2日前より突然、上の前歯が痛くなり他院を受診された患者様。痛みはズキズキと心臓の鼓動に一致するような痛みでした。早々に、歯医者さんへ行くと、「神経の治療(根管治療)が必要です」とすすめられたものの、説明不足が気になり、その医院では治療せずに当院をインターネットで調べて当院を受診されました。
・なんで痛むのか?
・自分の歯はどうなっているのか?
・根管治療とはどんな治療なのか?
・治療後はどうなるのか?
こんな不安を胸に当院を受診されました。
上動画は、当院で行った根管治療の様子です。
上画像は術前のデジタルレントゲン所見です。
患者さまは以前(2年前)にコンポジットレジンを充填された記憶がありました。
レントゲンよく見ると、充填したコンポジットレジンの更に下にセメントを詰めた跡が認められます。ここでいうセメントとは、「覆髄材」のことをいいます。
覆髄材とは、「深いむし歯治療の際、神経を保護する目的で、その周囲に詰める薬剤」をいいます。レントゲン所見より、以前の相当深いむし歯治療をしていることが推察されます。
また、患者様は来院時に「鎮痛剤」を服用されていました。触るとやや違和感があり、鎮痛剤を飲まずにはいられない状態でした。
当院では可能な限り「神経を残す治療」を行うよう心掛けています。
しかし、むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。感染が内部深くに侵攻していると、歯の神経は感染により壊死(死んでしまうこと)しており、神経を残すどころか、なくなっていることもあります。
上病歴およびレントゲン所見、現在の症状から推察すると、本症例の患者様の歯の神経は死んでしまっている(=歯髄壊死)ことが推断されます。
患者様には、以下の事を説明させていただきます。
〇 レントゲン画像の説明
〇 基本的な歯の形(3層構造)
〇 むし歯とは唾液中に存在する細菌の感染症であること
〇 撮影したCT画像について
その上で、歯の神経が死んでいる可能性が高く、根管治療が必要であることをご理解頂いた上で治療に臨みます。
唾液中に存在する細菌の感染症であることから、ラバーダムとマイクロスコープが根管治療には必要不可欠であることをご理解いただきます。ご理解ご了承頂けない場合は、当院での治療は困難であることもご説明いたします。
治療の際、もし神経が生存していれば、神経を残しますが、マイクロスコープで歯髄壊死が確認された際は、根管治療に移行することに同意頂いた上で治療に臨みました。
本症例の根管治療の手順、詳細は上動画をご覧ください。
当院は無痛麻酔、無痛治療です。痛みは全くありません、安心して治療を受けて頂けます。
〇 数分の治療で治療が痛い
〇 何度も何度も通院する
〇 治療期間は数カ月
〇 麻酔しない
〇 神経を殺す薬を使う
こんな根管治療をご経験されている患者様が実に多い。
当院では根管治療の際、必ず無痛麻酔を行い、無痛状態で治療を行います。
根管治療は1~3回で終了します。
根管治療は、歯の神経を取る・殺す?治療ではなく、歯の内部の細菌の感染を取り除く治療です。細菌の感染を洗浄消毒し無菌化すれば治ります。それは1~3回の治療で十分です。そのためにはマイクロスコープとラバーダムが必要不可欠となるのです。