月別アーカイブ: 2020年7月

神経を抜いた取った歯、根管治療後の歯の寿命?

ここに3つの論文があります。

① 根管治療歯と生活歯の含水率の違いは2%以下
(Papa et al Endod Dent Traumatol 1994)

② 根管治療歯と生活歯の生物学的特性の変化は殆どない
(Sedgely and Messer J Endod 1992)

③ 根管治療を行っても、剛性の低下は5%であったが、辺縁隆線を超えて形成を行うと、64%の剛性が低下する(Reeh and Messer JOE 1989)

①と②の論文は、根管治療をしても、歯は脆くならないことを証明する論文です。
根管治療をしても、歯は弱くも脆くもなりません。ご安心下さい。

但し、③の論文はその逆。歯が脆くなることを証明する論文です。

その内容は、根管治療の際に「削られた歯の部位」によっては、歯は脆くなることがあることを示しています。その部位は「辺縁隆線」。写真の赤矢印部分です。

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。この「辺縁隆線」部にむし歯があれば削らざる得ません。


その際は当院でも「歯が脆くなる可能性」をご説明させて頂きつつ、そうなっても問題が大きくならない治療法を加えてご説明いたします。

根管治療をした歯がすべて脆くなるわけではありません。
根管治療をした歯がすべて差し歯になるわけでもありません。
その病状によって最小限の切削治療が可能なのです。

上の論文から分かる事は、
根管治療したから歯が脆くなる訳ではないこと。
根管治療したことにより、歯を失う「量」に比例して、歯が弱く脆くなること。
つまりは、早期に治療して、できるだけむし歯が拡がるのを防ぎつつ、最小限に削り根管治療を行えば、弱く脆くならない!ということが分かります!

その対策法は、以下の「根管治療後、どう治す?」でまとめました。ぜひご一読下さい!

歯が脆く弱くならないようにするためには、早期発見・早期治療。+マイクロスコープが不可欠といえるでしょう。

根管治療後どうやって治す どうかぶせる 

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歯にヒビ、折れた 抜歯?抜かないで残したい!

この動画は、他院にて根管治療を行うも、その治療の最中に「歯にヒビが入っている」ということから治療は中断。抜歯を宣告された患者様についてです。

これに対して、当院では術前にCTを撮影しつつ、歯周基本検査により歯根の先端にまでヒビが及んでいない可能性を診査、仮診断を下したうえで、ラバーダムとマイクロスコープを活用し、再根管治療に臨んでいます。

前医治療中、歯にヒビが入っている説明を受け、抜歯を宣告されているものの、患者様はその様子を実際に目で見て確認はされていない!?とのことでした。

当院では、治療中の様子を動画で記録。ヒビが途中でストップしていることを確認した上で、根管治療に臨んでいます。

抜歯は最終手段です。

抜歯するならば、ぜひ患者様ご自身の目で確認した上で、抜歯をご決断頂きたいと思っております。

そのためにはマイクロスコープの活用が便利です。

その治療の様子を、上の動画でご覧頂けます。ぜひご活用下さい!

また、抜歯には明確な「診断基準」がございます。
患者さまにも分かるようにご説明しているリンクを以下に添付します。ぜひご活用下さい!

抜歯基準 なぜ抜歯するのか なぜ抜歯が必要か?

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1回で根管治療を終了させるのは歯の中の衛生的な点で大丈夫なのでしょうか?

 

1回で根管治療を終了させるのは歯の中の衛生的な点で大丈夫なのでしょうか?

無知で申し訳ないです。

コメントありがとうございます。

皆さんが疑問に思う大変意義あるご質問を有難うございます!55

ご説明させて頂きます。

よろしくお願い致します。

根管治療は、歯の神経にまで達した際のむし歯治療を云います。

むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。

歯を溶かしながら歯の内部へと感染を拡げていくのがむし歯です。

むし歯治療は「歯の内部に感染した細菌を駆除すること」です。

歯の内部には神経があり、その神経のあるスペースを「根管」といいます。

根管は煙突状の構造をしており、その数は奥歯に行くほど増えていきます。

前歯で1本、小臼歯で1~2本、大臼歯で2~4本です。

その根管内部に感染した細菌を取り除くのが根管治療です。

いわば煙突掃除といえるでしょう。

煙突内壁にこびりついたスス(細菌)を洗浄消毒するのが根管治療です。

従来の保険治療における根管治療では、この根管内に薬剤を塗布して根管内部の細菌を滅菌消毒します。根管上部に薬剤を置くことで、その薬剤が気化し、根管内部に浸潤し、歯の神経を殺しつつ、内部の細菌を消毒します。

この方法では根管治療時に最小限の麻酔(もしくは無麻酔)で短時間で治療を終了することのできる利点があります。

根管治療のポイントは、治療中に、治療している歯に唾液が侵入しないようにすることがとても大切です。この方法ならば、薬剤を手際よく交換するだけなので短時間で行えます。

ただし、肉眼と経験に頼った治療であることから実際に根管内部の感染が取り除けているのか否か?を判定することが出来ません。また薬剤の効果を待たなくてはいけないことから、長期間・多数回の治療が必要となるのもデメリットといえるでしょう。

このようにして、多くの患者様をできるだけご負担なく治療を進めているのが従来の保険治療における根管治療です。

ここでお見せした動画はこの方法とは一線を画した根管治療法です。

大きな違いは以下の2点です。

ラバーダムを使用することで、治療中の感染予防を徹底していること。

マイクロスコープを使用することで、根管内のむし歯を精査。徹底除去が簡単に行える。

これにより、複数回必要であった根管治療を少ない回数で終了することが可能です。

確かに、根管内に残留した細菌、象牙細管内に残留した細菌の可能性は否めません。

そのような症例では、複数回の根管治療が必要となりますが、当院では3回程で終了しております。

従来のラバーダムを装着しない肉眼に頼った根管治療では、長期間・複数回の治療を行うことで、それだけ唾液接触による感染機会を多く与えかねません。

歯の衛生的にも優れた根管治療法が、ラバーダムとマイクロスコープを活用した根管治療法、この動画の術式といえるでしょう!

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夏季休暇のご案内【8/11-8/14】

8/11~8/14までの期間、夏季休暇とさせて頂きます。
よろしくお願い致します。

緊急の連絡先は、当院ホームページ内、お問い合わせ画面よりご連絡頂けますようお願い申し上げます。

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湾曲根管でファイルが折れた場合 イスムス削除?

先生いつも拝見させて頂いてます。

湾曲根管にファイル折れた場合などはどうなされてますか?

あと、イスムスを削除する目安などはございますか?

いつもご視聴ありがとうございます。嬉しいです!

もしお時間があれば以下のリンクをご参照下さい!

https://miyazaki-dentalclinic.com/18672

患者様のために一生懸命に根管治療に臨む歯科医師であればあるほど、ファイル(器具)の破折は起こってしまうものでしょう。

ファイルの破折は好ましい状況、喜ばれる状況ではありません。

当院では、これは、決して失敗ではなく、適切に対処すべき「治療経過」と考えています。

問題は「ファイル(器具)の破折」ではありません。

問題は「細菌感染が取り除けていないこと」です。

そのため、ファイル(器具)破折を認めた場合、まずは「除去すべきか?しなくても良いか?」を考えます。

根管治療は「歯の内部に感染した細菌を駆除する治療」です。

・根管内の細菌が除去されている

・根管内に細菌が残っていたとしても、その感染が外部にでないように根管充填されている(根管内に細菌が埋葬されている)

・ファイルが感染していない

この3点に該当していれば、たとえファイル(器具)が根管内で折れたとしても、取り除く必要はありません。

ファイルも適切に滅菌されたものや、新品を使用していれば、「根管充填材」として機能することもあるのです。

 

湾曲根管でファイルが破折するシチュエーションは次の通りかと思います。

1.自分が器具を折ってしまった場合

①根管治療中、感染を取り除く前に折ってしまう

1)術前に根尖病変があり、その根管治療中に湾曲根管の根尖で折れた場合はファイルを取り除く必要性が生じます。

そのため、そのような危険性のある症例では、術前にCTを撮影し、十分な準備とご説明のもとに治療に臨む必要があるでしょう。

このような症例で折れてしまった場合、折れているファイルが見えるようであれば取り除くことは可能です。

しかし、湾曲した先で折れており、マイクロスコープでも見えない場合は取り除くことは私には困難です。歯根端切除術の適応症となります。

歯根端切除術はなぜ必要か?

https://miyazaki-dentalclinic.com/20052

2)術前に根尖病変がなく、たとえば形成時の露髄からの根管治療の際にファイルが破折した場合。

→このような症例では根尖まで感染が拡がっていることは考え難いものです。

ファイル破折した部位より手前までを十分に拡大洗浄し経過を観察します。

大概が問題なく治癒するものです。

ただしマイクロスコープで見えるならば、歯根を壊さない前提で取り除いた方がいいでしょう。

上記2)には前提条件があります。以下の2点が必要不可欠です。

・ラバーダムをしていること

・折れたファイルは新品であること

②根管治療後、根管内がキレイになってから根管充填前に折ってしまった場合。

→これはファイル自体が感染源ではなければ取り除く必要はないでしょう

取り除こうとすることで歯根を壊しては意味がありません。

2.他院で器具を折ってしまった症例を診る場合

①症状も徴候もなく(痛みがなく、根尖病変も認められない)、他院にて適切な根管治療後に根管充填前に折れているのであれば、(つまり上記1.の②)取り除く必要はないでしょう。

②症状・徴候がある場合(痛みがあったり、根尖病変がある場合)

1)ファイルが原因の場合
2)ファイルが折れた先が根管治療不十分で原因の場合
3)ファイルの破折が原因ではなく、他に原因がある場合

これらを適切に見極めて根管治療に臨む必要があるでしょう。

1)2)共にファイルを取り除く必要があるでしょう。

3)は不適切部分を適切に根管治療すれば良いでしょう。

適切な根管治療とは?

イスムスも上記の「湾曲した根管でファイルが折れた場合」と同様です。

まずは適切な根管治療、再根管治療を行います。

すべての根管を適切に拡大し洗浄します。

その後も痛みや違和感、腫れなどの症状が残っているのであれば、イスムスへの感染を疑い、CTを必ず精査した上で取り除きます。

ファイル破折の残存もイスムスの有無も、治療の過程であり、原因ではありません。

原因は「細菌の感染が残存していること」「それを取らないこと」です。

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根管充填のタイミング

いつも動画を拝見させていただいております。

とても勉強になり、日々の臨床の励みとなっております。

ありがとうございます。

先生の動画を拝見していまして、2つ疑問点がありましたのでご質問させていただければと思い失礼ながらこの場をお借りしました。

26分20秒あたりなどで根管の内部を削合されていますが、自分が処置をした際、パーフォレーションをしないか不安に駆られるのですが、①根管の形態などは全てのケースにおいてCTを撮り確認されているのでしょうか?

②もし撮影するケースとしないケースがあるのであれば、その違いをご教授いただければと考えております。

また、③根充するタイミングが私の中でいつも迷ってしまうのですが、先生の基準などがあれば教えていただければと考えております。

お忙しい中大変恐縮なのですが、よろしくお願いいたします。

コメントありがとうございます。

回答させて頂きます。

頂きました文章中に番号を付させて頂きました。

その番号に沿って回答させて頂きます。

①「すべてのケースでCTを撮影?」

→ご推察の通りです。すべての症例で術前にCTを撮影した上で治療に臨ませて頂いております。

②「ケースによって?」

→すべての症例で撮影しますが、メタルクラウンやメタルコアが入っている症例では、メタル除去後に撮影をしております。

コア除去により感染の危険性が危惧される場合は、除去後、初回の根管治療後に撮影する場合もございます。

③根管充填するタイミングは、以下の通りです。

・すべての根管が#35 06あるいは#40 06まで拡大

・次亜塩素酸による洗浄に発泡などの反応が認められない

・齲蝕検知液に染色されない

・浸出液、排膿など無し

根管治療は根管内部の感染を取り除く治療であると考えております。

そのために歯科医師である私が確実性をもって行えることは、

・CTで術前に診断し、根管治療の適応症であるか否かを適切に診断すること

・ラバーダムで治療中に感染させないこと

・マイクロスコープで見えうる限り感染を取り除くこと

この3点かと思います。これが達成できていれば、根尖病変の有無、多少の違和感に関わらず、上記4点を満たしていれば根管充填に踏み切ります。

これで治らない場合は、そもそも根管治療の適応症ではありません。

歯根端切除術あるいは抜歯が適切な治療法かと考えております。

この回答がご期待に沿えた回答となっていれば嬉しいです。

よろしくお願い致します!

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普段は痛みない 硬いものを食べる痛い 虫歯?

ご相談内容

御忙しいところ恐縮です。茨城県北部に在住するものです。

普段何もしていなければ、痛みはないのですが、硬いものを食べると奥歯に少し痛みがでます。

小さい頃に虫歯治療をしており、奥歯も殆ど詰め物が入っております。一年前に、地元の歯科医院で神経を抜いた経験もあり、なるべくなら神経を残したいという思いで、WEB上で検索していたところ先生の歯科医院を知りました。

実は先月地元の別のクリニックで虫歯ではないか見てもらったのですが、スコープの写真を撮っただけで、虫歯はなさそうと言われました。

甘いものを食べるとしみることもあり、虫歯ではないか、もっと信頼できるクリニックと思いご相談させていただきました。

はじめまして。宮崎歯科医院 宮崎と申します。

どうぞよろしくお願い致します。

詳細なるメールを頂きまして誠にありがとうございます。

回答させて頂きます。よろしくお願い致します。

実際に拝見させて頂いていないため、適切な回答とならない場合もございます。

あらかじめご理解頂いた上でお読みくださいます様お願い致します。

まずはこちらの動画をご覧頂いてもよろしいでしょうか?

「しみる」という症状について解説しておりますこの動画ですが、「しみる」→「痛い」と変えても成り立つ内容となっております。

この動画の5つシチュエーション、どれに該当するのか?ぜひ一度ご視聴下さい。
答えが見つかるかもしれません。

また、現在の症状から歯の神経を残せるか否か?根管治療(歯の神経を取る治療)が必要か?についてチェックできる表があります。

ぜひこちらもご活用下さい!

神経を残せるか否か 根管治療は必要か その症状から診断名と治療法をチェック

https://miyazaki-dentalclinic.com/24628

当院の受付スタッフに申し伝えておきます。

ご希望の際は、当院までご連絡ください。

03-3580-8110

この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。

よろしくお願い致します。宮崎

※初診の患者様へ(当院の初診の流れについて)

必ずご一読ください。

https://miyazaki-dentalclinic.com/22254

《当院からのお願い》

多くの患者様より切なるご相談を頂いております。

できる限り多くの患者様にお応えできます様、お1人様につき1通のメール回答とさせて頂いております。さらなるご質問メールに関しましては、拝見していない立場で無責任な回答となりかねないため、当院として遠慮させて頂いております。(ご返信いただいた際も更なる当院からの返信は遠慮させて頂いております。あらかじめご理解いただけますようお願致します。お礼のメールを拝受させて頂くことも大変多くございます。こちらにつきましてもご返信は致しませんが、ありがたく拝受・拝読しております。)もし、当院がお近くの患者様であれば、さらなるご質問につきましては当院までお越し頂き、拝見させて頂いた上でお答えさせて頂きたいと思っております。ご理解ご協力頂けますようお願い申し上げます。

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前歯の神経を抜いた後 唇の上の部分が腫れた 原因は?

前歯の神経を抜いたあとに麻酔が切れてから約1日ほど経った時に急に前歯が痛くなり唇の上の部分が腫れてしまいました 。

いろいろ調べたところ全て共通して言えるのは病気を除き約3日〜1週間で治るらしいのです。

(コメント時3日経過) ただ治らなかった場合は他に原因があるのでしょうか?

同じような症状の人いませんか?

毎日痛くて辛いです。

「前歯の神経を抜く根管治療をした後に、唇の上の部分が腫れてしまったとのこと」

おっしゃる通りです。

適切な根管治療が為されていれば、術後1~3日間は痛みがあり、その後は治まります。

腫れている部分は治療した歯の根っこ、歯根の先端部分です。

これを根尖病巣(根尖病変)といいます。 原因は、「根管治療の不十分」です。

それは何か?

むし歯とは、唾液中に存在する細菌が歯に感染し、歯の内部に感染を拡げる病気です。

その感染を取り除くのがむし歯治療であり、根管治療ですが、感染が残っていると、その感染は歯の内部からその周囲の骨にまで及びます。

唇の上が腫れているということは、歯の周囲に感染が拡がっているということが疑われます。

同様の患者様、大変多く拝見しております。

適切な根管治療を施せば治ります。大丈夫です。

まずは抗生物質と鎮痛剤を服用頂き、適切な根管治療を行ってもらってください。

当院のホームページの右上、赤字の電話番号の下に「検索」の小窓があります。
https://miyazaki-dentalclinic.com/

そこに「根尖病変」「根尖病巣」と入れて頂くと、多くの症例を見て頂くことが可能です。

ぜひご参考ください。

まずは近隣の歯科医院にご相談いただき、炎症を治めましょう。

その後は適切な根管治療です。

適切な根管治療につきましては、当院のチャンネル、以下の動画でご説明させて頂いております。
ご活用下さい。

 この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。 ぜひご活用下さい! また、お困りの際はご相談ください!

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トラウマ 麻酔無しで治療 妥当でしょうか?

20年前に痛い治療でトラウマになり、つい最近ですが、勇気を出して歯科に行きましたが、、、。

根っこの治療をすることだけで詳しい説明や又特に声かけは全く無しで、どれだけ痛そうに顔をゆがめても無視で、麻酔無しで治療されていたと明細を見て知りました。

痛すぎて冷や汗が出て、帰り気も遠くなり歩くのもやっと。。

1回目はこんなもんなのかな、、20年放っておいたから痛くて仕方ないのかな、と、2回目行きましたが、あまりに辛くてそこの歯科はやめました。

痛みがあると伝えているにもかかわらず、麻酔をするかの選択肢さえ与えられなかったこと。

この治療は妥当でしょうか?

愚痴のようで申し訳ありません。

先生に診て頂きたいですが、残念ながら遠方すぎて難しいです。。

ですので、お返事頂けると幸いです。

宜しくお願い致します。

コメントありがとうございます。

痛い治療をご経験されての久々の歯科治療。勇気がいったことでしょう。

当院にも同じような面持ちでご来院頂く患者様、大変多くいらっしゃいます。

20年ほど我慢されての勇気を振り絞ってのご通院、大変だったことでしょう。

初診時、痛みもあったかと推察致します。病状も進行していたのでしょうか。

頂いた文章を熟読させていただくと、ご期待に沿えるご説明が足らないまま治療が進行したご様子がよく分かります。

それほど緊急性の高い治療だったのかもしれませんね。

病状を拝見していないため、適切な治療法か否かについては推測の域をでないため、申しづらいのが素直なところです。

このような「患者様にとって辛い歯医者でのお話」を患者様よりしばしば伺うのですが、当院では治療前には必ずご説明をさせて頂いた上で治療に臨ませて頂いておりますため、『なんでこんなことが起きるのか?』いつも考えてしまいます。

『歯科医師が患者様に説明もせずに治療に臨むのだろうか?』当院では想像さえで出来ないことです。

そのような前提からその状況を推測すると、「私がそのような状況にいたのならば」以下のようなことが推測できます。

①急性症状のため、あるいは病状があまりにひどかったため、麻酔による痛み与えてしまうよりも、ちょっと我慢はして頂くことになりますが、手際よく炎症を治める治療を第一に考え治療に臨んだ。その結果、患者さまへの痛みが強く生じてしまった。

②「患者様の治療に対するご希望と治療法へのご理解」と「実際の病状」にあまりに違いがあり、結果、患者様にご不安と痛みを与えてしまった。

当院でも急性症状や病状が思いのほか悪化した症例、①のような場合では、予測できない痛みを与えてしまうこと、時々あります。そのような際はお詫びさせていただくこともあります。

また、患者様はそれほど悪くない・・・と思っていても、実際の病状は相当ひどく、治療することにより痛みを伴なったり、術後に痛みが強くでてしまうこともあります。このような際は、患者様にご不安を与えてしまうでしょう。②のような状況です。

頂いたお話しを友人の歯科医師に聞いてみました。

「こんな歯科医師の先生いるの?説明もなく治療するって?」

回答はこうでした。

「知り合いの先生でいらっしゃいます。口下手ですが非常にまじめな先生です。治療は真摯に取り組まれるのですが、口下手が災いして、患者様に不安を与えてしまうことがよくあります。保険治療主体なので、沢山の患者様を手際よく治療しなくてはならない背景もあるようですが・・・」

ご通院の中止のご決断、正しいかと思っております。

歯科医師と患者様、お互い人と人です。あうあわないもあるかもしれません。

ご期待に沿える回答となっていないこと、大変心苦しく感じておりますが、私としては、想像すら難しい出来事、一生懸命考えさせていただいた結果となります、どうがご理解頂ければ幸いです。

何かお困りの際はいつでもご相談下さい!

当院では沢山の動画配信をさせて頂いております。

お困りの際は、ぜひ最新の動画にコメント下さい。

早く気づくことが出来るかと思っております!

大変勉強になりますコメントありがとうございました。

患者さまにご不安を与えないように、己の臨床に生かさせて頂きます!

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歯の神経を取っても抜いても「歯は脆く弱くなりません!」

歯の神経を残せるか否か?根管治療は必要か?適切な治療法は何か? 現在の症状からチェックする表はこちらをご活用下さい!
https://miyazaki-dentalclinic.com/24628

根管治療後の削り方、弱く脆くならない治療法
https://miyazaki-dentalclinic.com/26130

神経を取った歯の寿命、本当に脆く弱くなるの?3つの論文解説。
https://miyazaki-dentalclinic.com/22450

「歯の神経を取りたくない!」

「歯の神経を抜きたくない!」

「根管治療したくない!」

「歯の神経を残してくれる先生を探しています!」

大変多くの患者様からのご質問、ご来院を頂いております。
当院へのご相談数、来院数は都内でも随一ではないかと思います。

当院では可能な限り歯の神経を抜かずに残す治療を心掛け日々の臨床に取り組んでおります。
その具体的方法は、ラバーダム&マイクロスコープ&MTAによる覆髄法です。

しかしこの術式をもってしても残せない症例があります。

① すでに歯の神経は回復することのない炎症を起こしている場合

② 既に歯の神経が死んでしまっている場合

この2症例です。
①を不可逆性歯髄炎
②を歯髄壊死
といいます。

このような症例ではいたずらに「治療時期を遅らせる」ことで、むし歯は進行し、さらに歯の内部を削る量が多くなるばかりでなく、周囲の歯槽骨にまで悪影響を及ぼします。

「歯の神経を残したい、取りたくない」とする希望・不安の裏には「歯の神経を取ると、歯が弱く脆くなる」とする根拠があるからではないでしょうか?

でも、その「弱くなる、脆くなる」ってどの程度でしょうか?

本当のことでしょうか?

弱く脆くするには他の原因があるのではないでしょうか?

この点についてこの動画で分かり易く解説しています。

結論からまいりましょう!

歯の神経を取る事で、約2~5%程の剛性が低下します。つまり少しだけ弱くなりますが、おそらく皆さんが想像しているほどは弱く脆くなりません。

そして歯の削り方、神経を取った歯の後に残る「歯の量」によって、その剛性は大きく影響を受けます。

つまり「削り方」「むし歯の削除量」によって、歯の弱くなる・脆くなる程度は大きく影響を受ける!ということです。

これらについて、動画内で、過去の3つの論文を参考にご説明させて頂いております。

ではその対策はどのようにすればいいでしょう?これは以下のリンクをご参照下さい!

根管治療後どうやって治す どうかぶせる 

歯の神経にまで感染が及び、その炎症が回復しない場合、あるいはすでに神経が死んでしまっている場合は、これ以上の感染を拡げないためにも早々の根管治療が必要です。

早々に行うことで、これ以上の感染拡大を予防できるのです。

つまりはご自身の歯を出来るだけ削らずに残せる!ということになります。

これは、根管治療後の歯が弱く脆くなりづらくなることにつながります!

歯の神経を残すことも大切ですが、たとえ歯の神経を失ったとしても、その後の、根管治療後の歯を削らずに残すことの方がとてもとてもとても大切なのです。早期に治療すれば、歯は永く長く使用できるのです。

ぜひ、近隣の歯科医院へご相談頂き、適切な診査診断のもと、適切な根管治療を受けて頂けることを願ってやみません。

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