ご相談内容
先生のご意見を聞かせてください。
○○(海外)に住んでおり、そこで治療を受けました。
先日クリーニングのため歯医者に訪れた際に古くなっているシルバーの詰め物を取り替えましょうと言われ、左上2つ。右上1つと右下2つを計5つを左右に分けて施術してもらいました。
初めに左上。施術後、咀嚼時の瞬間的な痛みとしみる感じがあったので、1週間後右側の施術日に詰め物の高さを調整してもらいました。右側も施術を終えた当日から咀嚼時に痛み、冷温に対してもしみて、キンキンしました。食事の際に毎回激痛が走るので1週間経たないうちに詰め物の高さの調整をしてもらいましたが、その後も痛みは変わりませんでした。
おかしいと思い、歯医者を変えました。
再度X-ray(レントゲン)を撮影し、経緯を話して、詰め物をまた1から取り替えてもらおうと思ったのですが、痛みが続く事から1番痛みの強い右下は根管治療が必要かもと言われました。
詰め物の写真を撮ってもらいましたが、形が歪すぎて悲しくなるほどでした。
夜は痛みが治らず、痛み止めを服用する事もあります。今の歯医者でも、詰め物の高さの調整しか未だ手をつけてもらっていません。そして高さの調整をする余り、逆に噛み合わせがズレてきてしまっている気がします。左側は何とか痛みの持続は短くなりましたが、咀嚼時に炒めた玉ねぎでも痛みが出ます。
右上は噛み合わせると、歯茎に押されるような圧迫感があり、そのうちに持続する痛みが襲ってきます。右下に圧迫感はありませんが、やはり継続する痛みがあります。
シルバーの詰め物があった時は痛みは全然ありませんでした。詰め物を変えてからです。一体私の口の中で何が起きているのでしょうか。
早急に根幹治療をしてもらうべきでしょうか?
詰め物のやり直しだけでは痛みは取れないと思われますか?
X-rayと詰め物の画像が手元にあります。
今のこの文字だけの説明では分からないと思いますが、何か助言いただけましたら、この不安と絶望しかない気持ちが救われる気がします。
よろしくお願いします。
詳細なるメールを頂きまして誠にありがとうございます。
回答させて頂きます。よろしくお願い致します。
実際に拝見させて頂いていないため、適切な回答とならない場合もございます。
あらかじめご理解頂いた上でお読みくださいます様お願い致します。
頂いた文章を拝読したのですが、右?左?上?下?痛みの判別がしきれなかったため、頂い文章を抜粋し、その病状について解説をさせて頂きます。ぜひご参考ください。
まずは歯医者の治療内容についてのお話しです。
一般的な歯科医院では、特別な疾患(癌、神経痛など)を除いて、3つ問題の解決に取り組んでいます。それは「むし歯」「歯周病」「かみあわせ」この3つ。つまり痛みや違和感の原因はこの3つということになります。
今回感じている痛みの原因もおそらくではありますが、この3つが可能性として高いのではないでしょうか。
こういった痛みを皆様は「しみる」という言葉で表現されます。その表現は人それぞれですが、その痛みによっては原因が異なるため、ただ削れば良い?というわけではありません。
ぜひ以下の動画をご参照下さい。解決の糸口が見つかるかもしれません。
このような治療後に痛みが有る場合、ご自身の歯がどんな状況にあるのか?神経はどうなっているのか?根管治療が必要なのか?をチェックできる表があります。ご参考頂ければ幸いです。以下にリンクを添付します。ご活用下さい。
https://miyazaki-dentalclinic.com/24628
『食事の際に毎回激痛が走るので1週間経たないうちに詰め物の高さの調整をしてもらいましたが、その後も痛みは変わりません』
→詰め物を高さを適切に調整したのであれば、「かみあわせ」には問題ないでしょう。
その後も「噛んだ時にのみに」痛みが継続しているのであれば、かみしめなどにより、歯に「ヒビ」が入っている可能性あります。
「噛まなくても痛い」のであれば、歯の神経に近いむし歯が疑われるため、まずは上のリンク、チェック表を再度ご覧頂き、ご自身の病状をご確認ください。
根管治療が必要となるかもしれません。
「根管治療について動画で解説」
https://miyazaki-dentalclinic.com/27550
『痛みが続く事から1番痛みの強い右下は根管治療が必要』
→何もせずとも痛むのであれば、鎮痛剤を服用したことがあれば、おそらく根管治療が必要となるでしょう。
『夜は痛みが治らず、痛み止めを服用する事もあります』
→このような症状を症例では、根管治療が必要となる場合が大変多いようです。
『シルバーの詰め物があった時は痛みは全然ありませんでした。詰め物を変えてからです』
→こういった症例、ホントに多く拝見しております。
では、その原因はなんでしょうか?
シルバーが悪いわけではありません。
治療が悪いわけでもないかもしれません。
こういった症例は、そもそも、以前、シルバーを被せる際に「神経に近い深いむし歯治療」が為されていることがほとんどです。
これをセラミックに置き換えることで、痛みが発現します。
このセラミックに置き換える時、あるいはシルバーを取り去った時、がポイントです。
痛みの出る症例で共通することは、「ラバーダム」「マイクロスコープ」を使用していない事です。
むし歯は唾液中に存在する細菌の感染症です。その細菌は0.5~1ミクロン。肉眼では見えません。
この点について解説した動画を添付します。文章で書くより理解が深まるでしょう。ぜひご覧下さい。
「ラバーダムについて」
「マイクロスコープについて」
『早急に根幹治療をしてもらうべきでしょうか?』
→早急に治療が必要な場合は以下の通りです。
(1)「噛まずとも、何もせずともズキズキ、ジンジン、ジーンとした物事に集中できない程の痛みが続き、鎮痛剤の服用が必要な場合」
こんな時は、根管治療が必要となる可能性が非常に高いようです。
当院ではこれに加えてCTや他診査をした上で、患者様のご希望ご同意を頂いた上で根管治療に臨んでいます。
「詰め物のやり直しだけでは痛みは取れないと思われますか?」
→もし上記(1)の症状ではなく、以下のような病状であれば、対処法は異なります。
(2)かみしめたとき、硬いものを噛んだ時“だけ”の一時的な痛み
→かみしめや歯ぎしり、詰め物の高さが問題です。噛み合わせを調整し、夜間睡眠中の歯ぎしり予防が効果的です。以下の動画をぜひご覧下さい。
(3)(1)ほどの痛みではない。時々痛む、染みる程度。
→歯の神経を残す治療が必要でしょう。
「歯の神経を残す治療について」
https://miyazaki-dentalclinic.com/21762
回答は以上となります。
この回答が少しでもお力になれていれば幸いです。
よろしくお願い致します。宮崎
※初診の患者様へ(当院の初診の流れについて)
必ずご一読ください。
https://miyazaki-dentalclinic.com/22254