初めまして。現在、自費の根管治療中です。保険内の根管治療であまりに痛く、 自費診療を受診。感染してしまっており、再根管治療になりました。 2回の予定で、1回目が終わり、今1週間。中は綺麗にしたとの事でしたが、時々違和感があり、 ズキズキではないですが、重い感じが続いています。高額な支払いなので、良くなるのか不安でいます。症例にもよると思いますが、、自覚症状が残る場合は、まだ感染が残っている可能性が高いでしょうか? 痛みが残るなら、歯根端切除と言われましたが、なんだか信用できなくなっています。 ちなみに、ペンシルバニアの水準で学んだ歯内療法の専門でされている医師に治療してもらっています。自費の根管治療も色々なやり方があるのでしょうか? 色々不安になっています。わかる範囲で助言頂けるとありがたいです。
コメントありがとうございます。
大前提として、実際に拝見していないこと。
また、治療部位、病状、かみあわせ、その病歴、そして歯周状態など、まったくわからい状況であることより、これから回答する内容は、妄想の域をでることはないでしょう。
そのため、確実に理解できる「頂いた文章に対しての見解、思い」を回答とさせて頂きます。
その点をあらかじめご理解いただければ幸いです。
『初めまして。現在、自費の根管治療中です。保険内の根管治療であまりに痛く、自費診療を受診。』
→この動画のように、皆さん、根管治療には大別して2種類の方法があることをご存じありません。
〇【皆知らない】根管治療、なぜ痛い?あなたの歯科医院選び、間違っていませんか?(根管治療には2つの方法があるって知っていました?)
おそらく、現在、マイクスコープとラバーダムを活用した根管治療を受けていらっしゃることでしょう。
『感染してしまっており、再根管治療になりました。』
『2回の予定で、1回目が終わり、今1週間。中は綺麗にしたとの事でしたが、時々違和感があり、
ズキズキではないですが、重い感じが続いています。』
→感染した状態の根管内を清掃した後は、しばらく違和感が残るものです。
根管治療後の痛みの理由にはいくつかあるでしょう。
①根管治療をしたことによる痛み
②感染が残っていることによる痛み
③治療している歯が接触しているために痛い
根管治療に限らず、「むし歯」は、唾液の中にある細菌が、歯に感染、歯を溶かしながら、その感染を内部へと広げていく病気です。これが「むし歯」という病気です。
〇むし歯は細菌の感染症である
https://miyazaki-dentalclinic.com/21898
〇「むし歯とは?」についてはこちらをぜひご参照ください。
この後の内容の理解が深まります!
https://miyazaki-dentalclinic.com/19490
つまり唾液中に存在する細菌の感染症です。
その細菌は、目で見ることはできません。
〇【残酷な真実】『肉眼』での歯の治療、ホントに見えてますか?《マイクロスコープ根管治療について》
そのため、我々歯科医師は、むし歯が溶かした跡を削り取り、内部を薬液で洗浄消毒することで、その感染を取り除きます。
この際、治療中に唾液が混入してしまっては、治るものも治りません。
絶対に治らないことはありません。ヒトの身体には「免疫」があります。多少細菌が残っていても、それを押さえる力があります。
でも唾液の存在は、治癒を阻害します。
そのため、ラバーダムが必要となるのです。
現在、治療に際して、このラバーダムを使用されているはず。
ということは、治療中の感染は無いということ。
その状態で、根管内を清掃しているということは、治療前より、「根管“内”」必ず良くなるということになります。
ラバーダムについてはこちらのリンクをご参照ください!
https://miyazaki-dentalclinic.com/17703
〇【絶対にやるな】根管治療中は、お口ゆすぐな!?(ラバーダム?って何?)安全確実な根管治療について分かり易く解説致します!
※上記題名は、皆さんの目を引くように誇張した表現となっています。多少口をゆすいでも大丈夫ですのでご安心ください。
原理原則をご理解いただく上での題名です。
まず、この大前提が為された上で、根管治療がされているのか否か?これがポイントですが、受けていらっしゃる根管治療は万全であるといえるでしょう。
根管治療はむし歯を削るだけでなく、 「歯を支える組織、歯茎や骨』をも触ります。
たとえるならば、皮膚に入った汚れた棘。それにより皮膚は赤く腫れ痛んでいるとしましょう。
皮膚が「歯」、汚れた棘が「細菌」です。
根管治療はたとえるならば、皮膚に麻酔をして、皮膚を切開。その内部の棘を、周囲組織とともにえぐり取るような治療です。
治療前は、①「感染していることによる腫れた痛み」ですが、感染が取り切れていれば、②「手術による傷口の治る過程での痛み」です。
根管治療”後”の痛みには、この2種類があるのです。
①の痛みは、「感染が取り除かれていれば」、1~3日ほどで痛みは無くなります。
多少の違和感は残りますが、1~3カ月で回復するようです。個人差があります。
その間は、あまり刺激せずに経過を観察していただきます。
皮膚の棘を取り除いた後、すぐに動かしたり、叩いたりする人は、いませんよね?
それをお考えいただくと、ご理解しやすいかと思います。
しかし、感染が取り除けていない場合は、その痛みや違和感が残ります。
その場合は、治療前の症状と全く変わらない痛みや違和感が続くでしょう。
根管の形態は非常に複雑です。
そのため、その内部を清掃するには、マイクスコープやCTといった機器が、治療に大変有効です。
〇CTについて
https://miyazaki-dentalclinic.com/17776
これでも症状が改善しない場合、これは、痛みの原因であろう「細菌感染」が、根管”内”ではなく、根管”外”にあるからでしょう。
その際は、根管外の感染を取り除くべく、「歯根端切除術」や「抜歯」が最善の治療法となります。
〇歯根端切除術の術式
https://miyazaki-dentalclinic.com/20031
〇歯根端切除術はなぜ必要か?
https://miyazaki-dentalclinic.com/20052
また上記以外の痛みとして、「かみしめ」があります。
治療している歯が接触していると、この噛みしめなどの力により、痛み・違和感を助長させます。
また、根管治療後の歯は、その感覚が鈍り、必要以上の力で噛まないと、噛んだ感覚が得られづらいといわれています。
それにより、歯には負担がかかり、歯が打撲を起こしたような状況となり、歯に痛みが生じているケースもあるようです。
つまり、上記①と②が理由ではない痛み、それが、「かみしめ」による痛みです。
これにはマウスピースなどの利用が効果的かもしれません、
こちらの動画で解説しています、ご活用下さい!
〇歯ぎしり・かみしめ対策のマウスピースの選び方!
『高額な支払いなので、良くなるのか不安でいます。』
→おっしゃる通りでしょう。
その点については、おそらく、ご担当頂く先生やスタッフより、術前に説明書や同意書などを用いた説明があったかと思います。
当院でも、「これは治りづらい」「痛みや違和感が残りやすい、残る場合がある」などの症例では、事前にその旨ご説明させていただいた上で治療に臨んでいます。
この説明がないと、患者様は元通りになる!と勘違いされることが多く、「以前のような歯の状態になっていない?なんで?」とトラブルの原因です。
『症例にもよると思いますが、、自覚症状が残る場合は、まだ感染が残っている可能性が高いでしょうか?』
→『中は綺麗にした』とのご説明を頂いたとのこと。残っていない可能性が高いことを説明するお言葉です。
私も同様の言葉で説明をします。決して「感染をすべて取り除きました」とは言いません。
これには理由があります。
むし歯の原因となる細菌は0.5~1ミクロン。我々の目の識別能力は100~200ミクロンといわれています。
そのためマイクスコープを用いて治療に臨むのですが、原因となる細菌は、それでも全く見えません。
我々が「キレイにした」と表現する理由は、我々がキレイにしたのは、「細菌が溶かした歯の部分」を削り取った!という意味です。
そこまでしか見ることはできないため、それを徹底しているのが現在の根管治療です。
そのため、見えない感染を取り除くべく、薬液や現在おそらく「水酸化カルシウム」が根管内に貼薬されているかと思います。
そのような薬剤の効果を期待して、次回、再度感染させない根管充填へと治療が続くかと思います。
水酸化カルシウムについて
https://miyazaki-dentalclinic.com/13375
根管充填について
https://miyazaki-dentalclinic.com/13380
『痛みが残るなら、歯根端切除と言われましたが、なんだか信用できなくなっています。』
→上記の通りであれば、今後症状が改善しない場合、歯根端切除術となるのは当然の結果でしょう。
当院では、歯根端切除術となる可能性のある患者様には、根管治療に臨む前に、その可能性を説明しています。
ほぼすべての患者様に説明しているといっても過言ではないでしょう。
理由は、「細菌感染は見えないこと」「その治療には限界があること」「その残存した細菌は根管充填で密閉(上記リンクhttps://miyazaki-dentalclinic.com/13380
を参照ください)するが、それでも残りうる細菌は、ご自身の免疫で抑え込むことを期待していること」によるからです。
『ちなみに、ペンシルバニアの水準で学んだ歯内療法の専門でされている医師に治療してもらっています。』
→ペンシルベニアの歯内療法のコースをご卒業されていて、なおかつ、その専門医であれば、超一流です。
これ以上の治療を提供できる先生はいないでしょう。
私の知るペンシルベニアコースを修了されている先生は、1年以上もかけて、その専門コースを修得し、さらにペンシルベニアにまで赴き、そのコースを修了します。
実際にペンシルベニア大学に在学する先生もいらっしゃる。
治療費用が高いのも頷けます。
それだけのご苦労とご研鑽を重ねていらっしゃる。
これ以上の努力をされている先生は、日本でも指折りでしょう。
全く疑う余地もなく、信用できなくなる理由が分かりらないのが正直なところです(笑) ごめんなさいね。
おそらくではありますが、信用できないのは、「コミュニケーション不足」ではないかと思います。
ご担当の先生との間に、会話がないのではないでしょうか?
お気遣いもあり、余計なことを言ってはいけないという配慮の元、言いたいことも言えないため、その不安が自己完結せざる終えず、でも自己完結するこはできないため、それが不安を助長。それが相手に対する不信感・信用できないという心理に陥っている。
おそらく、こんなスパイラルに入っているのはないでしょうか。
当院にいらっしゃる患者様、みんなこの状態です(笑)
そのスパイラルを抜けられる方、抜けられない方、様々です。
ぜひ、今ご担当頂いている先生に「全幅の信頼」を持ったうえで、「コミュニケーション」を十分とって下さい。
不信感からくるコミュニケーションやご質問は、相手に不快な思いをさせることがしばしばです。
これ以上の治療を提供してくれる先生は、日本でも非常に少ないでしょう。
全幅の信頼に値する歯科医師の先生でしょう。
その上で、その信頼のもと、十分なるコミュニケーションを。
これにより、たとえ治療している歯がどのような状況になったとしても、心安らかに、その先生に治療をゆだねることができるでしょう。
この回答が少しでもお力になれていれば幸いです!