の様子については右リンクをクリックご参照ください。

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。本症例は下顎の最後方の奥歯。ただ治療すると、治療中に歯の内部に唾液が混入してしまいます。従来の、または大半の歯科医院では、なにも対策を取らずに根管治療をしているかと思います。

当院では、当院で行う根管治療すべての症例でラバーダムを装着して根管治療に臨みます。

樋状根は、3つの根管が癒合した変形根管です。上画像は治療中のマイクロスコープ動画画像の切り取りです。

当院では上動画のように、治療前・治療中・治療後の様子をマイクロスコープで動画で記録し、治療後の患者様へのご説明や本ブログ、また後進の歯科医師の先生方への指導に使わせていただいております。

3つの根管のうち、1つの根管の先端は壊れており、また、その側面には穴(穿孔、パーフォレーション)が認められました。レントゲン画像での炎症所見の原因は、適切な根管治療が為されていないことに加え、この穿孔が原因と推察されます。

このような状態は、ステンレススチール製のファイルが適切に使用されないと、強度の湾曲した本症例のような根管では、その側面に人工的な穴が開いてしまいます。ラバーダムを装着せずにこのような施術をが行われると、その部位が感染し、本症例のような結果となってしまいます。

このような症例では、ガッタパーチャとBCシーラー(MTA系)を用いた通常の根管充填と合わせて、穿孔部を封鎖しつつ、菲薄化(薄くなってしまった歯)した歯質の強度を補い、なおかつ壊れた歯根尖の封鎖を行えるMTA材料を用いることでその歯の寿命を永くすることできるようになります。これにはラバーダム+マイクロスコープは不可欠といえるでしょう。