当医院ではマイクロスコープを2機常設し、すべての診療で使用します。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。
神経を残す治療や根管治療など、むし歯治療を成功に導くには2つのポイントがあります。
① むし歯を徹底的に取り除くこと
② 取り除い後は、ミクロン単位で精密に適合するクラウンやインレーを装着し、再感染を予防すること
この2点が不可欠です。
このためには、精密なる歯科治療が必要であり、マイクロスコープはその治療に不可欠なものとなるのです。
むし歯は唾液中に存在する「むし歯菌」の感染症です。むし歯の治療では、感染して溶かされた歯を削り、感染を除去することが治療の目的です。
歯は3層構造。
象牙質表層のむし歯ならば問題ありませんが、深く進行したむし歯をただ削ると、治療中に唾液が歯の内部に混入します。
それにより、歯の内部へ細菌が感染し、治癒阻害するばかりでなく、再感染の可能性を高くします。
1965年のDr.Kakehashiの論文では、根管治療の成否の最初の分岐点は、無菌的処置を徹底できるか否かと書かれています。これは、根管治療にラバーダム防湿が必須であることを明らかにした論文です。他の文献では、「 ラバーダム防湿ができないなら根管治療は禁忌である」と記載されています。
ラバーダムは、例えるならば、開腹手術を「手術室」で行うことに似ています。
ラバーダムをしてから根管治療をするのは、手術室で開腹手術をすること。
ラバーダムをしないで根管治療をするのは、不衛生は部屋で開腹手術をすること。
あなたはどちらを選択しますか?
上動画は、上顎第2小臼歯の深いむし歯に「間接覆髄法」を用いて神経を残した際の治療の様子です。
治療中に患部に唾液が混入すること、触れることは、患部に再感染の機会を与えかねないため、当院ではラバーダムを装着し、神経を残す治療に臨んでいます。
「神経を残す治療」「根管治療」に限らず、むし歯治療の目的はひとつ。”感染した細菌を徹底的に取り除くこと”です。
そのためには、ラバーダム、マイクロスコープが必要不可欠となります。
また、感染を取りきった後、再度感染させないような「補綴(クラウンやインレーなどのかぶせもの)」が必要となります。
これには、補綴の精度が必要不可欠です。ピッタリと入っていて隙間のないクラウンやインレーです。
むし歯のため、やむなく歯を削らざる得ないのであれば、徹底してやり直しのないようにしたいものです。歯は削ったら再生しません。そのため、人工物(つめものかぶせもの=補綴物といいます)で補う必要があります。「究極の偽物をつくる」これが最終目標です。そのためにはμm(マイクロ)単位で精度にこだわり、機能できる補綴物の製作が必須となります。
マイクロスコープ3.2倍の拡大率でこの見え方です。肉眼ではもっと小さく見えています。LEDライトによる明るい視野で拡大率を上げて歯を観察することで、精密な形成(削る)が可能です。精密に形作られた歯を、シリコーンで型どりすれば、マイクロ単位でフィットしたかぶせものを製作することができます。精密に製作されたかぶせものは、むし歯・歯周病の再発を予防します。
根管治療後は、ファイバーコア製の土台を装着し、10年~15年後に起こりうる歯根破折を予防します。その後は仮歯を調整・装着します。仮歯により、咀嚼・嚥下・かみしめなどの「機能」に耐えうるかどうかを判定します。
かぶせものは精度が命です。また、機能しうる「かみあわせ」に対する配慮も不可欠でしょう。当院では、徹底的にこだわり日々の臨床に取り組んでいます。